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世間話10

 日本の既存のマスコミにおいて老人への批判は大きなタブーである。新聞や雑誌をよく読んでくれるのは高齢者であり、彼らを批判するような言論は基本的に好まれない。政治家が投票率の高い高齢者層におもねることもこうした傾向に拍車をかける。たとえば後期高齢者医療制度など、今後の若い世代が今後被るであろう受難に比べれば蚊が刺した程度にすぎない。それなのにあれがあれほど強い批判を読んだのはマスコミのこうしたタブーがあるためだ。
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世間話9

  海老沢泰久さんが亡くなった。海老沢氏の小説といえばまず第一に小学生のときに読んだ『監督』を挙げる。広岡達朗が美化されすぎているとかいろいろケチはつけられるとは思うが、プロ野球ってこんなに面白いものだったのか、と教えてくれたのはこの本である。その後直木賞を受賞した『帰郷』とか、F1ものとか辻静雄を描いた『美味礼讃』とかかなり読んだが、もっとも繰り返し読み、血肉化しているのは『監督』だ。50代での死は早すぎる。広岡達朗のコメントが読みたい。
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世間話8

  12日の読売「編集手帳」より。「書物を詠んだ短歌のなかでは異彩を放つ一首だろう。歌人の道浦母都子(もとこ)さんに阪神大震災の歌がある。〈本は凶器 本本本本本本本本本本 本の雪崩〉(朝日出版社刊「悲傷と鎮魂」より)」。まったく他人事ではない。
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世間話7

 自衛隊の海外派兵がけしからんという共産党の主張を聞くたびに腹が立つ。彼らのかつての言い分からすれば、自衛隊は存在自体がそもそも明白に違憲なのである。だからその自衛隊が国内にいようが海外にいようが同じくらいけしからんのである。海外派兵はいかん、などという共産党の主張は「国内にいるのならとりあえずいい」という意味を暗に含んでいる。むろん人は時に妥協しなくてはならないこともある。だが変節漢なのに自分たちは一貫しているようなふりは勘弁してほしい。
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世間話6

  大原麗子が死去。新聞各紙を見て改めて認識したが、大原麗子の代表作ってあのCMだったんだな。あとはせいぜいNHKの「春日局」くらいか。要するに印象に残っている映画が一本もないのだ。大女優とかテレビで言ってたやつもいるが、とんでもない話だ。「不良番長」シリーズには不良の一人として出てたような気もするが。
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世間話5

 「市場原理主義」。こんな言葉を使う奴は即バカだと思って間違いない。なぜか。こういう連中は経済学を学ばずに経済学に対するプリミティブな反感を表明しているにすぎない(経済学自身は市場原理の限界を知っているのだから経済学者はこんな言葉は決して使わない)。むろんプリミティブな反感にも学ぶべきところがあればいいのだが、ほぼ100%が紋切型だ。こんな陳腐な言葉に頼って反感を表明するのだから、結局のところこの言葉を使うやつ=バカだと思って間違いない。
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世間話4

  エスカレーターで左側に立とうと人が滞留しているのを見ると腹が立つ(東京の場合である)。2列になればスムーズに流れるのにどうしていつのまにかこんなおかしな作法が定着してしまったのか。私はエスカレーターでは歩かず、あえて右側に立ち後ろから駆け上がってくる無作法な連中を止めるようにしている。これだけのことにかなりの勇気が必要。時代に逆らうのにはかくも難しい。
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世間話3

  『小説日本銀行』より印象に残った一節を。「わたしは日銀マンを御殿女中にするもっと大きな要素が、この日銀全体としての無力感だと思う。それは、人間を小さくさせる眼に見えない壁である。才能豊かであればあるほど、その男の眼に、見えない壁はより高くそびえたつのだ。(日銀がいかに努力しても、財政の動きにはかなわない。われわれの努力には、報われる限度がある――)この無力感こそ、日銀とあの男の居る大蔵省の気質を分けるものなのだ」。あの男とは昨日も言ったように池田勇人である。
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世間話2

 『官僚たちの夏』のドラマ化に逆らい、同じ城山三郎でもずいぶんマイナーな『小説日本銀行』を読み進める。まだ途中だが総裁のモデルはもちろん一万田尚登、“あの男”は池田勇人かな。本石町日記さんが言っていたように、『官僚たちの夏』に比べるとはるかに陰鬱な話だが面白い。金解禁を断行した井上準之助を持ち上げた『男子の本懐』からも読み取れる通り、城山氏は金融政策では基本的にタカ派のよう。
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世間話1

 ふたたび短文形式で更新再開。NHKの日蝕番組、録画しておいたが見てみたら不快の極みで即刻消去。天文ショーの番組のはずが、年寄りとか新婚カップルとか日蝕を見に行く連中のドキュメントが中心に。動物が主役たるべきところにタレントがしゃしゃり出てくる民放の動物番組のごとし。
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