「音楽&オーディオ」の小部屋

クラシック・オーディオ歴40年以上・・身の回りの出来事を織り交ぜて書き記したブログです。

埋もれた名曲

2016年08月27日 | 音楽談義

8月もようやく最後の週末(27日~)を迎えることになった。ちょっぴり朝晩涼しくなってようやく秋の気配が忍び寄ってきたように感じるが、まだまだ日中の暑さともなると油断できず、きっと残暑の厳しさも尾を引くことだろう。

振り返ってみると今年の8月は「スーパーツィーター月間」とでも言うべき月だった。この新しい“おもちゃ”が7月31日に我が家にやってきてから、ああでもない、こうでもないとやってたところすっかり夢中になって暑さそっちのけだった。

その意味では記憶に残る1か月だったが、その間我が家の音を聴きに訪れていただいお客さんも4回にものぼるが、ブログのネタにさせてもらおうと思っていたものの、システム中のアンプをトッカエひっかえしていたところ何が何やら時間の前後感が判らなくなってとうとう投稿するタイミングを逸してしまった(笑)。

それでも、ひつとだけ忘れていないことがあってそれは「試聴盤」。

せっかくお見えになっていただいたお客さんには出来るだけいい音といい音楽を聴いていただこうといつも気を配っているが、音の方はそれぞれ好みの問題もあって自信がないが、音楽ともなると話は別であまり有名ではない曲目をつとめて紹介するようにしている。いわば「埋もれた名曲」の発掘。ま、勝手に名曲だと思うだけだが(笑)。

8月のお客さんたちに主に聴いていただいたのは次の3枚。


           

左からアッカルドの「クライスラーへのオマージュ1」(ヴァイオリン独奏)、「シュワルツコップの芸術」(ソプラノ)、「シュトラウスの4つの最後の歌」(バーバラ ボニー)

まずアッカルドのCD盤の聴きどころは5番目のトラックの「精霊の踊り」。

ドイツの作曲家グルックの代表的オペラ「オルフェオとエウリディーチェ」の中のバレエ曲で、このオペラ自体は、現在では滅多に演奏されることはないが、オペラの第2幕第2場で天国の野原で精霊たちが踊る場面で演奏される「精霊の踊り」、これは聞きしに勝る名旋律ですねえ。

もともとはオーケストラとフルートによる曲だが、去る8月14日(日)の「クラシック音楽館」(NHK/Eテレ)では、オーボエ奏者のフランソワ・ルルーが「オーボエ協奏曲」(リヒャルト・シュトラウス)演奏後のアンコールに応えてオーボエでこの曲を演奏していた。

まったくの偶然で、「あれっ、これって精霊の踊りではないか」
と驚いたが、名曲はフルートでもオーボエでもどんな楽器で聴いてもいいものだが、ヴァイオリンともなるとひときわ哀愁を帯びて胸を打たれる。やはりアッカルドはいい。目下の愛聴盤。

次に、シュワルツコップのCD盤だがタイトルに「世紀のソプラノ エリザベート・シュワルツコップの芸術」と銘打ってある。たしかにけっして大げさではなく「世紀のソプラノ」にふさわしい歌唱力の持ち主だと思う。美声もさることながら、なにしろ表現力が豊かで顔の表情まで見えてくるような歌いっぷりに心の底から参った!

すべての曲目がお気に入りだが、とりわけリヒャルト・シュトラウスの「四つの最後の歌」のうち、三番目の「眠りにつこうとして」(ヘッセ詩)がいい。歌唱の間にヴァイオリン・ソロが入ってくるのだがこれが天国的な心地よさ。ホトホト「生きていて良かった」と思わせてくれる(笑)。

また3番目のCD盤のバーバラ・ボニー(ソプラノ)も好きな歌手で、この盤でも「「四つの最後の歌」が収録されており、「眠りにつこうとして」では、ついシュワルツコップと聴き比べてしまう。ボニーも悪くはないがソロの部分がヴァイオリンの代わりに何とピアノになっている!

ヴァイオリンとピアノの一騎打ちだが、自分だけかもしれないがピアノの音には心情的に冷静さを要求されるような気がしてどうも酔わせてくれないところがある。琴線に触れてくるヴァイオリンの音色とは大違いだ。しかし、このボニー盤もなかなか捨てがたい味わいがある。

ところで、これらの名曲に関して先日のブログで紹介させていただいた「シューマンのピアノ協奏曲」にゾッコンだったS子さんからメールが舞い込んだので、そのやり取りを紹介させてもらおう。匿名なのできっと無断掲載を許してくれることと思う(笑)。


「ご無沙汰しています。S子です。今年の暑さは異常ですね。在宅中はエアコンを無しでは過ごせずにいます。

今日は、久しぶりにブログを拝読しましたが、暑さのせいか、自身が電池切れなのか、最近はクラシック音楽を聴く気力不足みたいです(笑)。

たまに聴くのは、シューベルトのピアノソナタ18や21番やジェラルド・フィンジやシャルル・ケクランでしょうか。フィンジの悲しい生涯に思いを馳せながら聴くと、その温かな優しい音楽に涙が溢れます。

>ジムで汗を流してきて帰宅するなりまず冷えたビールをぐいっと1杯、そのあとで焼酎にカボスの汁を垂らし込んで、氷で割ってちびりちびりとやりながら、モーツァルトを聴く。至福の時間である。

こういう夏の過ごし方もいいですねっ!」

ハイハイ、モーツァルトが好きになったことは人生最大の収穫でしたよ~(笑)。ついてはS子さんにメールをこう返した。

「お久しぶりです。今年の猛暑は格別のようでお互い様です。昼間は無理なので、夕方から冷房を入れてクラシックを聴いてます。

ただし、オーディオと違ってクラシックの話はブログの読者の興味をあまり引きませんので記事にするのはあえて封印してますが(笑)。

最近、テスト盤として使用しているのは二つあります。

一つ目はシュワルツコップ(ソプラノ)が歌う「最後の4つの歌」(リヒャルト・シュトラウス)の中の「眠りにつこうとして」ですね。これほど抒情的な歌をほかに知りません。そして中ほどのヴァイオリンソロが素晴らしいです。

もう一つは「サルバトーレ・アッカルド」のヴァイオリンソロです。「精霊の踊り」(グルック作曲)からのメロディですが、これは名曲ですね。

先日のNHK・Eテレの「クラシック音楽館」ではリヒャルト・シュトラウスの「オーボエ協奏曲」をやってましたがアンコールでフランソワ・ルルーがこの曲をやってました。もともとフルートの曲ですがオーボエでも十分聴けますね。まだまだ自分が知らない名曲が沢山あるようで気が抜けません。」


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