<ジャンクルーズVO.>かずの言の葉便り

ジャンクルーズボーカル「池永憲彦」の独りブログはじめました。

静寂な時間

2010-07-26 04:49:48 | 言の葉
「一人で自然をぼーっと見てたら
いつの間にか時間が
経ってた」

この時間が
実は人間にとっても
すごく大事な時間で

身体がすーっと浄化されていくんだって

詰め込んでぎりぎりの
状態で前に進んでも
だめ!

心が疲れたなと思ったら
思い切って時間とって
こうゆう時間を作りましょう

自分の心の為に
自分の身体の為に
自分の仕事の為に
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離れていくもの

2010-07-18 02:12:57 | 言の葉
気持ち…

コントロール出来ないもの

この気持ちってモノが薄れてきたら
一体どうしたらいいんだろう?
心のどっかに芽生えてきた今までになかったモノが頭に囁き始める

昔と今は違うんだよ

追い払う事もせず
ただじっと耳を傾け
自分の心に問う

夜の静寂に想う絵は
もう過去のもの

少し整理しよう

それがいい
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ドビンへ

2010-07-05 17:03:31 | 言の葉


ずっとずっと君のファンでした

僕が初めてドビンの事を聞いた時は鳥肌がたったよ。
あの時の犬か!って。

「尾道の最初のご主人さんが引っ越してしまって
駅でずっと待ってたけど
来なかった。ご主人さんを追っかけて行く事よりも、ご主人さんと過ごしたこの尾道で生きていく事を選んだドビンは、その時に出会った尾道ガイドのおじさんに付いていき、観光名所を覚える。
そのうちドビン単体でも
観光客を案内するようになったから「ガイド犬ドビン」と呼ばれて全国にファンが出来た。18歳になっても尾道をずっと歩き続け、色んなお店の看板犬にもなり、観光客はもちろん、街の人に一番愛された犬」

こんなイメージでした。
間違ってるかどうかは
わからないけど
街の人に愛された尾道の宝には間違いないよね?

初めてドビンに会った時はある尾道の坂道でした。
座ってこっちを見てる
放し飼いの犬。
尾道の風景を飲み込んでしまってる出で立ちにびっくりしたけど、その瞳には、どことなく「寂しさ」を感じてしまいました。
その時はわからなかったけどしばらくしてから
それがドビンだった事を知りました。

いつも君が寄る高台は
最初のご主人さんとよく行った場所だったと聞いたけど、
犬がずっと飼い主の事を覚えてる例は沢山あるので、きっと君も最後まで
心の中にご主人さんがいたのかなとも思っちゃいます。

案内してる姿を気ままに歩いてるだけだと言う人もいるし、飼い主を探してると言う人もいた。

言うなればドビンの気持ちはドビンにしかわからないよね。

でも大切なのは本当の事よりも、君がどれだけ沢山の人に影響を及ぼしたかと言う事。
その事への感謝の気持ちを伝えたくてお手紙にしました。

君の人生を背景に、その「歩く姿」
沢山の人が大切な何かを感じとったんじゃないかと思う。

僕は尾道に帰って君と
会えた時、ふらふらになっても歩いていく姿を見て、俺も頑張んなきゃと思ったし、いつもそう思わせてくれた。
大丈夫かなと心配になったけど君には君の生き方があるからね。

ドビンにとって尾道は
どんな街だっただろう?

僕にとって尾道は
愛情たっぷりの街。
心の奥底に最初のご主人を想いつつも
それを包み込んでしまうくらいの優しさは
いっぱい感じたと思う。
商店街の人や沢山の尾道の人、尾道を愛する人は みんなドビンが好きだったよね。
そうゆう尾道のあったかさもまた、
大好きな尾道の風景の
一つでした。

ご主人と別れた犬が
その街の観光名所を覚えて、観光客を案内する
なんてどう考えても
不思議な出来事。
でも、大林監督の映画もそうだけどそうゆう不思議な事がさらっと起こってしまいそうなのも
また、尾道の魅力だよね。

君が亡くなった事を
知った時は
本当に悲しかった。
でも、18年生きてくれた事と尾道を歩き続けてくれて、沢山の人を幸せにしてくれた事を
僕は一生忘れない。

ずっとずっと
これからも
君のファンです


本当にありがとう




写真は「しげぞーさんのドビン写真集」
から使わせていただきました。http://www.onomichi.ne.jp/dobin/sige/index.html
愛情いっぱいの素敵な写真に感動しました。
坂道写真館今度帰ったら
行きたいと思います!
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紫陽花

2010-06-27 07:07:07 | 言の葉
毎年梅雨の時期に咲くこの花が好きです

晴れてる日に咲いてるよりも雨の滴がよく似合う
この花を見て何故か
あなたを思い出します

人が形成されていくのは
身体は食べ物、心は人
僕という人間は
沢山の人で創られてます

あなたとの出会いは
とてもいい出会いでした

長い人生の中ではほんの僅かな時間かもしれないけど
思いっきり笑って泣いたから
思いっきり思いやり、
心から好きだったから

あなたの花は今も
心の奥底で咲いています

毎日咲く花じゃなく
梅雨にしか咲かない紫陽
花のように

ふと忘れた頃に咲いて
僕の心をほんのり温かくします

あなたが幸せでありますように

あなたが笑顔で過ごせてますように
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花火

2010-06-25 11:53:59 | 言の葉
いくら豪華な花火でも
明るい真昼間に打ち上げてしまったら人を感動させる事は出来ない

美しく咲かせるには
タイミングが大事
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サカミチ

2010-06-25 09:31:35 | 言の葉
しんどい坂道も
手を取り合って登ったら
楽しい

楽しみ方を見つけるのも
また人生を楽しむコツかもね
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真夏のヴィーナス〜完結編〜

2010-05-02 01:19:17 | 言の葉
人生最高の旅行になった沖縄旅行も終わり、切ない気持のまま東京に戻った。
旅のいい思い出として気持ちを整理する事が出来なかった俺は
ずっと引きずり、毎日ディアマンテスを聴いてけいちゃんを思い出した。

思い切って初めて東京から電話かけたが、やはりこの気持ちは
沖縄に置いてくるべきだった。
遠距離でも付き合いたいという自分の気持ちと遠距離は無理という彼女の
気持ちでだんだんすれ違い始めた。
逢いたいけど逢えない。逢いたい人はこっちに気が向いていない。
毎日苦しかった。
そのうちにけいちゃんにはお気に入りの人が出来てしまい、
恋は終わりを迎えた。

すぐに気持ちを切り替えられるかと言うとそうでもなく、
しばらくはけいちゃんを想った。
その後の自分の恋愛観が大幅に変わったのは、その時がよっぽど
苦しかったからだと思う。
その後の人生で片思いは一度もない。どんな時も冷静を装うようになったのも
その時からだ。

でもこの恋は不思議と変化していった。
しばらくしてまた会える機会が訪れた。

けいちゃんの卒業式だ。岡山の大学を卒業するのに最後みんなで
集まってパーティをする事になり、俺にも声がかかった。
その近くで尾道に帰る予定だったので俺も参加した。

久しぶりにけいちゃんに会えるドキドキもあったが、不安も大きかった。
それから連絡はしてなかったし、もし逢いたくなかったらとか
マイナスな事ばかり頭をよぎった。
でも恋に区切りを付けるいいチャンスだと思った。

最後に会って、それでもう忘れよう。

そんな想いで東京から岡山に向かったが、残念な事に
けいちゃんは熱で来れなかった。
あの時の沖縄のメンバーで集まり、
男子は女子に花束を渡した。

卒業おめでとう

青春の一ページど真ん中な風景だった。
そして青ちゃんから俺に花束を渡される。
「は?何これ?」

「これはけいちゃんの花束。お前が渡せ」

びっくりして戸惑った。でもそれは会えるチャンスだし
その気持ちが嬉しかったので了承した。
青ちゃんがけいちゃんに電話する。

「今から花束だけ私に行くけん、玄関のとこに出て」

けいちゃんの家が近づいてくる。
ずっと遠かった距離が今着々と近づいてる。
もう、恋にケリを付けるつもりでもいたから
気持ちは座ってる。もう気が付いたらいつもの自分だ。

けいちゃんの家に着き、車を降りて階段をあがる。
ドアの前に立るとさすがにドキドキした。

「ピンポーン」

しばらくしてドアが開き、けいちゃんは驚いた顔をした。
青ちゃんは俺が行くとは言ってなかったらしい。
実に悪趣味だ。

完全に恋にケリを付けると決めていたのに
本人の顔見ると沖縄の波の音、ぬくもり、月夜が頭をよぎる。
本人は風邪をひいているから長居は無用。
すぐに花束を渡した。

「けいちゃんおめでとう。なんか色々ごめんな、でも会えてよかったよ。
これで最後かもしれんから元気でな。お互い頑張ろうな」

「うん、ありがとう」

「風邪ひいとるんじゃけえ部屋に入り」
ってそっと抱きしめて
「じゃあね」ってその場を去った。

一瞬だったけどこの細い肩の感覚は手に残ったままだった。
車に戻って青ちゃんに言った。

「会えてよかったわ、ありがとな」

それから自分から連絡する事はなかった。
これでもう恋は終わったかのように思えたら
ここからが長かった。


何年か後、また青ちゃんが、突然九州旅行に行こうと言いだして
しかも佐賀のけいちゃんの実家に泊まらせてもらおうとか言いだした。

俺はそれはさすがに引いた。

「青ちゃん、それけいちゃんがうんって言わんと思うよ」

「大丈夫よ!まかしときいな!」

すぐに青ちゃんはけいちゃんに連絡し、なんとOKを取った。
またドキドキは始まる。

二人で佐賀まで行って二泊三日の旅行をした。沖縄旅行に行ったみかちゃんも
佐賀にいたのと、後もう一人が福岡だったので5人で遊んだ。
その時は家に泊まらせてもらって、本人よりおかん、おとんと仲良くなって
しまい、酒飲んで盛り上がった。
全員酔っ払い、同じ部屋に布団を敷いて雑魚寝した。
びっくりな事にけいちゃんが何故か隣の布団に来てくれて、全員が寝静まった時に
久しぶりに語った。
たわいもない事ばっかしゃべったけど久しぶりにドキドキした。

「もうこうゆうドキドキは勘弁よ」
もうそんな事も言えるくらいになってたけど、自然に手を繋いでた。

次の日は遊園地に行ったり花火見たり、完全にデートコースでかなり
盛り上がって楽しかった。
みんなで記念撮影した写真はしばらく手帳に入れてた。
またお別れの時に寂しかったけどなんかすっきりとした気持ちだった。
こんな形でまた会えると思ってなかったし、自分の好きな気持ちが
違った形で存在してる事もわかった。

それが最後かと思いきや、その後けいちゃんは大阪に出てきて
また会う機会が出来た。
何度か連絡し合ったり、会ったり、そして一度だけ朝まで過ごした。
好きになったり友達になったり、それから何年も付かず離れずに
いるうちに解り合える大切な友達に変わった。

その絆は強く、お互いどっちかがつらい時は慰め、励まし合い
そごくいい関係だった。
そのうちにお互いに恋人が出来てそんなに連絡をしなくなった。

それから何年かして俺はジャンクルーズというバンドで
デビューした。
その時にマネージャーさんが気に行ったメロディがあって
その曲の製作に取りかかる事になった。
夏を想わせるようなサウンドにメロディ。

ふとあの沖縄の思い出がよみがえった。

「けいちゃん、俺今日の想い出を曲にするわ」

あの時の約束・・
もうお互いに閉じ込めてしまった想い出だけど
その時の約束を果たす事にした。

音楽は不思議。久しぶりにディアマンテスを聴いたら
あの時の切ない気持が一気に蘇ってきた。
沖縄ミ・アモールを聴き終わった後、あの時の想いを
詩に綴った。

どうしても題名だけが浮かばなかった。
その曲は題名無しでそのままマネージャーに渡したら
「真夏のヴィーナス」って感じはどう?って言われて
それが気に行ったのでその題名にした。
なんか自分で付けれる予感がしなかったからだ。

その曲がジャンクルーズのライブの重要な曲になり、
お客さんはバンダナを振りながら会場が一つになるという
すごい景色を作った。
今ではカラオケにも入っている。
沢山の人を笑顔に出来たこの曲をやる度に
心のどこかであの沖縄の潮風を感じてる自分もいた。
だからこそ、この曲が好きになれたのかもしれない。

これは叶わなかった恋なのか
それともなんなのか
けいちゃんと自分に答えは出なかったけど
若き頃の素敵な思い出として
胸の奥に大切に閉まっている。

けいちゃんは今結婚して娘が生まれたと聞いた。
心の底から幸せになってほしいと願う。

若い自分の恋を描くのは初めてだったが、改めて書くと
素敵な時間を過ごしたんだと感謝する。

痛みがあるから尊いもの。
詩人にとって痛みは材料。必要なもの。
苦しい思い、切ない思い、悲しい思い、そんな中から見出した
自分の想いが自分にとっての名曲を生む。

この曲が存在する限り、その時の女性はその中で生き続ける。
そしてそんな想いをもう一度辿り、
ここに記して、真夏のヴィーナス物語を閉じようと思う。






真夏のヴィーナス


青く晴れた空の下で 恋を告げた夏の思い出
振り返ればそこに 君がいるような
あの頃と変わらぬ この場所へ

雨も虹に変わるほどの 素敵な恋をしたけど
目覚めて消えそうな 朝焼けの幻影(ゆめ)は
涙の色した My Love

止まったままの時間(とき)の砂時計が
動き始めて 胸の奥の淡い記憶を 呼び戻す

まぶしい太陽の日が 降り注ぐ季節は
君の事思い出す 世界は変わる
とびきり君の笑顔が 大空を駆けてく
心に描いた 永遠(とわ)の恋人
 
白銀に輝く波に 恋を乗せた夏の思い出
傷付き合うための 出会いじゃないから
手のひらに 包んだ My Love

翼をたたんだ 鳥の歌が
色付き始めて 胸の底の熱い涙を 呼び覚ます
  
激しい雨に打たれて つぶやいた君の名を
今になって思い出す 最果ての夢
悲しみも喜びも 人を愛する気持ちも
初めて覚えた 夏の恋人

霧がかる森の奥で 胸に刻む刹那の花よ
君がもしも傷ついたなら 傍にいて君を抱きしめたい

まぶしい太陽の日が 降り注ぐ季節は
君の事思い出す 世界は変わる
とびきり君の笑顔が 大空を駆けてく
心に描いた 永遠(とわ)の恋人

もう一度会いたい 夏の恋人
















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真夏のヴィーナス〜沖縄旅行三日目その三〜

2010-04-01 14:19:52 | 言の葉
「さっき廊下にいた時に出てきてくれてありがとう。
もう会えん思っとったけぇ嬉しかったわ。」

「なんとなくうちも寝れなくて外に出たんだけどいっけんいてびっくりした」

「俺はもっとびっくりした。今回沖縄楽しかったね」

「うん」

話の合間に少しの間が出来るけど、一緒にいる時って不思議と
あまり言葉って出てこない。
でも二人でいるとだんだん緊張も解けて大胆になっていく。
気付いたらすごい事を口にしてた。

「けいちゃん腕まくらしていい?」

「え?・・」しばらくしてけいちゃんはうなずいた。

えい!って俺もおもいっきり腕枕をした。だがそれが小事件に発展した。
けいちゃんはベッドの壁側の端、俺もベッドの端で
人が一人あるくらいの距離があり、おもいっきって腕枕をしたはいいが
腕が首まで到達せず、手首枕になってしまったのだ。
この滑稽さに二人は思わず笑ってしまった。

「これはいかんじゃろ〜(笑)近くにきーよ」

「え〜でも、ちえこ、いっけんかっこいいって言いよったけん悪いし〜」

「なんでな(笑)ちえこは青ちゃんの彼女じゃけえ関係なかろうが」

俺はけいちゃんを手首力全開で引き寄せた。
けいちゃんはすごい事を言った。

「ちえこ、ごめん!」

って俺の胸元までもぐり込んできた。かなり近い腕枕になって
心臓がバクバク言ってるのが自分でもわかって
なるべく気付かれないように頑張ったが、そうゆう時に限って
なぜか唾を飲み込む音が部屋に響いてしまった。
少し濡れた髪の毛がほっぺたについて、そのひんやりとした
感覚が緊張を一層大きくした。

「自分で言ってて俺緊張してるからごめんね」

「ねぇけいちゃん」

「ん?」

「最初の日実はめっちゃ酔ってたけど二人手を繋いで寝てたんよ、
けいちゃんは気付いてないと思うけど」

「うち知ってるよ。夜中に目覚めたら手繋いでたもん。でもそのまま寝た」

「じゃけえ、次会うのめちゃ楽しみにしてたのに会ったら全然目を合わせて
くれんけえ嫌われたかと思ったよ。うわ〜最悪ー!って、じゃけえ今日は
落ち込んどったよ」

「だってなんか恥ずかしかったんだもん、どう話していいかわからんかった」

「今日一緒にいれてよかったよ、けいちゃんと出会えたし最後一緒に
いれたし、沖縄来てよかった。ありがとう」

いつの間にか腕枕はそのまま抱きしめた感じになってた。
けいちゃんは顔をあげる事なく、手を胸元にしまったまま

「うちも来てよかったと」

けいちゃんはもう九州弁になってて、それがかわいくて
なんか身体がむずむずするくらいの喜びを感じてる自分がいた。



もう二人の顔はくっついたまま、唇と唇はすぐそばにあり、
後は自然に引き寄せられるまま重なった。





二人は恥ずかしがって笑ってしまったけど
またそのまま唇を重ねた。

このまま時間が止まってしまえばいいのに
って言葉は小さい頃からよく耳にした言葉だけど
この時に初めてその気持ちがわかった。
でも外から聴こえる波の音が時間の流れを感じさせた。

「離れたくない・・」

喜びと不安。こんな気持ち久しぶりだった。
キス以上進むつもりはなかった。
これ以上進みたくないって思うくらい不思議な感覚で
この一瞬を大切にしたい気持の方が強かった。

「けいちゃん、俺将来ミュージャン目指してるって言ったじゃん」

「うん」

「絶対にデビューしたるからさ、その時に今日の事曲にするよ、そんで
沢山の人に聞いてもらう!」

「本当?嬉しい」

「約束する」

二人は抱きしめあったままいつの間にか寝てた。
二人共旅のハードスケジュールだから身体はくたくたのはずなのだ。

窓は開いたまま。優しい潮風に一度起こされた。
部屋は薄明かりで波の音は休む事なく心音と共鳴する。

隣にこの旅で好きになった人が寝てる。
きっとこの思い出は生涯自分の心の中に
大切な一瞬として輝き続けるだろう。
未来における美しい思い出の中に
今自分はいるんだなと思うと
目の前の女性が愛しくてしょうがなかった。

寝顔を見ながら少し不安に襲われた。
自分の予感が当たる事に更に不安は大きくなった。

「これだけ好きになってしまったら、もうダメかも」

頭の中に未来が全く浮かんでこなかった。
好きになってしまったらうまくいかないって
いう自分の中での何かがあって
「一歩的に好きになっても伝えない」
ってのが自分の中での決まりごとだったからだ。

でも今は確かに隣に好きな人がいてくれてる。
それ以上は考えてはダメだと思う事にした。
俺もまた彼女に寄り添い、また眠った。

朝の五時頃アラームは鳴った。
他の人に見つからないように朝のうちに
部屋に戻る事にしてたのだ。
隣のみかちゃんも協力してくれて
起こしにきてくれた。

だから別れを惜しんでる間もなく、
「またね」の一言でけいちゃんは部屋に
戻った。

けいちゃんが帰ってしばらく部屋でぼーっとしてた。

止むことのない波の音。
ずっと頭の中に流れてるディアマンテスの沖縄ミ・アモール

もう男組みは今日本土に帰る。一度尾道に帰り、
東京に戻る。

一夜だけの恋なら
これで終わりだ。
でもまた会いたい気持ちは
最初よりも大きくなってしまった。

こんな切ない気持ちもつかの間、部屋に戻ったら
質問の嵐だ。
青ちゃんなんてもう、小学生が学校全体でやる予防注射で
先に打ったやつに「どうだった!?いたくなかった?」
って聞くあの勢いで聞いてきた。

「どうじゃったんな!教え〜や!キスしたんか!」

「お前、まずそこから聞くなよ〜あんま言いたくないわ」

「おまー協力したんじゃけえ教えーや!」

そりゃあもう、他の男の興味は大変な事に。
基本は隠したい方なのだが、彼らのおかげで一緒になれたんだから
報告義務があるのだ。
淡々とこの一夜の出来ごとを伝えたらみんな興奮していた。

「そういえばけいちゃん、腕枕する時にちえこごめん、って言いよったで」

青ちゃんはびっくり。「なんでじゃい!」


「ん?ちょい待てよ、って事はあきよしも違う部屋で一緒に寝たって事よなぁ、
お前はどーなんだ!!!!」

「あ、僕も似たようなものです、えへへ」

「え〜〜〜〜〜〜〜!」

一同驚愕。むしろ俺のエピソードよりも全員驚いてた。

そんなこんなで、飛行機に乗って旅の思い出を
男4人で語り合う。
飛行機の中ではずっとディアマンテスを聴いてた。
今の自分にぴったりの歌詞に昨日の思い出がよみがえり、
胸が苦しくなった。

この先どうなるんだろう

また会いたい・・会えるかな・・

大きくなっていく気持ちに戸惑いながら
だんだん遠くに見えていく沖縄の海を
眺めていた。


沖縄ミ・アモール


Asi como el bello coral
Mil peces anida
Son tantos los bellos momentos
Que no olvidare

Todo lo que en ti aprendi
Para mi vida
Ahora te oprecare
Mi corazon

Si, es todo tuyo
Amor estor sequro
Contigo por siempre vivire

Okinawa, Okinawa, Okinawa, Okinawa
Okinawa mi amor

夢からさめてもこの胸にずっと
君のぬくもりを感じてる
素直な気持ちになれたんだこの島で
ほくの心を伝えたい

愛してる今この瞬間を
だからこのままきっと

Okinawa, Okinawa, Okinawa, Okinawa
Okinawa mi amor


Estos simples versos
Con prenesi
Ay! Mi paraiso tropical
Son para la vida que florecera en ti

Okinawa mi amor…




美しい珊瑚や沢山の魚の様に
忘れられない綺麗な思い出たち

私の人生をあなたから教わった
今あなたに私の心を捧げます。

そう全てあなたのもの
愛しい人、
あなたと一緒に生き続けます

Okinawa・・愛しい人よ


この夢中にさせる飾りのない詩歌。
私の南国のパラダイスは
あなたの中で咲き誇る人生の為にある

Okinawa・・愛しい人よ


続く
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真夏のヴィーナス〜沖縄旅行三日目その二〜

2010-03-02 21:46:40 | 言の葉
クィーン座間味が那覇に到着した時は夕方近くだった。
俺たちは車に乗り込み、エンジンをかけると
入れっぱなしのディアマンテスのCDが流れる。
国道58号線を向かってると俺の好きな沖縄ミ・アモール
が流れる。
船で聴いてる感じとは気持が全然違った。
どっちかと言うと旅行に行ってて、故郷に帰ってきたみたいな
そんな不思議な気持ちだった。

最後の夜は女子と合流して飲み会だ。宿は北谷という場所の
サンセットアメリカンホテル。
男二人ずつ、女二人と三人ずつの合計4部屋とったらしい。
だんだん北谷が近づくにつれて、胸がドキドキしてきた。
もうすぐけいちゃんに会えるというドキドキと、照れくささと
両方でどうしたらいいかわからなかった。
北谷に着いて女子軍団との再会。青ちゃんは会ってすぐに話す。

「座間味島ぶちよかったで〜」
北谷のサンセットアメリカンホテルの前は目の前が海になってて
夕方はちょうど夕日が目の前で沈むらしい。
まだ明るいから俺たちは一度部屋に戻って荷物を置いてから
また下に降りて海の前の防波堤で座って話した。

俺ときたらそんな中一人で不安を感じてて、それは的中する。
けいちゃんと全然目が合わない。

こりゃまいったな〜・・予想通りだ。

こっちからすると向こうがどんな気持かはわからない。
手を繋いだのも、もしかしたらホロ酔いの出来事で
後悔してるかもしれない・・
そう思い始めると不安は大きくなる。なのであまり考えないように
した。考えたら考えた分だけダメになってしまう性格だからだ。

そうしてるとサンセットの時間になってきた。
だんだん海がオレンジに染まり始める。
女子は大騒ぎ。その中の誰かがみんなで記念撮影したいと
言い始めた。
俺は写真は得意な方なので俺が引き受けた。
しかし、この壮大な景色を撮るにはこの距離だといまいちだった。
時間もないので、俺は走ってサンセットアメリカンの部屋まで戻り、
三階から撮る事にした。
オレンジの海と女子5人がちょうどよいバランスでレンズの中に
おさまった。

「いい感じ!!!撮るぞ〜〜」

女子はみんなピースサインでにっこり笑顔。
みんないい顔してた。
けいちゃんもにっこり笑顔でなんか妙に嬉しかった。

サンセットも終わり、外は暗くなった。
みんなビールを買って外で飲んだ。
もちろんオリオンビールだ。
色んな話をした。やはり一番もり上がったのは怖い話だ。
学生の時って怖い話がやたらと多い。
俺もとっておきの怖い話をした。だが、全く恐れられずに
不発弾で終わった。
そうゆう話はいつも得意なのに、何か自分のリズムがおかしくて
全てにおいてうまくいかないのだ。
けいちゃんとはあまり会話がない。あまり目も合わない。
やはりよくなかったのか・・
楽しい時間のはずなのに、かなり落ち込んでる自分がいた。

完全に恋ですか・・?
これって恋?
もうはまっちゃった?

恋は自分を映す鏡。

俺にこんな一面あったんだとか・・
こんなにつらいんだとか・・
こんなに頑張れるんだとか・・
その相手が知らなかった自分を教えてくれる。

沢山の人に囲まれても
たった一人の心がこっちを向いてないだけで
孤独を感じでしまう

伝わらない想い
通じた気がした過去の時間
気持ちを伝えるにはあまりにも短い時間

楽しかった沖縄最後の夜はもしかしたら
悲しい夜になるかもしれない・・

だんだん大きくなる心を閉じようと
必死で笑顔をつくる。
関係ない話をする。

そんなうちに部屋での飲みになった。
最後の夜は話は盛り上がるもの。
もちろん、この部屋は大盛り上がり。
その中青山がこっそり俺に言う。
「どしたん?元気ないじゃん」

青山にはけいちゃんに恋をしてしまった事を
座間味の夜の海で話した。
一日目の出来ごとも。
だから、けいちゃんと俺に会話がない事も
気付いてて実は気にしてたようである。

「いやぁ、もしかしたらいけんかったかもな」

「そんなことなかろー、大丈夫じゃろう」

そんな事を話してても部屋では盛り上がってる。
けいちゃんはそこにはいない。
自分の部屋に戻ってしまっていた。
その事がさらに気持を沈めさせる。
部屋飲みも終わり、それぞれの部屋に入る。

ついにけいちゃんと会う事はなかった。
俺はまだ寝る気も出ずに、部屋の廊下から
外を眺めていた。
ずっとけいちゃんの事を考えていた。

沖縄最後の夜か・・

明日の朝は早朝の飛行機だ。だから女子と男子が会うのは
これで最後。
俺はそのまま東京に戻り、もう当分会う事はないのだ。

どうしてこんなに苦しいんだろう?
あの時見た天窓から差し込む月の明かりや、掌のぬくもりをふと思い出す。
こんなに胸を締め付けられたのはもしかして
初めてかもしれない。その時

「ガチャ」

ドアを開ける音。

けいちゃん?

振り向いたらけいちゃんがそこにいた。
部屋から出てきたのである。
そして俺の隣にきた。

「一人で何やっとるん?」

「いや、外みよった・・・」

しかももうこれだけ苦しい想いをしたら
もうまともに話しなんて出来ない。
何を話してもいいかわからないし、
もう、逆に大ピンチだ。
本人の顔は絶対に見れないので外見たまま
話した。

「沖縄楽しかったね。」

「う、うん。ほんまじゃ・・あっという間すぎよ」

「すぐ東京に帰るの?」

「一回広島戻ったらすぐ帰るよ」

会話は全くはずまない。もうおしゃべりな俺も話好きの俺の
そこにはいない。
ただ、好きな人を目の前にして取り乱してるだけだ。

その時にまたドアは開いた。
けいちゃんと同じ部屋で寝る予定のみかちゃんだ。

「けいこどこいったのかと思った。」

「今戻るよ〜」

「またね。おやすみ」

けいちゃんは一度こっちを見て何かいいたい感じの顔つきで
部屋に戻った。


終わった。

きっとこれが最後のチャンスだっただろう。

沈んだ気持ちは天気さえ変えてしまうらしい。
急に激しい雨が降ってきた。

それでも戻る気にはなれず、顔は散ってくる雨で
濡れてしまった。

この状況で雨か・・きついな・・

でもこれは明らかに俺がわるい。
チャンスは与えてくれたのだ。

その時にもしかしたら気持ちを言えたかもしれない。
付き合いたいとかよりも、気持ちを伝えたかったのだ。
自分が悪いし、きっと後悔するけど(もうしてるけど)
でも何もないよりはましだろう。
一度でも会えたし、話せたし。

そう自分に言い聞かせてたら、酒井も青山も出てきた。
「まだ寝んのんか?」
明らかに心配されてるのでちゃんと話した。

「やっぱ恋してしまったみたいじゃわ。でもさっき少し話せたんよ。
それだけでもよかった。」

青山はいう
「お前やっぱ気にいったよな〜最初から思ってたけどまさか
ここまでとは思わんかった」

酒井が突然口開く。
「一緒に寝りゃあええじゃないか。気にいっとるんじゃろう?」

「は???」
何いっとるんだこの人は。そんな事出来るくらいなら
とっくにしている。
寝るどころか話もできなかったのだ。

びっくりしてる所に違う部屋の女子が出てくる。

「何しとるん?おしゃべり〜?」

酒井がその女子に言う。

「いけなががけいちゃん気にいったんよ。一緒に寝かせてやってくれえや」

「ちょ、ちょい待ってや!なんで!無茶いうなよ」

俺はてんぱりまくり。その女子あっさり。

「え?そうなん?わかった」

すぐにけいちゃんの部屋に行って話にいく。
俺は焦りまくり。

これ・・どうしよう・・・

すぐに戻ってきた。

「OKよ〜今けいこ風呂に入ってるからここで待っててね。呼びにくるって」

青山「すげぇな、やったじゃん!それにしてもどう言ったの?」

「え?あたしがあきよしと一緒に寝たいから部屋変わってっていったのよ」

バクンバクン

予想外の大展開に
俺の心臓は東西南北に動いてた。
みんな部屋に戻っていく。

「それじゃあ頑張ってね〜」

どうしよう
どうしよう

心の整理を付けるために落ち着かせるのに必死だった。
もしかしたら急に気が変わってなくなるかもしれない。
しばらく時間が経っても一向に
呼ばれる気がしない。
おれはずっと廊下で座って待ってた。

このまま朝かもな・・

そう思ったら明らかに長い時間で
もしかしたら困ってるかもしれない。
そんな感じだったら部屋に戻る事を
告げようと思って
ドアを開ける事にした。

それでもドアの前で経ちっぱなし。
やっぱり開けるのに勇気がいる。
でもそれでは始まらないので開ける事にした。

そーっと開けてちょっとだけ
中を覗いてみる。
寝てたらもうそのまま戻ろうとしたが、
中をのぞくとそこにも目があった

「!!!!!!!!!」

なんとけいちゃんもどうしたらいいかわからずに
ドアから廊下を覗いたのだ。
二人の顔は目の前に。
びっくりしたけど、その偶然に笑えて
そのまま部屋に入る事が出来た。

今日・・
一緒に寝るんだ・・

心臓の動きが早いに加えて
手に汗までかいてきた。
けいちゃんはふろ上がりでほんのり
髪が濡れていた。

いつの間にか止んだ雨の音。
静かな部屋。
開けっぱなしの窓の向こうからは
聞こえる波の音。

「うちすっぴんじゃけぇ恥ずかしいわぁ」

「そんなん全然かわらんじゃん」

「あの子あきよしと寝たいって言いよったよ」

「そ、そうなんだ〜」

明らかに俺の為にしてくれた事なのに
しらばっくれて俺はなんてやつだ。
二人はベッドに座って
少しだけ話した後、けいちゃんに言った。

「寝転がって話そうか」

「うん」


俺は電気を消した。
外から漏れる光で部屋は
薄暗かった。

沖縄最後の夜にこの旅行で恋をしてしまった人が
隣にいる
二人だけの時間を波の音が優しく包む。
さっきまでの焦りや不安はもうなく、何も飾らない
素直な自分がそこにいた。

「さっき廊下にいた時にで出てきてくれてありがとう。
もう会えないかと思ってたから嬉しかったよ。」


続く





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真夏のヴィーナス〜沖縄旅行三日目その一〜

2010-03-01 21:02:28 | 言の葉
ちゅんちゅん

小鳥の歌声で起きる予定が、聞こえてきたのはかすれた山羊の鳴き声だった。
俺は少し早起きして散歩する。
一日寝たら一度何かがリセットされ、改めてこの海の美しさに驚くのだ。
朝の潮風がくすぐったい感じで思わず目を閉じたくる。
少しの散歩を終えたら宿に帰って朝ごはんの時間だ。
青山も特にあきよしも眠たそうだった。比較的酒井は朝に強いっぽい。
朝ご飯はポークランチョミートを薄く切ったベーコンエッグがおかずで
それがまた絶品だった。

宿のおばさんにお別れを告げ、俺たちは海に向かう。
今日のメインはシュノーケルだ。
坂を上って降るとまた青い海が広がり、テンションがあがる。
古座間味ビーチという名前のビーチで白浜に青海で
天国みたいだ。
俺たちはシュノーケルを付けて泳ぎ、サンゴがある場所へいく。
海の中ってだいたい一メートル先を見るのが限界だと思っていたが、
遠くの方までくっきりと見えるのだ。
なんと魚も人間になついてて、寄ってくる。
ハタ科の魚が上目使いで見てくる。ハタ科の魚ってなんか目が合うのだ。
青山も綺麗な魚を見たら指さしてきたり、はしゃいでる様子。
水の中だとジェスチャーで会話するしかなく、それでも俺たちは長年の
友達。ジェスチャーだけで会話が通じるのである。
しばらく魚と一緒に泳いでたら、目の前にスタイルのいい女性が
泳いで行った。水中でくっきりと見えるのでなんかセクシーな感じに見えた。
そしたら一緒に泳いでいた青山がそのままその女性二人組に付いて
よたよた〜と泳いでいってしまった。

なんてやつだ・・

その後も魚と遊んだりしてると、今度は青山が俺の後ろを指さす。
俺は「だまされんぞ」みたいな感じで首をふる。
すると青山が更に後ろを何度も指さす。
なんだろうと思って振り向いたら俺のすぐ後ろに海ヘビがいた。
毒へびだったら大変。俺はもうダッシュでその場から離れる。
後から聞いたら沖縄の海へびはかなり怖いそうだ。
昨日の直子ちゃんもスキューバーやってたので、一緒に泳いだりした。
もう十分泳いだので、もう岸に戻り、帰る準備をする。
しかし、まだ時間があったのでレンタカーを借りて座間味島一周を
することにした。

島の車やバイクは全部鍵付けっぱなし。確かにこんな小さな
島では盗みようがない。
当たり前の事だろうけどなんか面白かった。

車で一周すると燕みたいな鳥が車の前を飛び、ずっと案内してくれた。
こっちを見ながらいちいち飛ぶのだ。
ありがたいのでその鳥の案内のまま車を走らせた。

展望台に行って遠くの景色見たり、別の集落を見たり、もう
この島に大満足して、車を返して港に向かった。

座間味島・・

この島もかなり戦争の犠牲になった島らしい。
昨日の夜宿のおばあに言われた言葉が頭をよぎる。

「滝だけは絶対に近づくな。とり憑かれるぞ」

座間味島は第二次世界大戦勃発後、「米軍初の上陸第一歩之地」と
して、この美しい海が水陸両用戦車で埋め尽くされたという。
空には戦闘機が飛び交い、家や山々は燃え、 逃げ惑う人々、
息を呑み震え隠れる人々、その中で、親が子を、子が親を、
夫が妻を、兄弟同士が殺し合うという、
そんな暗闇での悲惨な出来事が起こったそうだ。

座間味部落の中だけでも、150人近い住民が尊い命を失ったという。

霊が怖いとかじゃなく、そのおばあの言葉にこの島の歴史の悲しみが
こめられてるように感じた。
おばあの話だと刀も持ってない人は竹で殺し合ったりしたそうだ。
そんな事二度と起きてはならない。

知れてよかった。綺麗な想いでとその島の歴史を胸に本島に帰る時間となった。
港には直子ちゃんが見送ってくれた。
長い黒髪をなびかせてずっと笑顔で手を振ってくれた。
青山がふと口に出す。

「なんか寂しいね」

「確かに・・別れって感じじゃないこれ?浸ってしまったよ」

こうゆうお別れをあまり俺達は経験してないので、どっぷりと
浸かってしまった。
だんだん遠くなる座間味島を眺めながらまた来る事を誓う。

帰りの船でもディアマンテスの「この青い空を君に」を聴いていた。
座間味の歴史を聞いて余計にこの歌詞が心に響く。

自由に羽ばたく時がくること信じてる
涙の数だけ 平和の鐘が鳴り響くはず
その時・・・
この青い空を君に





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真夏のヴィーナス〜沖縄旅行二日目その一〜

2010-02-26 20:56:31 | 言の葉
気がついたら朝だった。
隣にはけいちゃんがいる。こんな所を他の人たちに見られたら
何を言われるかわからない。
慌てて男部屋に戻り、出発の準備をする。
昨日あれだけ飲んだのに、全くお酒が残ってない。
むしろすっきり爽やかだ。
まだ胸に残るドキドキと余韻があったが、それは後にとっておいて
船でゆっくりと浸る事にしようと決め、その日の準備をする。

今日か明日まで、男子と女子は別行動だ。
男四人は慶良間諸島という所に行き、そこで一泊予定だった。
恩納村から車で出発する。
車の中はずっとディアマンテスの曲が流れている。ノリの良い
ラテンの曲と海の景色がぴったりだ。
歌詞の箇所箇所で「沖縄」という単語が入ってくるので尚更だ。
ディアマンテスのボーカルのアルベルト城間さんはペルー国籍で
おばあちゃんが沖縄人という事でペルーから日本に来てデビューしたそうだ。
曲も半分スペイン語で、半分日本語が多い。日本語はストレートな歌詞なので
こうゆう旅のバックミュージックにはぴったりなのだ。

30分くらい国道58号線を走ったら「とまりん」という港に着いた。
青山、俺、酒井、あきよしの四人は車を駐車場に置き、船の切符を買う。
クィーン座間味という船だが、約90分で慶良間諸島に着くというのだ。
沖縄だけでも綺麗なのに、島に行ったら更に綺麗らしい。
心はわくわくでいっぱいだった。

船の出発時間までそれぞれお土産を見たりしながら過ごす。
まだ行ってもないのにお土産だ。
俺は個人的にシュノーケルを持ってなかったので購入した。
せっかくの海で潜らないともったいないからだ。
船の到着のアナウンスが流れ、四人は船に乗り込む。
9月とはいえ、沖縄は真夏だ。ぎらぎらとした太陽がまぶしい。
船で座席を確保し、90分の船旅の始まりである。
それぞれがそれぞれの過ごし方があるように、俺はここで
ようやく自分だけの時間を作る事が出来た。
今日バタバタしてたから昨日の余韻に浸る時間が必要だったのである。

ディアマンテスはCDも持ってきてたが、MDも持ってきてた。
MDウォークマンで大好きな沖縄ミ・アモールを聴く。
イントロのギターのフレーズが切ない気持にさせてくれる。
ものすごいいい曲だ。
外は果てしない海だ。景色をぼーっと見ながら昨日の夜の事を
思いだす。
暗い部屋に差し掛かる月の光、繋いだ手の感覚。

「隣で寝たんだよな・・」

思いだしただけでも胸が熱くなる。こんなの初めてだ。
MDはいつの間にか6曲目が流れてきた。
「この青い空を君に」という曲で驚くぐらい景色とぴったりだった。
思わず曲が終わったら戻して何度も聴いた。
今でもこの曲を聴くとその時の景色が浮かんでくる。


太陽の笑顔で始まる朝
見えるもの全てがほほ笑み返す
美しく輝く空と海に
見えない何かが影を落とす

傷ついた小さな心も知らずに
赤い光が道をふさいでゆく
眠れない夜は僕がそばにいて
手を握り君の為歌うよ

自由に羽ばたく時がくること
信じてる
涙の数だけ平和の鐘が鳴り響くはず
そのとき・・
この青い空を君に

歌詞の内容から、もしかして戦争の歌かなと思った。
こんな綺麗な空なのに
きっと戦争の時は空を見上げるのが怖かっただろう
「見えない何かが影を落とす」
は爆弾の事だろうか。沖縄は戦争の犠牲になった場所。
アメリカ兵にも日本兵にも両方に挟まれて
多くの犠牲を出した。
もともと琉球王国は武器を持たない国だったのに
無理やり戦争に巻き込まれたのだ。
あんな事が二度とないように、俺らは戦争の事を知らなきゃいけない。
そして伝えて行かなきゃいけないのだ。

曲を聴きながらいつの間にかそんな事を考えてたら
船は島に到着する。俺らが行く島じゃなく、阿嘉島という島だ。
景色がものすごい綺麗で俺たちは興奮していた。
「なんじゃこりゃー」
「ぶち綺麗じゃん」
再び船は動き出し、いよいよ目的地の座間味島が見えてくる。
四人は更に興奮。
港の海がすでに透き通ったグリーンでめちゃめちゃ綺麗なのだ。

一同降りて今日泊まる予定の宿までの地図を開き、
道のりを確認する。
この地図から見た感じだと歩いて15分から20分もあれば
行けそうだ。
「よし!出発!」
一同は意気揚々と歩きだす。こうゆう時は探しながらいくのも
楽しい。時間はまだあるからゆっくり行く事にした。

「・・・・」

何かがおかしい。
「地図の感じだともしかして曲がるとこはここ?」
地図ならもっと遠くに曲がり角があるのだが、どう考えても
目の前に見える曲がり角なのだ。
サマーハウス遊遊。

「あれ?もしかしてここ?」
「近すぎじゃろう、でも行ってみるか」

曲がってみたらすぐ右側にその宿はあった。
歩いた時間賞味120秒。

「大げさな地図書くな!」

一同ブーイングの嵐。宿は小さな感じの宿で一階が食堂、
二回に3つくらい部屋があり、
4人で布団を敷いて寝る感じだ。
かなりいい感じの宿だ。俺はこうゆう島の小さな宿が大好きなのだ。
ホテルとかよりも断然いい。中から優しそうなおばちゃんが迎えてくれて
部屋まで案内してくれた。
俺達は荷物を置いて早速海へ。
海へは少し歩かなきゃいけない。坂を越えて降って行ったら
海が見えてくる。
めちゃめちゃ綺麗というか、ポストカードでしか見たこともないような
景色がまさに目の前にあるのだ。
あまりにも綺麗さに、みんな走って海までいく。
準備体操もせず、そのまま海に飛び込んだ。

海はぬるくて泳ぎやすかった。海の中に入って空を見上げたら
どこからが海で空なのかがよくわからない。
砂浜も真っ白だ。きっと海の中はもっと綺麗に違いない。
明日はシュノーケルだから楽しみだ。
意外に泳いでるとすぐに時間は経ってしまい、うす暗くなってきた。
俺たちは宿に帰る事にして、海からあがる。
するとさっきまでの極上の景色は極上の夕暮れに変わっていた。

「綺麗じゃな・・」

俺たち四人はしばらく海を眺めていた。だんだんゆっくりと金色に
染まっていく海を見て自然の偉大さを感じていた。
本当に綺麗な景色を見ると言葉が浮かんでこない。ただただ
だまって眺めた景色は一生忘れない思い出になった。

宿に戻るとご飯の用意がされていた。泳いだからお腹はぺこぺこ。
どんどんおばちゃん手作りの料理が出てくる。
俺は出てくるもの出てくるもの全てに興奮した。
グルクンの唐揚げや、海ぶどう、ゴーヤ料理、沖縄特有の料理が
どんどん出てくる中、もうテンションはMAX。
そして出てきた刺身の中に赤い刺身が入っててそれを見て更に興奮。


「すげー!おばちゃん、この赤い魚はなんの魚?見たことないから沖縄の魚?」

興奮して聞くと冷めた一言で返ってきた。

「あ?マグロ」

一同大爆笑。俺は生き恥をさらしてしまった。確かにマグロだ。
しかも普通の。人間興奮するとロクなもんじゃない。

「クスクス」

実は食事は俺たちだけじゃなく、もう一組と一緒だった。
もう一組と言っても一人の女性だった。
長い黒髪の南国風の女性だ。話を聞いたらどうやら一人で来たらしい。
俺が大失敗した事によって、話が弾み、仲良くなってしまったのだ。
とても複雑な気持ちだった。
その女性は直子ちゃんと言って世界中にも一人旅するような人だった。
俺たち四人は食事を終え、一度部屋に戻る。
その直子ちゃんは隣の部屋だったので、廊下に出たら座っていた。

少し話した後に俺は部屋に戻って転がってたら
何か音が聴こえてきた。

「ポロン、ポロン」

三線の音だ。窓を開けてて外から三線の音が聞こえてくるなんて
すばらしい環境だ。まさに沖縄、夜だから更にその音は深く聴こえる。
しばらくして俺たちは海でオリオンビールを飲む事にした。
隣の直子ちゃんも誘っていく事にした。
歩いて海はすぐそこ。波の音を聴きながら飲むビールは最高だ。
色々語り合いながら俺と青山、あきよしはそっとその場を離れる。
酒井と二人きりにしてみよう作戦だ。

二人で語り合う後ろ姿は中々良かった。旅の途中での出会いには
ぴったりな感じの女性だ。
後で年齢を聞いたら5歳くらい年上だった。
それもまたよし。でも全く上には見えない感じだったので驚いた。

ビールを飲んでホロ酔いのまま空を見上げたら
一面の星だった。
波の音を聴きながらふと俺は思い出してた。

けいちゃん今頃何してるかな・・

「もう帰ろうか」

青山の一言で宿に戻って寝る事になった。
「また明日ね」
直子ちゃんは部屋に帰っていった。

窓はそのまま開けて布団にもぐりこんだ。
泳ぎ疲れたのか、みんな寝るのが早かった。
なぜか俺は眠れずにしばらく起きてギタレレを
触ってた。

もしかしたらこんなにいい旅はもう二度とないかもな・・
大人になったらどうなるんだろう
こいつらとももう来れないのかな
このメンバーでまた来たいな・・

窓を開けてたまに入ってくる風が海の香りを
運んでくる。
そしてその風になぜか包まれたような不思議な
現象が起きた。
一度寝てる俺に巻きつくように包み、螺旋をまいて
昇っていく感じ。
変な感じだと思いながら、この島での出来事だ。
不思議な事あってもおかしくないと思って全く怖くなかった。
その瞬間に眠くなり、いつの間にか寝ていた。

沖縄の二日目の夜はふけていった。

つづく
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真夏のヴィーナス〜沖縄旅行編一日目その二〜

2010-02-25 09:16:30 | 言の葉
今日の夜はみんなで部屋で飲みながらバーべQ。
まだ一日目なんだって自覚が出来ると幸せも倍増。
まだ夜までには時間があるので、男四人は海に行く事にした。
さっき店でモリを買ったので、俺と青山はバーべQのおかずを
取りに行く事にした。
出ていく時にちょうど女子が部屋から出てくる。

「どこいくの?」
「晩飯取りにいってくる」
「あっはは(笑)頑張ってね〜期待してるよ」
「準備して待ってろよ!」

俺たちは意気揚々と出かけた。車を走らせ、近くの海にいく。
もう部屋で水着に着替えたので、車を降りた瞬間に
海に飛び込んだ。
「ばんめし〜ばんめしはおらんかね〜」
シュノーケルをつけて探すと魚はいるのはいるのだが
深い場所にいたり、動きが早い。
その時にでっかい魚が横切った。ナポレオンフィッシュ!?
青ブダイだ!!!
めちゃめちゃでかい!これが食えるかどうかわからないが
海の中で見る青ブダイはかなり優雅。
追いかけたけど、モリで刺す気分にはなれなかったので
見えなくなるまで眺めていた。

その時に下を見たらとげとげが沢山落ちてる。
ウニだ!これは素晴らしい!
俺は潜って二、三個取って岸にあがる。
「すげ〜〜〜!ウニじゃん!」
俺たちは石で割って食べようとした。そしたら中から紫の液体がどばーって出て来て
とても食べれるものには思えなかったので俺たちはがっくりして、残りのウニを海に返した。
「くそ〜悔しいな」
あきよしも青山も俺も収穫なし。
気がついたら酒井がいない。どこにいったんだ?と周りを見渡したら、
遠くで何か拾ってる酒井を発見。何やってるのかわからないから
近くに行ってみたらなんと、あのガタイで綺麗な貝を拾っていた。
「何やっとるんじゃい!」
みんな大笑い。なんてロマンチックな男だ・・
だが気持ちがわからないでもないので
俺も少し綺麗な貝がないか砂場をチラ見した。

そろそろ時間になってきたので、収穫無しでしぶしぶとペンションに戻る。
部屋に戻ったら女子が出迎える。
「どうだった〜〜?」
「うるさーんよ」
女子はクスクス。
「酒井は綺麗な貝を拾ってたぞ」
「まじー?みたーい」
どうやら親戚の子供か誰かにお土産で拾ってあげたらしい。
余計にかわいいと思ってしまった。

そしていよいよバーべQ開始。だいたいアウトドア系は全部俺の役目だ。
大学に入ってからは毎年バーべQを俺仕切りでやってて、料理も準備も
段取りも全部自分でやってたので得意なのだ。
俺の手際の良さに女子の高感度はかなりアップ。

「いっけんすごーい!」

これは思わぬ収穫。俺の手際の良さは倍増。皿に盛る野菜や肉も
いつも以上に美しく盛られていた。

「きゃー美味しそう!いっけんってこんな事も出来るんだ〜モテモテじゃん」

やばい・・これはやばい。俺の一人勝ちだ・・
料理が得意でよかったと、俺の張り切りはピークに達したが
話の方向は「一番年下」のあきよしに移る。
あきよしは顔もかわいいし、照れると顔が赤くなる。母性本能くすぐり機能が
きっちり備わっている男だ。
あっというまに俺からあきよしへ政権交代だ。俺の天下は短かった。

お酒もいい感じに入ってきてみんなだいぶ酔っ払い。
俺もだいぶいい感じになってきた。
他の女子も男子も学生特有の酔っ払いムード満点。
俺もやっと雰囲気に完全に馴染んで色んな人と話す。肝心なけいちゃんと
あまり話せなかったが、もう酒を飲んでしまったら気が大きくなるので
関係ない。どうやら余計なプライドが邪魔してあまり自分からアピールとかする
タイプじゃないが、この時は「旅、沖縄、まだ一日目、酒、夜」
この要素が完璧にバランスよく心に配置され、大決心をした。

「けいちゃんにアピールしよう」

俺にとっては大事である。青山もその友達にもお墨付きだが、俺は軽く見られがちだが
意外とそうでもなく、学生の時は特に堅物でとおっていた。
若い時はもっとぐいぐい行ってもいいものだと思うが、その時は自分からってのは
極めて少なかった。
意外にその機会は早く訪れた。けいちゃんから話しかけてきたのだ。

「うちの事覚えとった〜?」
「当たり前じゃろう!あの時はおもろかったね」
「うん、楽しかったね。東京はどう?」
「少し慣れてきたけど、やっぱまだ尾道の方が好きじゃな〜。じぇけえ、
休みになったらすぐ帰ってしまうわ。けいちゃんは佐賀よね。どんなとこ?」
「うちんとこはびっくりするぐらい田舎よ。岡山の方が都会」
「まじで?そんなにすごいんじゃ。俺は田舎は好きだけどね。」

そんな普通の会話が続いてて今回の沖縄旅行の話になった時に
ついに言った。

「俺今回の沖縄旅行、けいちゃんおるけん楽しみだったんよ」

こんな事をまだ会って間もない人間に言うのはその後の人生でも
一度もない。最初で最後だ。

だがその後に彼女の一言で撃沈した。

「またまた〜♪東京の女の子にも同じ事言いよるんじゃろう(笑)」

ななななななんて事を!
「んなわけないじゃろう!俺はそんな事は言わんよ!」

「またまた〜♪そうやって何人の女の子を(笑)」

まさかそう来るとは思わなかった。もう海人になって
海の底でじっとしときたい気分だった。
俺はそうゆうタイプではないなんて出会って間もない人にどうやって
説明出来ようか。

「ほんまなのにきっついな〜」
って言いながら楽しい会話には違いないので
そのまま会話ははずんだ。
音楽の話や、大学の話。かなりの聞き上手。
女性の聞き上手は絶対に得。自分が話してる最中に遮って
自分の意見をめちゃめちゃ言ってくる女性とかたまにいる。
人によると思うけど俺は少し苦手。
なぜなら俺自身がしゃべるのが好きだからだ。
なんて自分勝手な話だ。

けいちゃんは話せば話すほどこっちを楽しくさせてくれる人柄だ。
話して人柄がわかった事がマイナスで冷めてしまう事があるが、
けいちゃんは全くの逆だった。
話してたら酔っぱらった青山が入ってきた。
酒井も入ってきて他の女子も混ざり、さらに盛り上がる。
でも不思議な話沖縄に来たのに誰もこの置いてある泡盛の一升瓶に手をつけようとしない。

「こら青ちゃん!泡盛飲めよ!」
「これ飲んだらぶっ倒れるわー!」
といいながら俺達は泡盛を開け、泡盛を飲み始めた。
青山はけいちゃんにも勧める。
「酒強いんじゃろう!けいちゃんも飲もうや」
他のメンバーはもう酔いまくって徐々にその場で寝たりしてた。
酒井は男部屋に戻って寝ていた。
他の女子も寝てしまって、いつの間にか青山、けいちゃん、俺の三人になってた。

しかも開けた泡盛の一升瓶はもう少ししか残ってなかった。
三人でここまで飲むとはまさか思ってもなく、自分でもここまで
飲める事に驚きだった。
お酒の強さには自信があったが、これは異常である。
でもまだ意識のしっかりしてる自分がいた。
それにしてもけいちゃんは強すぎる。恐怖さえ感じたが
ふと悪い気持ちが浮かんでしまった。

「けいちゃんと二人きりになりたい・・この男・・つぶそう・・」

悪徳池永興業はすぐに行動に出た。

「もう泡盛あとちょっとじゃけえ一気飲みしようや」

青山は真っ赤な顔して驚く。
「無理よ!これ一気したらぶっ倒れるわ!」

「わたしはいいよ」
けいちゃんもホロ酔いかノリノリである。
「じゃあ三人で最後一気しようや」
青山はこの雰囲気で断る事も出来ずに三人で一気飲みした。

「せ〜の!」

一気して青山はその場で倒れた。

「フッ。これで二人きりだ」

それから酔ったまま二人で少し話をしてた。

「そろそろ寝よっか」
「そうだね、明日も早いしね」

電気を消して、自然な流れでけいちゃんと隣でそのまま横になった。
そこにあった薄いタオルケットをかけて
一緒に寝た。頑張って当然のような顔をしていたが、心の中では思ってた。

「神様ありがとう」

どうして電気消したのに少し明るいんだろうって思ってたら
二人で横になったらびっくり。
天窓があってその窓から月が見えたのだ。

「きれい・・」
「ほんまじゃね、知らんかった」
月の明かりに風に流されてきた雲がさしかかり、一瞬暗くなった。
するとまた風で流れてその雲間から徐々に月の光が射してきて
なんとも言えない妖艶な風景を見せてくれた。

「けいちゃん・・さっき言った事ほんまよ。会えるの楽しみにしとった」

「ほんと・・?うん・・ありがとう」

けいちゃんを見てないのでけいちゃんが目を開けてたかどうかはわからない。
俺はずっと月を見ながらドキドキを抑えるのに必死だった。

「ここ沖縄なんよね・・」
「うん。なんか不思議」

いつの間にか自然に手を繋いでいた。
もう会話もなくなり、月の光に包まれながらいつの間にか
寝た。

ぼんやりしながらふと頭をよぎった。

朝が来なきゃいいのに・・

沖縄一日目の夜は静かに越えていった。


続く










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真夏のヴィーナス〜沖縄旅行編一日目その一〜

2010-02-24 01:53:25 | 言の葉
ついに沖縄旅行の日がやってきた。待ちに待った旅行だ。
ディアマンテスのCDもばっちり持ってるものは全部持ってきた。オールOKだ。
ワクワクは止まらない。

行きは男3人で車で尾道から福岡に行き、福岡の空港から沖縄行きという
パターンだ。青山以外のメンバーは酒井という男で、これまた不思議な
縁がある友達で中学校で友達になり、その後何年も友達だったが
大学でいきなり近い親戚だった事を知る。
彼もまた青山と同様、同級生だ。

どことなく顔も自分に似てる気がするし、血が繋がってるのもよくわかる。
気も合うし、とても魅力的な男なので、旅がより一層楽しくなる事は間違いなかった。

福岡の大宰府には青山の親戚がいる。そこで一泊させてもらってから
次の日に沖縄に行く事が決まっていたが、メンバーにはもう一人いて、
親戚からその福岡の家に住む「あきよし」という若い青山の従兄弟
も連れて行ってあげてくれという要望があり、一緒に行く事になった。

メンバーは四人!福岡の夜はモツ鍋を用意してくれてそれがまためちゃ旨だった。
青山のお父さんの兄弟であるそのおじさんは福岡弁なのでたまに
何を言ってるかわからなかったが、それでも楽しい時間だった。
旅行って本当に楽しい。この福岡の一夜もまた、最高の思い出となった。

次の日四人は意気揚々と出発。俺はギタレレというミニギターを抱え
豹柄のハットをかぶって飛行機に乗り込む。
酒井もあきよしも青山もみんなワクワクだ。

旅行日程

一日目 沖縄到着、青山の彼女達と合流。ペンションでバーべQ。
二日目 男は座間味島一泊、女子は本島でスキューバ。
三日目 座間味島で海水浴、本島に戻り、女子と合流。
四日目 男組広島に帰る日。女子は残る。

「これより機内が少々揺れますのでシートベルトをお付けください」
というアナウンスが流れて目を覚ます。
「いつの間に寝てたんだろう・・」
窓を見たらもう沖縄に近いのか、ぽつんぽつんとある島の周りが
全てコバルトブルーなのだ。

その後15分くらいで那覇空港に着いた。
「やったー!」

みんなテンションはあがりっぱなし!
外に出たら独特の湿気があり、まだ常夏だ。
9月は残暑だけど、尾道はだんだん涼しくなってきた
頃だったから、この「夏」との再会には胸が踊った。
俺は夏が大好きだからだ。

そしてレンタカーでペンションに向かう。
泊まる予定のペンションは以前に沖縄に行った時に一緒に遊んだ
青山の彼女の「ちえこ」の友達の親が経営してるので
格安で泊まらせてくれた。

国道58号線を真っすぐ走ったら左側に一面に広がる海。
グリーンかかった青い海に男四人はテンションあがりっぱなし!
「すげー!」「めちゃ綺麗じゃん!!」
初めて来たときも感動したが、やはり綺麗な景色は何度見ても感動する。
男四人はテンションあがりっぱなし!
青山もまるで初めて来たかのごとく喜び、まるで
俺が連れて来てよかっただろう的な表情でこっちを見て来て一言。

「な!来てよかったろ!」

「こんな景色見た事ねぇ!」

もう一人の酒井(俺の親戚)はアメリカンフットボールをやってた事もあり、
がたいがいい。親分肌でもある。だががたいに似合わず
ロマンティックな所があり、素直に感動出来るタイプなのだ。
俺は一緒に旅するなら感動出来る人間がいい。
自分の感動を邪魔されるのが一番嫌いだからだ。
青山、酒井、池永、基本この三人は0型でどことなく通じるものがある。
初めてのあきよしはかなり年下なので、最初は緊張気味だったが
徐々に心を開いていく。とてもかわいい男だった。

しばらく走ってると恩納村という街が見えてきて
その近くの場所に今日泊まるペンションがあった。

「ついたー!」

先に着いていた女子軍団が出迎えてくれる。
女子5人いるとさすがに華やかだ。

「久しぶりー!!!」
みんな再会に笑顔いっぱい。ぎらぎらと照る太陽が
心に湧きあがる熱を忘れさせる。

夏の魔法

もうすぐかかってしまいそうなこの予感

黒髪のショートカットに黒目の大きな瞳
だんだん胸が高鳴っていくのがわかる。けいちゃんとの再会。
東京に帰ってもそこまで思いだすこともなく、特に未練が
あったわけでもない。一度飲んだくらいでそんな気持になるなんて
どう考えてもおかしい。
自分の今高鳴ってる胸に聞いてみる。

「お前はなぜそんなに興奮してる?彼女がどんな子かまだわかってないだろう?」

気にいるとか惚れるとかそうゆう世界にはもしかしたら
理由なんて必要ないのかもしれない。
嫌いになったり、お別れする時には理由はある。
でもこうゆう未知な感情には言葉には出来ない何かがあるのだと感じる。

一目会っただけで胸は高鳴り、身体を何かが支配する。
でもそんなの絶対に出せないし、ろくな予感がしないので
あくまでも平静を装う。
それが一番いい事くらいは自分でもわかってる。
だからその感情はひとまず抑え、いつもの自分に戻る。

「けいちゃんめっちゃひさしぶり!元気やった?」
「うん!いっけんも元気そう」

なんて普通すぎる会話をしてしまったんだ・・
いつもの自分ならもっと盛り上げる事が出来るはずなのに・
考えるのはよそう!

そんなこんなで車を駐車場に置いてペンションの部屋に
向かう。
男の部屋、女の部屋の二部屋あってかなり
いい感じの部屋だ。

旅の楽しみの一つは泊まる部屋にまず着く事。
部屋を見渡す事、その後に一度部屋に寝転ぶ事である。
そうする事によって力は充電され、疲れは吹き飛びリセットされる。

この部屋でその夜起こったあのドキドキの時間の事は
この時にはまだ知るはずもなかった。

続く


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真夏のヴィーナス〜出会い編その二〜

2010-02-23 23:29:00 | 言の葉
「まだ帰りたくない」

俺も心の中でそう思ってたが
そうゆう時って逆にぐいぐい行けないもの。

話は流れてけいちゃんの家に着き、見送ってから青山の家に向かう。

一泊して次の日に尾道向かう予定だ。

いつものように青山のベッドの隣に布団を敷いて、寝る準備をした。
風呂に入ってる東風上も寝れるようにもうひとつ敷く。

ホロ酔いなのもあり電気を消すとまた酔いがまわる。

そんな中俺は今日出会ったけいちゃんの顔を思い出していた。

思わず口に出た。

「けいちゃんかわええなぁ」

「え?お前気に入った?」

「完全にタイプだわ」

「やっぱりの〜気に入ると思ったわ」

「お前今彼女いないんだから頑張ればいいじゃん」

「あほか、そうゆんじゃないわ、しかも俺は遠距離は無理よ」

そんな話をしながら
いつの間にか青山は寝てた。東風上も寝た。

「また会えるかな」

布団の中で想いながらいつの間にか俺も眠りについてた。

ホロ酔いで岡山に置いてきたドキドキは尾道には持って帰らなかった。
次の日には何事もなく尾道に着き、しばらく実家を堪能した後、
東京に戻っていつもの毎日に戻った。

特別あのドキドキを思い出す事もなく、かと言って
そんなドキドキを誰かに味わう事もなく
何ヶ月か経った間に青山から突然電話がかかってきた。

「9月に三泊くらいで沖縄行かん?」

「なんだいきなり!」

実はこの何カ月かの間に俺は青山と一緒に沖縄に行った。
というのも突然電話がかかってきて三日後に沖縄に行こうと誘われたのだ。
びっくりしたが、このタイミングはちょうど良く、お金もあった。
青山と彼女と彼女の沖縄の友達と遊んだりしたが、俺はその時にすっかり沖縄にはまってしまった。初めてみる天国のような景色にはまり、その時に行った祭で歌っていたディアマンテスというバンドにもはまり、東京に戻って毎日のように聴いていた。
その曲を聴いて更に沖縄が好きになるという、沖縄の連鎖が自分の中で始まっていた。

だからこの青山の誘いはとても魅力的だったが
そんなに休みを取る事が難しく、まだわからないと渋っていたら青山が一言。

「けいちゃんも来るぞ」

「…」


また会える機会が出来てしまった。
閉じ込めたものが出て来るように色々思い出し、
その沖縄旅行がキラキラと輝いて見えた。

「そりゃあ頑張って予定あけにゃあいけんのぅ!楽しみかもー!!」

「お前ってやつは…」

けいちゃんとの再会は決定した。

当日までドキドキした毎日を過ごして
ついにその日がやってきた。


続く
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真夏のヴィーナス〜出会い編〜

2010-02-23 20:03:20 | 言の葉
「真夏のヴィーナス」

一人のミュージシャンがバンドで作った曲。
その曲の裏側には、過去に一人の女性との何年にも渡る恋があった。バンドでプロを目指してたけどまだ外ではライブもやった事のない学生時代…
友人から紹介された地元での出会い、沖縄での再会と一夜、片思い、恋から友情へ。

「この想い出を曲にするね」

何年後にバンドでデビューした時のメイン曲を
書き上げた時に一つの恋物語が終わった気がした。
自分の人生の中の美しい想い出としてここに綴ってみようと思う。

……………………………
第一章 出会い

「お前、多分けいちゃん気に入るわ」

そう言う青山は小、中学校から別の学校だったけど面識はあって
同じ高校に行ってから仲良くなった男で数少ない心を許せる仲だ。

二人共浪人して大学は別々。
俺は東京の大学、青山は岡山の大学に行った。
最初の頃は中々東京の生活に馴染めず、夏休みや
冬休み、と休みと付くものは全て実家の尾道に帰った。
その尾道に帰る途中に青山がいる岡山に必ず寄って帰ったのだ。

その時も東京から岡山に寄って青山の家に行ったが、
今回はいつものように遊ぶとかじゃなく、コンパだ!
俺はこの人生ほとんどコンパというものをした事がない。
大学時代も周りに言われてもいつも断って行かなかったのだが
(今思うと何故だかわからない)

それに今回はもう一人参加で、東風上と言う男だがこの男も青山同様、
数少ない親友だ。今でも、一切気を使わない親友はもう一人の宮地を含めて4人だと思ってる。
その男も参加だからなお楽しい。

今回はコンパと言っても
青山の彼女の友達と一緒に飲もうって企画だったから
そんな嫌がる必要もない。青山は言う。

「俺の彼女がお前がカッコイイって写真見て言うから、岡山の女友達もお前を見たがっとるから一緒に飲もうや」

「…」

それは行きにくいパターンだが、まぁそんなに構える必要もないだろう。
それより青山の彼女が気になる。

この男はかなり変わった男で女性に縁があるんだかないんだか全くわからない。
昔からモテるし、性格もいいし、リーダーシップあるし、全く不自由ないはずなのに
ずっと彼女だけがいなかった。

クリスマスを高校生から毎年の行事のように10年ずっと一緒に過ごしたのも、彼女がいないからで、みんなでワイワイしようといつも計画していた。彼女と二人とかよりも断然楽しい。
それなのに大学になってついに彼女が出来たと報告を受けて嬉しかった。

「やったじゃん!!!」プリクラを見せてもらったら蛙のかぶりものをしてて
さっぱりわからん。

「これ…なんなぁ」

青山は顔を赤らめながら

「ちょい変わっとんよ、でもおもれー子なんよ」

確かにそうゆう雰囲気がバリバリある。
でも顔立ちがはっきりしてて美人さんだ。

そんな彼女も気になるし
青山といるといつも楽しい事が多いから基本的には誘いを断らない。

そしたら青山が今日来るけいちゃんは
絶対に俺が気に入ると言うのだ。
自分で言うのはなんだが俺は滅多に惚れないし
一目惚れもほとんどない。じわじわと好きになるタイプだからだ。

「なんでこいつはこんな事を言うんだろう?」
と不思議に思いながらも岡山の飲み会場に行く。

大学生の飲み会は安いのが一番!
とは言え、少しはムードがほしいもの。
今回選んだ店は雰囲気もよく、バッチリだった。明るすぎず、暗すぎずオレンジ色の光に
木の多い店の作りはほっと出来る雰囲気だった。

そこに現れたのは三人の女の子。俺達も三人。青山、俺、東風上だ。
ちょうど俺の前に座った女子が例のけいちゃんだった。
ショートカットで目が大きく、色白細身で背が高い。
青い薄手のブラウスに黒のパンツ、細いシルバーのネックレス。

「確かにかわいいわ…」

がっちり好みと言うかど真ん中だった。

もう一人はみかちゃんって言ってけいちゃん、みかちゃん両方九州の佐賀出身。
そして青山の彼女はなんと沖縄出身である!

みかちゃんもすごいノリノリの楽しいこで
きっと性格もかなりイイだろうなって思った。
青山の彼女は沖縄顔の濃い顔立ちでやはり美人だった。
かわいいと言うよりは美人顔。不思議と最初に会ってピンと来た。

「この二人は長いぞ」

たまに不思議な力が働く事があるのは昔からで
青山も俺の変な能力を散々味わってるので
彼にとっても俺の「ピン」はかなり信憑性があった。

話が盛り上がったかと言うと俺達三人は長い親友同士、ネタはいくらでもあるから盛り上がらないはずがない。こうゆう時は男はお互いにあんまり褒めるとかじゃなく、
お互いの失敗談のバラシ合い。飲み会は終始笑ってた

東風上とけいちゃんは「お互いが緊張したら手が濡れる」
という所でバッチリ気が合っていた。

けいちゃんは今付き合ってる人がいて、その付き合ってる人と別れれるかもしれないと言う話をしていた。

今の彼は束縛がとにかくひどくて、受け入れられなくなってきたと言う事なのだ。

青山は相談に乗ってあげていた。人生初彼女出来て間もないのに
恋愛熟練者のような意見を発する。恐ろしい男だ。

「束縛か…」

今にいたっては全く
束縛のその字もない男になったが
当時は何となくその男の気持ちもわかったりした。
どうやら佐賀の地元の彼らしく、遠距離恋愛なのだ。
これだけかわいいんだから心配もするだろう。

俺も昔、彼女が心配で束縛した事で失敗した事があり、束縛ってものを
自分から消すのに必死だった。

束縛ってなんだろう…

自信の無さから来るものなのか…

もし自分に自信があったら
他には行かないって自信があったら
そんなものなかったかもしれない…

けいちゃんの話を聞いてふと昔を思いだしたりしていた。

楽しい時間はあっという間で帰る時間になってそれぞれの家に送った。

東風上は酒が飲めないので運転手だ。
帰りの車の中で誰かが
「まだ帰りたくないよね〜」
って言った

続く
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