宇宙哲学の対話室

"宇宙"、"生命"、"人間"に関する問いかけと自然観察や奉仕活動について対話を繰り広げます。

金食い虫

2017-06-23 19:59:52 | 自己紹介
ANISNコードの計算には東大の計算機センターの大型コンピュータを使った。付属の原子力研究所のコンピュータを端末として使い、通信回線を利用して計算機センターに登録されているANISNコード、物性値データを指定し、いくつかの計算条件データのみ端末から入力してANISNコードを実行した。
計算結果は計算機センターの記録装置に残しておくと課金されるので、ほとんどの場合、端末のコンピュータのプリンタから出力した。計算内容や出力オプションにもよったが、計算結果はたいてい100ページ以上のリストになった。当時は計算結果リストを綴じるファイルがあり、空き部屋の壁にスチール棚を置き、そこに計算結果リストのファイルを並べておいた。計算結果リストはどんどん増え、スチール棚はリストファイルですぐにいっぱいになってしまった。棚を増やすのは限度があったので、古いファイルを廃棄していた。私が4年生の時は計算リストから数値を読み取り、対数のグラフ用紙に手書きでプロットしていた。50枚綴じのトレースの両対数グラフ用紙を2冊は使ったはずだ。大学院ができるとプロッターが導入されたが、ハードのみで作画ソフトウェアは自作するしかなかった。
今なら計算結果をエクセルに読み込める形式で出力すれば、数分間で済む作業だ。ただ手書きで数値をプロットする間に計算結果を吟味することができたので、グラフの作図の時間に無駄が多かったとは思わない。むしろいい経験だったと思っている。
むしろ東大の計算機センターの計算機使用料が結構かかった。一回で数十万円だったので、4年生の時の計算だけでも一千万円を超えていたようだ。卒論の指導教授の先生から「金食い虫」と呼ばれる羽目になった。
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