--Katabatic Wind-- ずっと南の、白い大地をわたる風

応援していた第47次南極地域観測隊は、すべての活動を終了しました。
本当にお疲れさまでした。

昭和基地案内 その3

2006-03-13 | 南極だより・施設備品
今日は全国的に寒くて、雪が降っているところも多いようです。
東京も桜吹雪のように雪が舞いました。

さて、今日は昭和基地案内その3が届いています。
どうぞ昭和基地マップを片手にたどってみてください。
(はじめは小さめのマップが表示されますが、画像にマウスを合わせると右下にズームアップのボタンが現れます。サイズを大きくした方が見やすいです)
---------------------------------------------------------------
2006年3月12日(日) 晴れ 昭和基地案内 その3

今日は遠足が予定されていたのだが、強風のため延期になってしまった。
みんなそれぞれの仕事をしたり本を読んだりDVDをみたりして思い思いの時を過ごす。

こんななーんもない休日は初めてではないだろうか?
そんな訳で昭和基地案内その3です。


1夏の前の分岐、今回はここを左折して迷子沢の方に行ってみよう。


分岐を左に曲がると道は第一ダム荒金ダムの間を通る。
左側のレドームは大型多目的アンテナだ。
その手前には古ぼけた青い小さな地磁気変化計室が見える。

道は正面の丘を右に巻くように伸びている。


レドームの近くには奥から地震計室重力計室が立っている。



ここを過ぎると道は右カーブとなる。
正面に見えてくるのは風力発電所だ。
残念ながら現在はトラブルがあったため稼動していない。
山の上には第1HFレーダーが並んでいる。
風力発電所を過ぎると分水嶺となる。
ここまでは水汲沢水系、ここより先は迷子沢水系だ。


分水嶺を過ぎると変則5差路にあたる。
正面が迷子沢の幹線道路、左は廃棄物一時保管場所を通って新ヘリポート(Cヘリ)第2廃棄物保管庫(2廃)へと続く。
この先この2本の道は20mほどの間隔で平行して走っている。
また2、3箇所ほど連絡道路もついているのだ。
ちょっと見えにくいが右横と右奥には、それぞれ第1HFレーダー、第2HFレーダーに続く道がついている。


幹線道路を行くと右側に47次で移設した放送棟(旧NHK放送棟)がある。
山の上には第2HFレーダー
左奥の銀色の建物は2廃だ。


先ほどの変則5差路を左に取ると廃棄物保管場所を通る。
使い捨てられた雪上車が道路脇に橇に積まれて並べられている。
左へ分かれる道はインテルサットレドーム方面への道だ。



ドラム缶の間の道を通っていくと、左から順に、インテルサットシェルタインテルサットアンテナ清浄大気観測室、通称(エアロ)ゾル小屋へと行ける。
正面に立っているのは47次隊で立てた大型大気レーダーPANSYの試験アンテナだ。



廃棄物保管場所の間を通ると2廃の前に出る。
雪で少々埋もれているが、左の2つの小屋の前を通るとCヘリに着く。


幹線道路から2廃を見る。
2廃の奥に見えるのは燃料油送配管のアーチだ。
道路をまたぐためここだけ高くなっている。
その右側にはコンクリートプラントが見えている。


コンクリプラントのところで道は二手に分かれる。
右は見晴らし100kL燃料タンク(金タン)方面、正面は見晴らしの荷揚げ場方面だ。


ここの左側、迷子沢を越えたところが雪上車置き場となっている。
夏場はここに駐車しておくのだ。


先ほどの分岐を右側に行くと金タンだ。
道はここで終わる。
左上はふじケルン。
しらせを見送り、そしてお迎えする時はケルンから向こう側にちょっと降りたところで行う。
もう海は近いのだ。


正面の道をとると荷揚げ場だ。
しらせからの氷上輸送で巨大重量物はここに荷揚げされる。
奥に見えている巨大なものも47次で使用する観測機材で、今回荷揚げされたものだ。
ブルーシートの左側が海へと続いている。


-----本日の作業-----
・遠足、強風のため中止
・液体窒素製造
・精製装置立ち上げ
・NOAAサンプリング装置立ち上げ
・O2/N2比測定用冷媒冷却開始

<日の出日の入>
日の出  5:47
日の入  19:14
<気象情報3月12日>
平均気温-3.8℃
最高気温-2.4℃(0252) 最低気温-6.7℃(2256)
平均風速17.6m/s
最大平均風速21.5m/s風向E(0500) 最大瞬間風速29.3m/s風向E(1428)
日照時間 10.9時間

--------------------------------------------------------------
いろいろ聞いて分かっていたつもりだったのですが、よく分かっていなかったことがよく分かりました。(変な文だな)
本当に荒涼たる風景なんですね。
荒野の工事現場のよう。
初めて昭和基地に着いた隊員さんたちが口をそろえて「南極に来た感じがしない」と言うわけが分かります。
渡井さんがS17に行ったときに、想像していた南極の姿だったと言ったわけも、今ならとてもよく飲み込めるような気がします。
この荒涼とした土地に、科学の最先端が同居し、満天の星が瞬き、オーロラが舞い、ペンギンが歩いているのがなんだか不思議な感じさえします。
雪が積もって真っ白になったら、また違う風景になるのかな?

関連記事
昭和基地案内 その1
昭和基地案内 その2

最新の画像もっと見る