それはまた別のお話

観劇とか映画とかの感想文を少しずつ

「何者」

2016-10-18 | 映画

『桐島、部活やめるってよ』の原作者である朝井リョウの直木賞受賞作を、演劇ユニット「ポツドール」を主宰する『愛の渦』などの三浦大輔が映画化。就職活動対策のため集まった5人の大学生が、SNSや面接で発する言葉の奥に見え隠れする本音や自意識によって彼らの関係性が変わっていくさまを描く。就職活動を通じて自分が何者かを模索する学生たちには佐藤健、有村架純、二階堂ふみ、菅田将暉、岡田将生といった面々がそろい、リアルな就活バトルを繰り広げる。


2016年菅田映画5本目、5勝2敗。
原作未読です。
…ってわたくしは「原作は読まずに予告篇を信じる派」なんですが、今回はその意味では肩透かしでした。
(予告編を見た限りではもっと青春が終焉するノスタルジックなものか思ってた)
就活がテーマというより、SNSを背景にした若者の葛藤と成長の物語。
世間様の評判がイマイチなのも、このギャップと曖昧なラストのせいなのかと思ったりして。

監督の三浦さんは演劇の演出家でもありますが、多分に映像的な作品でした。
前半は各人の就職活動の様子を地道に追いかけ、冷静分析系男子である主人公のタクトの目線で進んでいくので、自然と彼に感情移入ができる。
ところが、一緒に学生演劇を主宰していたパートナーが自分とは真逆の道を進んだことを知るあたりから、目つきが違ってきます。
そのパートナーに投げるきつい暴言(LINEの上だけど)が実にストレートなんだけど、それは自分自身への言葉でもあり、夢を諦めきれないジレンマでもあり、「刺さる」という言葉がぴったり。

そのパートナーの顔が最後まで見えなかったこと、
そして最後はこの映画自体が「舞台」の上で展開されたものだったこと、
その舞台の上では「地道素直系女子」以外の5人が「何者」かを演じていたこと、
このラストの展開は身震いするほどグサリときました。
ここに至るまでの心情の変化、自分だけ内定をもらえない焦りと「なぜ俺が」という理不尽、映画であるのに本当にキツかった。
裏垢で人を見下していたことを暴露されたとき、少し安堵したのは私だけではないと思います。

正直言えば、単館系のほうが評価上がったような気がしますが、今年最も印象に残る作品でした。

そうそう、主人公が演劇をやっていたこともあり、就職試験の会場は東宝本社でした(たぶん)。
しかもグループディスカッションのテーマが「日本にミュージカルを根付かせるには」とかね。
就活生にマジで議論してほしい!
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