「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

モーツァルト礼讃

2016年12月13日 | 音楽談義

寄る年波には勝てず、クスリをもらうために月一度の病院通いが欠かせない。

つい先日も午前9時ごろに出かけたところ早々に混んでいたので仕方なく待合室の新聞を読んでいたら「毎日新聞」(朝刊)の一面の下の方に、最近のヨーロッパの極右政党の躍進に絡んでこういう記事があった。

「ドイツでのアンケートで最も偉大なドイツ人のトップに<モーツァルト>がなった時、在独オーストリア大使館から彼は自国のザルツブルク生まれだとのクレームがついた。ちなみにザルツブルクの近くにはブラウナウという町もある。

ドイツ人は言った。

<オーストリア人はモーツァルトには声を大にするが、ブラウナウ生まれのヒトラーについては沈黙する>」(片野優ほか著「こんなにちがう ヨーロッパ各国気質」)。

思わず笑ってしまった。

とても面白い記事だったので、自宅に戻ってググってみたところ同様の記事が見つかった。良かった!これでそっくりコピーしてブログのネタに出来る(笑)。

ちなみに、ザルツブルクはモーツァルトの生誕時(1756年)はドイツ諸邦のひとつだった。ザルツは「塩」、ブルクは「砦」の意味で、もともと「岩塩」の産地としても有名である。

ついでにモーツァルトのフルネームは「ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト」だが、ウォルフガングのウォルフ(ウルフ)は「狼」のことだし、ガングは「牙」を意味する。狩猟民族ならではの由来だと推察している。

それはさておき、一番興味を惹かれたのはもっとも偉大なドイツ人のトップに選ばれたのがモーツァルトだったということ。

勇敢な建国の英雄を選ぶでもなく、アインシュタインのように人類に貢献した科学者でもなく、ましてや偉大な政治家でもなく、芸術家を選ぶというドイツ民族の洗練された(?)センスに感心。

そして、その芸術家とはゲーテのような偉大な文学者でもなく画家のデューラーでもなく「音楽家」だったのだからさらに驚く。

これはいかにドイツ人が日常的に音楽に親しみ敬愛しているかの証左になるだろう。

また、その音楽家がバッハやベートーヴェンではなく、ましてやワーグナーでもなく「モーツァルト」だったことに大きな意義がある。クラシック音楽の中でもモーツァルトの「天馬空を駆ける」ような作風は他の作曲家たちとはまったくかけ離れていて、別格の存在として位置づけされるものだ。

おそらくドイツ人はモーツァルト好きと同時に「世界を見渡しても古今東西、こういう偉大な芸術家はいないぞ」とばかりに「ドイツ民族の優秀性を誇る」気持ちがきっとあるに違いない。

さすがに古典音楽を「不埒な演奏」から護るために、わざわざ「ドイツ国家演奏家資格制度」を設けているだけのことはある。

このブログでもたびたび書かせてもらっているが「モーツァルト好き」に関しては「人後に落ちない」と自認しており、インターネットラジオでもモーツァルトの専門チャンネルを一日中つけっぱなしにしているが、「こんな美しい旋律があったのか」と、ハッとすること再々だし、その調べの自然な流れには魅了されるばかり。

日本社会で「モーツァルトが好き」なんて言うと、せいぜい「キザな奴」と思われるのが関の山だが、ドイツ社会では話の分かる人間だと快く受け容れてもらえそうだ(笑)。

世界のVIPが一堂に会する主要国サミットの雑談の席で「クラシック音楽」について語れることは、何よりの教養を物語るものだという趣旨のことを元首相の中曽根康弘さんが言ってたが、その点、安倍さんは大丈夫だろうか?(笑)

ヨーロッパの雄「メルケル首相」(ドイツ)と対峙するときにクラシックの素養があればきっと話が弾みますよ~。

さて、最後に肝心のモーツァルトの音楽の魅力について触れておかないと画竜点睛を欠くというものだろう。

自分ごときがどんなに口を酸っぱくして言ってみても説得力が皆無なので、ここでベストセラー作家の「百田尚樹」さんに登場していただこう。

                      

著書「至高の音楽」の中で、
「文学は音楽に適わない」と述懐されている方である。音楽家が言うのなら「我田引水」だが、文学者が言うのだからより一層信憑性が増す。

本書の中でモーツァルトの最高傑作「魔笛」(オペラ)について、こういう記述がある。

「ひどい台本にもかかわらず、モーツァルトの音楽は言葉を失うほどに素晴らしい。魔笛こそ彼の最高傑作という音楽評論家は少なくない。

モーツァルトは最晩年になると、音楽がどんどん澄みわたってきて、悲しみを突き抜けたような不思議な音の世界を描くようになるが、魔笛はまさしくそんな音楽である。

曲はどこまでも明るく、軽やかで、透明感に満ち、敢えて恥ずかしげもなく言えば、もはや天上の音楽と呼びたくなるほどである。」

さすがにプロの作家は表現力が違う。

モーツァルトの作品は皆等しく素晴らしいが、「魔笛」はさらに群を抜いた存在だ。

「音楽がどんどん澄みわたってきて悲しみを突き抜けたような不思議な世界」の境地に到達できると、あなたの音楽人生は一変しますぞ!(笑)

読み逃げは許さん!右のランキングにタッチすること。       


 

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