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21世紀は「日本の世紀」になりうる

2006年01月11日 | 政治
 年の初めですから、何か景気のいい話を三回に亘って提供します。今日はその第一回です。

 それは、流通科学大学長の永谷敬三著『これからだ!日本経済 カナダ人が見た「構造改革」』25~26頁(朝日選書、2004年4月25日発行。1998年に中央経済社から刊行された『なかなかの国ニッポン』の改訂版です。)の中に、「3 21世紀は『日本の世紀』になりうる」がありましたので、抜粋して次に転記します。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?W-NIPS=9978183159

「 私が1997年に来日して以来、日本経済の将来に関する国内の論調は、例外なくネガティブである。国民に希望を与える、建設的な提言のたぐいは、政界発にせよ財界発にせよ、あるいは学者発にせよ、聞いたことがない。

(中略)

 話がやや横道にそれたが、正しい将来戦略は冷静な『棚卸(たなおろ)し』の上に築かれなければならない。日本経済がこれほどの大成功を収めた鍵はどこにあったのか。何が日本にとって真の「比較優位」であったのか。

私見では、それは日本人の高品質商品をつくる特異の才能である。千数百年もの間、『唐物(からもの)』に憧(あこが)れ、手に入れた唐の工芸品を分解・模倣し、改良を加える訓練を積んでいた日本人は、圧倒的な西欧文明に直面しても潰(つぶ)れることなく、同じ真摯(しんし)な態度でこれを学び、吸収し、独自の改良を加えることを忘れなかった。他国の製品を模倣するだけなら、誰でもできるが、日本人は改良を加えて原物より優れた製品をつくってしまうのである。

 改良には、自分の嗜好に合わせた自分用の改良と他人の嗜好に合わせた他人用の改良があるが、日本人は両方ともできる稀有(けう)な人種である。そもそも自分の嗜好以外の嗜好を理解できない人種に満ちた世界に、この特技の市場価値はすこぶる高い。こうした改良能力をもつには、繊細かつ洗練された感性とそれを活かす技術力と手先の器用さが要る。

日本車の一方的侵入に怒ったアメリカ政府が日本政府にアメリカ車の輸入増加を要求した時期が20年ほど前にあったが、そもそもアメリカ人が買いたがらないアメリカ車を日本人に買えという要求が理不尽であるし、左ハンドルを右に換える努力さえしようとしないアメリカ人の無神経さには驚愕(きょうがく)したものである。

 10年ほど前、私は揚州という長江沿いの田舎町にある大学に2ヵ月間の集中講義のため滞在したが、大学のゲストハウスの食堂で出される食べ物が、来る日も来る日も同じ田舎料理の連続であるのには閉口した。

また、揚州周辺の漆器工場に案内され、わが製品を日本やカナダ市場に出したいから斡旋の労をとってほしいと頼まれたわけだが、その図柄はというと、二頭の竜がからみ合っているか、雲の上に天女が絹を靡(なび)かせて立っているかの二通りしかない。

日本に売りたいなら「松に鶴」、ハワイに売りたいなら「椰子(やし)とフラダンスの女」の図柄を用意するくらいのサ-ビス精神を発揮すべきだと苦言を呈したことがあるが、自分たちが好む料理や図柄を好まない外国人がいるなど中国人には想像もつかないかのようであった。

 アメリカ人の「醜いアメリカ人」ぶりをいつもあざ笑うわがカナダ人もたいして違わない。数年前日本に来るまでは、私は毎年バンクーバーで地元の中小企業経営者を集めて「日本人とビジネスをして儲(もう)ける方法」と題して講演し、日本人とはいかなる動物か、彼らの嗜好が君たちの嗜好といかに違うかを説いていた。

日本人という人種は妙な人種だなといっておおいに沸(わ)くのだけれど、肝心の教訓についてはぜんぜん学ぼうとしない。たとえば、バンククーバーへの観光客のうちでいちばんカネを使うのは日本人だからと、一生懸命土産物を売ろうとするけれど、どこか中南米あるいは東南アジアでつくらせたメープル模様入りの5ドルのTシャツに日本人観光客は全く興味を示さない。

品質に対する感覚が鋭い日本人にとって、安物のTシャツは魅力がないのだ。私が日本人が求めている土産物とは君たちが考えるような安物ではない、もっと高い上質の百パーセント「メイド・イン・カナダ」の製品である、Tシャツなら20ドル、40ドルでもいい、その代わり最高の布地と裁縫技術を使いカナダで作られたものを売れば必ず売れる、といくら力説しても、私のいうことを実践はおろか信じようとさえしないのである。

 こういう無神経な人々が外国にモノを売るのはなかなか難しい。多種少量生産と品質競争の時代といわれる21世紀においては、顧客の嗜好に関する無神経の代償は必ず急騰する。対照的に、何百年も磨きをかけた日本人の繊細な感性と器用さの市場価値は、品質競争時代にいっそう価値を高めること必定(ひつじょう)である。」
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