JA6VQA 日々新たに

趣味のアマチュア無線で海外との交信や写真などを中心に、日々感じることを書き綴ってみます。
 

数多久遠著「深淵の覇者」

2023-05-01 19:56:58 | 読書
 平成27年に初版が発行された本ですが、先日何度目かの読了をしました。
 元々潜水艦についての小説や映画が好きです。
 映画では「眼下の敵」が一番おお気に入りです。もう何度も何度も繰り返し鑑賞
して楽しんでおります。潜水艦映画の元祖といっても良いと思います。最近では
Youtubeで英語版ですが見ることができます。
 日本でも太平洋戦争中の伊号潜水艦を題材にした戦記物もありますが、こちらは
ほとんど読まないです。
 この「深淵の覇者」は近未来の日本の自衛隊の潜水艦と中国の潜水艦の争いを
描いたものですが、中国の潜水艦はロシア製原子力潜水艦でのとんでもない改良が
施された高速を出せるもの。対する自衛隊の通常動力の潜水艦のですが、新型の
ソナーを搭載したものです。
 この新型ソナーはノイズキャンセラーの原理を使い、相手からのソナーから発せ
られたピンカーを捕らえて、逆位相の音波を作り送り出し、相手のソナーを無力化
するという秘密兵器です。ノイズキャンセラーと聞くとなんとなく親しみが湧きます。
 かたや中国の原潜は潜航速度が60ノットもだせ、簡単に魚雷を躱わすことが
できるという化物潜水艦。
 最後の両方の艦長の操艦の技がみせものです。
 ハリウッド映画でも「レッドオクトーバーを追え」とか未来的な潜水艦が登場す
る映画もありましたが、日本の作家による小説としては楽しませてくれるものです。
 著者は自衛隊に在職中から小説を書き出したとのことですが、最初に読んだのは
電子書籍の「黎明の笛」でしたが、こちらも面白かったです。 
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門田隆将著「日中友好侵略史」読了

2022-09-13 16:14:41 | 読書
 今月の29日は日中国交正常化の50年周年で、岸田首相と習近平国家主席との
電話会談があるとかないとか。その前に安倍元首相の国葬儀に中国は誰を派遣
してくるのか。いろいろ姦しい。
 27日には世界各国から弔問に多くの人が訪れることの伝わっておりますが、
なんとその前に英国のエリザベス王女の国葬が行われることになり、なんだか
結果的に二番煎じのようになってしまった感がします。
 それはさておいて、日中正常化50周年の前に発刊されたのが、門田隆将著
「日中友好侵略史」です。
 漸く読了しました。

 50年前に田中首相が北京に赴いて、周恩来との間ですったもんだの末、なん
とか交渉が纏まったわけですが、その20年も前から中共は日本で工作を初めて
いたとは。
 思えば私の青春時代からこれまでの人生の間の日中間の動きそのままがこの本
の内容で、こんなことがわが人生と並行して二国間、さらに台湾を含んで歴史が
刻まれていたのかと、改めて感慨深いものがあります。
 中国のしたたかさは前に紹介した「インテリジェンスで読む日中戦争」でしり
ましたが、まだ蒋介石軍を台湾に追い出して、国内がどうなるかわからない状態
だったであろう1959年には対日工作が始まっていたとは驚きでした。
 本を読み進むと、いかに中国の為政者が強かで、事前に日本をしっかりリクル
ートしており、東大での秀才が集まっているはずの外務省の役人の無能さという
か、先を考える能力が足らないし、日本側のインテリジェンスなるものが全くな
いことがわかってきます。
 今となっては、戦前の中野学校が教育していた事柄がないがしろにされてきた
戦後ののほほんとした平和ムードの中にあった日本が馬鹿に思えてきます。
 これから先も中国を相手にするには、よほどこちらもしたたかさを身に着けて
おくことが重要だと思うのです。
 門田隆将の著書は何冊か読んでありますが、この本も9月29日を目指して、
30年も前から取材してきたと聞きました。
 とても面白い歴史で、あーそうだったのかと思い知らされることの多いいこと、
それも自分の人生と並行しての歴史ですから、なおさら面白いし、興味が尽きま
せん。特に中国との国交となれば、台湾との縁切りがあるわけで、そのあたりの
日本政府の取り繕いぶりが、面白いといっては失礼でしょうが、実際に交渉に
当たった関係者から生々しい話がすごいです。
 ぜひ傍らに置いておかれることをお勧めします。変な小説を読むより引き込ま
れること必定でしょう。

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「インテリジェンスで読む日中戦争」読了

2022-08-04 18:39:02 | 読書
 今日は雲が多い天気でした。気温はやはり夏です、日差しのある時は堪りません。

 昨日の国際ニュースは、アメリカの下院議長ペロシ氏が台北を訪問したことでし
た。
 中共の習近平にしたら、あれほど警告をしたのに無視されたと怒っていることで
しょう。
 先日から、山内智恵子著「インテリジェンスで読む日中戦争」を読んでおりまし
た。
 この本はトランプ大統領時代に対中国政策を180度変更した国務長官マイク・
ポンペオの政策に大きな影響を与えた歴史学者の一人が、歴史家・戦略家で軍事史
および現代中国の専門家であるマイルズ・マオチュン・ユ教授でした。
 その代表的な著書が「龍の戦争ー連合国の作戦と中国の運命」の内容を紹介しな
がらいかに日中戦争当時からアメリカインテリジェンスがドタバタし、誤った作戦
を行ったかが書かれております。

この龍の戦争には中国で戦争をしていた日本と中国の戦につい
てはほとんど書かれておらず、もっぱらアメリカのインテリジェンスと、中国の
国民党軍と共産党軍のスパイといいますか、担当者の作戦の行き違いが書かれて
紹介されております。
 アメリカ側のトルーマン大統領とその周りの能力の無さや独断が誤った方向に
進み、2次大戦後の中国大陸での共産党への偏った支援と、国民党への不十分な
援助が続いたことが失敗だったと反省しております。 
 トランプ大統領以前の政権が共産党へ手を差し伸べれば、いつかは民主主義国
家側についてきてくれるという妄想を抱いて、間違った政策を続けたかを説明し
ておます。
 こんなことがあの戦争中の向こう側で行われていたなんて、これまで知る由も
ありませんでした。
 今の時代まで来れば、とても中国共産党政権が自由諸国側に鞍替えするなんて
思えませんが、よくもこんな長い20世紀の後半の間、アメリカが間違った、お人
よしの考えでいたとは驚きでもあるし、トランプ時代がいかに画期的な方針転換
を図ったのかがわかるとともに、今後の両国の軋轢を目にするのもそんなに先で
はなかろうと思ったりします。自国の作戦の失敗を公にし、それを反省して実行
するアメリカの懐の深さを思い知りました。

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青山繁晴著「ぼくらの選択」

2022-07-03 17:57:16 | 読書
 台風4号が北上しており、当初の予報と違って、九州を横断するコースが予報
されており、やばいことになりそう。
 明日の午後にはアンテナを下げるかどうかの判断を迫られそうです。
 昨年も同じようなコースを通ていった台風がありましたが、アンテナは下ろさず
にやり過ごしたのですが、果たして今回はどうでしょう。今のところは風台風では
無さそうですが・・・

 今参議院選挙の真っ最中ですが、その選挙に自民党から全国区比例で立候補して
いる青山繁晴さんの著書「ぼくらの選択」雄志篇、虎穴篇、天命篇の3冊を読了し
ました。
 月刊Hanadaに連載していたコラムをまとめたもののようですが、結構分厚い本
が3冊、選挙前に発売になったのでまとめて購入しました。最近は紙の本の購入は
極力控えて、Kindol版ばかり購入しておりました。
 青山さんはYOUTUBEの動画「ぼくらの国会」で国会活動がどんなものであるか
を理解させてくれております。
 自民党の部会でどのようにいろいろな問題が協議され、それが党の機関に諮ら
れ、政府を動かしているのか、これまでは全く知り得る手段もなかったのですが、
この動画でよく理解出ておりました。
 その青山さんが6年前の参議院選挙に初めて立候補し、見事48万以上の票を集め
て当選し、1年生議員として、いかに政治活動をしてきたかを雄志篇では語ってお
ります。政治献金を受け取らない、パーティー券を売らない、後援会は作らない、
後援会長は置かない、派閥に属さない、とまるで普通の議員を全否定する政治姿勢
をつら抜いて6年間頑張ってきた結果、「日本の尊厳と国益を護る会」の代表にな
り、衆参両院の議員が74名も集まる政治集団が出来上がっているのはすごいこと
です。
 従来の自民党を中から変えるため頑張っているその政治姿勢はこの本を読んで
いると感動を覚えます。
 反対する公明党を説得して、日本の国土を守る法律を成立させ、習近平主席の
国賓来日を阻止し、自民党党員を組織を頼らずに集めて、その獲得数で自民党
トップとなるなど、本来こうあるべき国会議員の姿を選挙民に知らしめたのは大き
いことです。
 この3冊の本を読了して思う事は、男一匹、こんな素晴らしい生き方もあるんだ
と感動させてもらったことです。
 いまは各地で、他の立候補者とは違った選挙運動といえるかどうかわからない、
辻立ち説法を続ける様子をYOUTUBEの動画で見ることができます。ウグイス嬢
もいない、したがって候補者の名前も叫ばない、まるで大学の講義のような演説
を時には1時間を超えてしゃべっていて、もうその声はつぶれて聞き取り難くなっ
ているようです。でも毎回その話の内容が違うのも面白く、政治の世界の裏話が
とても面白く、ぜひ多くの人が聞くといいと思うのです。
 こんな変わった立候補者がいる、しかし候補者の名前を車からウグイス嬢が
連呼して回る選挙運動とまったく違う選挙運動をする候補者がいるという事を
多くの人が知れば、この国の政治も少しづつでしょうが変わっていくのかと思わ
ずにはいられません。
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江崎道朗 著 「近現代史の虚妄」読了

2022-05-30 15:30:22 | 読書
 夜半からの雨も午前中には止んできたようで、気温も22.5度と低めです。
 ここにきてSSNも下降気味で、そのためではないでしょうが、お空のコン
ディションも冴えないようです。

 「近現代史の虚妄」を読み終えました。ここ最近は本は電子版ばかりを購入
して、もっぱらiPadで読んでおります。
 インテリジェンス関連の本を多く書かれている江崎道朗さんですが、最近は
虎ノ門ニュースでも話を聞く機会が多くあります。まだお若いのになかなかの
論客です。
 さてこの本はロシアのスパイがいかにアメリカに溶け込んでいき、第二次大戦
で暗躍したかを多くの事例で示されており、面白いです。
 最近突如話題になったロシアによる北海道を占領するとの話題ですが、日本の
戦後を決めるヤルタ会談でのスターリンの野望をルーズベルトが黙認していたと
か、日本を真珠湾攻撃に踏み切らせたハル国務長官のいわゆるハルノートの下書
きを書いたのもソ連のスパイがしたことなど驚きの事実を知ることができます。
 いかに多くのアメリカの省庁でソ連のスパイが暗躍していたかに驚かされます。
 以前読んだアメリカの原爆開発計画、マンハッタン計画の中で暗躍したソ連の
スパイについての本「最高機密エージェント」(原書房)ですでに知っておりま
したが、まんまとアメリカは原爆の設計書をソ連に盗まれていたのは事実です。
 
 私が中学に入った頃、アメリカではマッカーシー旋風が吹き荒れ、「赤狩り」
が行われてるという事を新聞で知り、戦前戦後アメリカの中に多くのソ連のスパイ
が蔓延り、この「赤狩り」で多くのスパイが摘発されたので、やってるなあと思っ
たことを覚えております。
 
 戦後の教育をまともに受けた身にとっては、習った歴史は何だったのかと思って
しまうほど、善悪が逆転するのですから、長生きはしてみるものです。
 今のプーチンのやっているウクライナ侵略もスターリンの時代から何ら変わって
いないんだと思い知らされます。
 共産主義はソ連が崩壊しても、しっかり地球上で現在でも蔓延って、さらに触手
を伸ばそうとしているのが現状なのです。
 その共産主義の国が3方から日本を囲んでいるにですから、世界でも最も厳しい
状況にある日本の立ち位置をもっと心配しなければならないのが現在です。
 どうしたら、日本が10年先、30年先今のままでいられるか、アメリカも頼れそ
うにないから、自からの手で守るしかないでしょう。話し合いで事が収まれば、
良いのですが、そうはいかないのが共産主義の怖い所でしょう。

 
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岩井三四二著「タ」は夜明けに飛んだ

2022-03-07 16:39:00 | 読書
 久しぶりに文庫本の新しい本を買いました。
 最近はもっぱらKindol版で購読しております。新刊本はKindol版がありません
から書籍を買うしかありません。

 さて表記の「「タ」は夜明けに飛んだ」は日露戦争の勝利に向けた日本独自の
無線機の開発物語です。
 「タ」は「敵艦隊発見」を意味する連合艦隊の暗号。
 バルティック艦隊を迎え撃つ連合艦隊の信濃丸から三六式火花送信機から発せ
られた「タタタタタ 二〇三YRセ」電文。二〇三は位置、YRは信濃丸の符号。

 物語は科学者 木村俊吉 国産の無線機の開発に尽力し、日露戦争の海戦の
影の立役者になった人物です。
 すでにマクセエルの方程式で電波の存在が予言され、ヘルツが電波を発見し、
マルコニーが英国で会社を設立し、無線機の特許を取得していた時代、日本では
逓信省の松代技師が火花式の無線機を独自に試作していた。
 日清戦争時に初めて経験した海戦から無線機の有用性を認めた海軍がこの無線
機に注目し木村俊吉を招聘して、本格的に開発に乗り出した。
 強い火花を発生するために、耐圧の高いインダクションコイルの開発、コヒー
ラ管の改良、さらに全く理論的動作がわからない中でのアンテナの改良など、
その苦労話が物語です。
 陸上に設置したアンテナの距離を伸ばしての通信実験。さらに艦船に設置した
ときの無線機やアンテナの設置方法など通信距離「80海里」が当面の目標。
 陸地に設置した無線機、アンテナの通信距離はすでにマルコニーはドーバー
海峡を越えて成功していた時代、高価な値段を吹っかけてきたマルコニー社の
無線機は論外と国産にこだわっての開発が続き、バルティック艦隊の発見に間に
合うゲルマニュウム検波器や真空管が発明される前の時代の先人の苦労がしのば
れる。
 もちろん物語ですから、清国との海戦、連合艦隊のバルティック艦隊との海戦
も詳しく述べられているので楽しめました。

                                                                                                                 
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秋雨前線 「政権奪取論」を読む

2018-09-20 18:34:11 | 読書
 朝方から降り出した雨は夕方には小降りになって来ました。
 NEWSでは熊本市はかなりひどい雨が降ったようですが、ここ大分では秋雨と
いうにふさわしい程度の雨でした。

 さて自民党の総裁選挙で安倍さんが3選され、さらに3年間この日本を引っ張って
行ってくれることになりました。
 ほかに変わる人がいないので、安倍さんに頑張ってもらうしかないのは、
いたしかたありません。

 いま評判の橋下 徹前大阪府知事の「政権奪取論」(強い野党の作り方)を
読んでいます。
 本屋さんでは品薄でなかなか手に入らないということらしいですが、わたしは
Kindle版を購入しました。

 未だ途中ですが、書かれていることはごもっともな事です。
 自民党が国民から十分な支持を得ているわけではなく、対立する野党があまりにも
情けない状態にあるのが悲しい現状でしょう。
 なんでも反対するだけしか脳がないまことに頼りにならない野党。
 そんな野党に活を入れる本です。これが朝日新書が出版元というのも不思議ですが
学者先生や評論家と称するインテリな人が言うことと違って、大阪市長、知事を
経験し、大阪維新の会を立ち上げた人が書いた本です。実に言っていることに納得
してしまいます。
 今の低迷して、国民から忘れ去られようとしている野党の皆さんがこの本を読んで
反省し、新たな目標をたてて出直して再び自民党に変わり政権をになえる集団に
なるにはまた相当な時間がかかることでしょうね。果たしてこの本に書かれているような
強い野党ができるのかに期待したいのですが、それまでこちらの命が持つかが問題です。
 でも今のまま自民党のやりたいようにやらせていては、明日の日本は心配です。
 なんでも反対しかない今の野党ではなく、是々非々で何事にも柔軟に対応できる
二大政党が実現する夢を持ち続けていくしかないのでしょう。
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陳 浩基著「13・67」読了

2017-12-27 17:56:10 | 読書
 陳 浩基は香港在住のミステリー作家です。
 「13・67」は変わった題名ですが2013年と1967年を意味しているようです。
 
 香港のミステリー作家がどのような推理小説の書くのかと変な興味を持って
Kindlの電子版で読んでみました。
 
 この小説は六つの中編小説で構成されております。でも今まで読んだことのない
まず主人公が死ぬ間際のベッドの上にいるところから始まり、次第に物語の時代が
さかのぼって、六話目が主人公の香港警察の名探偵クワンが新米の警察官という
面白い構成になっております。
 
 一話目、主人公クワンが死の間際のベッドに寝かされている側で、クワンの弟子の
ローが容疑者たちに詰問するのですが、死にかけているクワンがコンピューターを
通して返事をするというちょっと考えられない筋立てで、なんだろうこの小説はと
思いながら読み進むのですが、後でなるほどと納得してしまいます。
 二話目以降はクワンの名探偵振りがとても面白く、また香港という英国と中国によって
振り回された歴史も反映した時代時代に市民の味方か、香港政庁側にたつ警察なのか
など興味深く書かれています。

 一度香港に行ったことがありますが、ほんの狭い範囲を見ただけで、あまり都市の
地名などは覚えておりませんが、小説ではたくさんの地名が出て、地名と場所がわかる人に
とっては大変身近な舞台を想像できるでしょう。
 
 名探偵クワンの推理はシャーロックホームズ顔負けの鮮やかな推理でそうだったのか
うまく書いたものだと変に感心しています。
 これまではたくさんの推理小説、ミステリー小説を読みましたが、香港人といいますか
日本以外の東洋人の書いた推理小説ははじめてでしたが、ものの見方などやはり違うものです。

 また違った意味でとても面白かった小説でした。
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「ミレニアム4」読了

2017-11-12 18:29:18 | 読書
 世界的な大ヒット作となった「ミレニアム」三部作。
 単行本を夢中になって読みました。
 映画にもなって、DVDで楽しみました。

 しかしスエーデン人の著者スティーグ・ラーソンは第一作の「ドラゴン・タツー
の女」が刊行される前に急逝してしまっています。
 だから著者本人は世界で8000万部も売り上げたことは知らないままです。

 ラーソン自身は10部作まで続ける予定だったとか。しかし風のうわさでは
誰かが変わって著作を続けるというころらしかったのです。

 「ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女」がKindol版であるのを見つけ、早速購入。
 新しい著者はダヴィッド・ラーゲルクランツ。三部作を何度も読み返して研究した
とあとがきに書いておりますが、なかなかどうして、前の3部作同様面白く読みました。
 
 最初のほうは主人公のミカエルの出版社が他社に買収されるとかの話が長く
いささか退屈したのですが、ミカエルのもとに大スクープに繋がる卵がもちこまれ、
話が大きく展開していく。アメリカのNSA(国家安全保障局)へのハッカー。
 発育不全の子に宿る特殊能力。
 
 上下巻をiPadであっという間に読んでしまいました。
 
 6話まで契約があるということなので、また次が出るのが楽しみです。

 
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山根一真著「アルマ」の創造者たち

2017-09-06 18:13:26 | 読書
 ようやく読了しました。
 標高5000mのチリのアンデス山脈に電波望遠鏡をつくる苦労話の
ノンフィクションです。読み応えがありました。
 お金を出さない日本の政府、そのために欧州と米国に蚊帳の外に追いやられ
科学的予算の貧弱な国家予算で、置いてけぼりになりそうななか、遅ればせながら
ついた予算で欧米を懸命に追いかけ、追い越した日本チーム。
 大きさ的には12mと7mのパラボラですから、野辺山に設置された45mに比べれば
そうなんでしょうが、温度変化による伸縮の許容誤差が桁違い。
 構造部の対温度変化対策の苦労などすごいです。

 電波で楽しんでいるものにとっても、はるか宇宙のかなたから飛んでくるノイズ
交じりのミリ波さらに短い波長のサブミリ波を最大66台の電波望遠鏡で集め、
か細い電波をまとめて、増幅してノイズと区別するスーパーコンピューターと
30万行にも達するソフト。
 アマチュア無線にもようやく耳にするようになったFPGAですが、さすがプロ
15年も前にそのプログラムと格闘していたんですね。
 マイクロ波に興味のある方には結構面白い興味のあることが沢山出てきます。

 宇宙を見るのは光学式の望遠鏡というのは昔の話なんですね。いまどきは
沢山の人工衛星に取り付けられている、ガンマ線、X線、紫外線、赤外線、そして
電波を観測することに変わってきている。
 ですから天文学もマイクロ波研究者の領域でもあるわけです。

 アロマの電波望遠鏡に威力はこの写真を見れば納得です。

 アルマのHPにあった写真をコピペしたのですが、ハッブル宇宙望遠鏡では
この程度しか見えなかった、新しい星が誕生していると見られているおうし座のHL星
の円盤。赤く色付けされた円盤は高速で回転しており、宇宙のちりが次第に収束
して惑星の誕生に向かっている過程を始めてみることができたノーベル賞ものの
写真だそうです。
 アルマのHPを見ると最新の研究成果が沢山見ることができます。

 山根さんのノンフィクションは前回は「はやぶさの大冒険」も楽しく読みましたが、
この「アルマ」も渾身の作です。生命の誕生とか宇宙の誕生に興味のある方には
お勧めです。







https://alma-telescope.jp/news
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