先日提出した卒論のタイトルは「『堺公方』再考―公家・本願寺との関係から」である。「堺公方」の歴史的意義を再考するために他の勢力との関係を見よう、ということで公家と本願寺を選んだ。公家は旧来からの権門として選んだのだが、本願寺は新興勢力として扱った。というのは単なる建前で公家はまだしも、本願寺はほぼ思いつきで選んだ。まあそれっぽい理由付けが出来たんでよかったけど。
しかしまあ、戦国期には宗教勢力がかなり力を持っていたことがあらためて分かった。「堺公方」を滅ぼしたのは一向一揆の力が大きいし、その一向一揆と対立した法華一揆も相当なものであった。一向一揆の浄土真宗も法華一揆の日蓮宗も「鎌倉新仏教」と考えるのが世間では主流である。しかし、新仏教が本当に定着するのは戦国時代で「戦国仏教」と呼ぶべきという説が学会ではどうも主流であるらしい。その戦国仏教としての日蓮宗を扱っているのが湯浅治久氏の『戦国仏教』である。中公新書、2009年1月。
はじめに
第1章 戦国仏教とは何か
第2章 日蓮―祖師の生涯と鎌倉社会
第3章 門流ネットワークと南北朝内乱
第4章 日親―結衆と一揆の時代を生きる
第5章 西と東の日蓮宗
第6章 戦国仏教の成立
あとがき
日蓮宗というのは世俗社会に関心が強かったらしく、一部の門流(他宗でいうところの○○派)を除いては世俗との結合がかなり進んでいたらしい。ちなみにその一部の門流は教義に厳格で一切妥協を認めず、その流れを汲むのが日蓮正宗であり、その在家団体が創価学会である。
卒論の中で本願寺は教団の拡大・強化のために政治勢力、幕府の実権を握った細川氏と結んだとしたのだが、それに比べると日蓮宗は有徳人(要するに商人とかの金持ち)などの民間勢力と結びつくことで勢力を拡大したらしい。真宗も初期はそうだったらしいけど、戦国期はそんな感じはしない。
日蓮宗は門流ネットワークがかなり発達していたらしい。それこそ各地に末寺を建てまくったようで、そうしたネットワークのひとつを利用するのが三好氏なのであるが、それは天野忠幸氏の研究であるので省略する。
日蓮宗の僧が記録に米の相場を記してみたり、やたら銭のことを書いているのは世俗に強い関心があったというより、自分らの儲けが大事なだけだったように思えるのは私だけだろうか。まあ、儲けを考えるのがだめと言うわけではない。その儲けで寺を建てたりするんだから教団拡大のためには必要なことではある。本願寺の武力路線よりはよほど健全なことは確か。オウムより統一教会の方がましということ、とは全く別次元の話だが。
なんか久しく書評を書いてなかったのでかなり変な感じになったけど勘弁してちょ(ついでに言うとこれ読んだのも数日前なんで内容がおぼろげ)。ちなみに次回は直木賞受賞作山本兼一氏『利休にたずねよ』を扱うので乞わないご期待!
しかしまあ、戦国期には宗教勢力がかなり力を持っていたことがあらためて分かった。「堺公方」を滅ぼしたのは一向一揆の力が大きいし、その一向一揆と対立した法華一揆も相当なものであった。一向一揆の浄土真宗も法華一揆の日蓮宗も「鎌倉新仏教」と考えるのが世間では主流である。しかし、新仏教が本当に定着するのは戦国時代で「戦国仏教」と呼ぶべきという説が学会ではどうも主流であるらしい。その戦国仏教としての日蓮宗を扱っているのが湯浅治久氏の『戦国仏教』である。中公新書、2009年1月。
はじめに
第1章 戦国仏教とは何か
第2章 日蓮―祖師の生涯と鎌倉社会
第3章 門流ネットワークと南北朝内乱
第4章 日親―結衆と一揆の時代を生きる
第5章 西と東の日蓮宗
第6章 戦国仏教の成立
あとがき
日蓮宗というのは世俗社会に関心が強かったらしく、一部の門流(他宗でいうところの○○派)を除いては世俗との結合がかなり進んでいたらしい。ちなみにその一部の門流は教義に厳格で一切妥協を認めず、その流れを汲むのが日蓮正宗であり、その在家団体が創価学会である。
卒論の中で本願寺は教団の拡大・強化のために政治勢力、幕府の実権を握った細川氏と結んだとしたのだが、それに比べると日蓮宗は有徳人(要するに商人とかの金持ち)などの民間勢力と結びつくことで勢力を拡大したらしい。真宗も初期はそうだったらしいけど、戦国期はそんな感じはしない。
日蓮宗は門流ネットワークがかなり発達していたらしい。それこそ各地に末寺を建てまくったようで、そうしたネットワークのひとつを利用するのが三好氏なのであるが、それは天野忠幸氏の研究であるので省略する。
日蓮宗の僧が記録に米の相場を記してみたり、やたら銭のことを書いているのは世俗に強い関心があったというより、自分らの儲けが大事なだけだったように思えるのは私だけだろうか。まあ、儲けを考えるのがだめと言うわけではない。その儲けで寺を建てたりするんだから教団拡大のためには必要なことではある。本願寺の武力路線よりはよほど健全なことは確か。オウムより統一教会の方がましということ、とは全く別次元の話だが。
なんか久しく書評を書いてなかったのでかなり変な感じになったけど勘弁してちょ(ついでに言うとこれ読んだのも数日前なんで内容がおぼろげ)。ちなみに次回は直木賞受賞作山本兼一氏『利休にたずねよ』を扱うので乞わないご期待!











