Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ヒア アフター」クリント・イーストウッド

2011-03-04 02:58:11 | cinema
ヒア アフターHEREAFTER
2010アメリカ
監督:クリント・イーストウッド
脚本:ピーター・モーガン
音楽:クリント・イーストウッド
出演:マット・デイモン、セシル・ドゥ・フランス、フランキー・マクラレン、ジョージ・マクラレン、ブライス・ダラス・ハワード 他


とても手が混んでいて
ワールドワイドで
人物も多彩で
そのうえオカルト的で
題材が多様で魅力的

なのにあの結末はどうよ。
こんな贅沢が許されるのはもはや米国では
スピルバーグとイーストウッドだけなのかもしれない?

実にゴージャスなやっつけ仕事で、その潔さには感服せずにはおれない。
大変面白かったし、
実にばかばかしい。
この感想の組み合わせは、何を隠そう結構好みなのだよ~んww

***

【以下ネタバレですよ!】

冒頭の平穏な海の完璧な構図にしびれるのだけど
津波の予兆シーンでその構図をまた使うところがまたしびれる。

津波は見応えありですねー
ホント、どうやって撮ってるんだろう。
ばきばきと立ち木を折ってやってくる「なにか」からはじまる
マリーの受難のシークエンスはとてもよいと思う。
上質のスタント。


でも、ワタシがこの映画に早々と屈服したのは、
あの双子。
あの顔。
あの二つの顔が並んで登場した瞬間である。

よくぞ見つけたあの顔つきの、
あの不幸な禍々しい顔立ちの
しかも双子。
それはタダでさえ二つなのに、
写真によってさらに倍!になっている。

負けた。これはいい映画だ。

双子の瞬間にワタシの脳裏には
あの『シャイニング』の幻視の少女たちがかぶさる。
オカルティックな映画との先入観がそうさせるのだろうけれど、
そういうどこか禍々しいものと双子とのマッチングは実に、効く。

(双子の方にはもうしわけありません。あくまで映画の世界の個人的思い込み話です~)



そして、破滅の淵にあって、嘆く女であるところの
双子の母親。
最近のクリントの映画では特徴のあるキャラ。嘆く女。
これまた、実に双子君に顔立ちが似ている。
まったく調べていないのでわからんが、ホントに親子ではないのか???
彼女の再生の物語でもある
大きな代償を払った再生。



まあそういうことであるだろう。
再生の物語
再生の群像劇
マット演じるジョージ君も
兄を失ったマーカス君も
名声も恋も失ったマリーも
代償の後再生の手がかりを得る。
そこにこの映画のほのかな暖かみがある。

ワタシはそれで十分だと思った。
これでいい。
シンプルだ。

ジョージが人の手に触れる度に「ぶおんっ」てわざとらしい音を立てつづけていたのも、
ラストのあのふれあいに意味を持たせるための布石だったのだ。
再生の兆しをその一瞬のクローズアップで示した美しさに
心が熱くなった。


*******

イタリアン料理教室で出会う彼女が
ブライス・ダラス・ハワードだとは
ついさっきまで気づかなかった^^;
彼女、顔変わってない??
髪の色のせいかなー
あんなに鼻でかかったかなーw

彼女の振る舞いはとてもアメリカ人ぽい
日本人にはまずありえない
あのスプーンを通じた二人の交流の嫌らしさ(笑)は
あーアメリカ映画だな~と

彼女の過去が暗示される感じはさすがだなーと
明示しないとこがね。



ネットで検索してそれが行動に繋がるという映画でもあるのだけれど、
(マリーの使ってたのはiMac+Googleだったな^^)
その行動が収斂する先が
英国でのブックフェアだというところが
時節柄なんだか面白かった。
紙の本に皆が集まって
再生の物語が締めくくられる。

ふふ



あとはー
サラウンドの音響設計は
『グラン・トリノ』ほどではないが
街の雑踏やとおい雷鳴、雨の音、人の話し声などをふんだんに拾っていて
いい効果を出している。
というか、好きだw

一度日本語らしき声が周辺音に混じっていたと思うが
聴こえたときぎょっとした。
意味の通る音声とそうでない音との違いはこんなにも大きいのだなー


あと
サンフランシスコの工場とか
ロンドンの古い建物とか
ちゃんと魅力的に撮っているのもよろしい。



**********

しかしですね、
バルト9のシアター3
スクリーンと客席配置がちょっとずれてないですかねー?
スクリーンの右1/5の前は通路で座席無し。
その分左端1/5の座席の正面にはスクリーンではなく壁が。
そこに座ったらムダに右の方を見ての鑑賞となる。

その上オンライン予約時の座席表では
そんな風には見えない。
なので真ん中へんと思って予約した席は
結果としては真ん中から1/5ほど左に寄った席だった。

こんな設計はどうして可能なのか?????????


2011.2.28 新宿バルト9




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4 コメント

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Unknown (けん)
2011-03-04 09:39:44
TBさせて頂きました。
またよろしくです♪
 (とらねこ)
2011-03-04 12:14:34
私も、ブライス・ダラス・ハワードの顔、アレっ?て感じでした。イメージも顔も違うような。
メラニーの行動はアメリカ人ぽかったですよね。ちょっと羨ましいような気もしつつ?w
私がバルト嫌いな理由、コレなんですよー。
どうも (manimani)
2011-03-05 00:13:56
☆けんさま☆
ありがとうございます。
よろしくー
 (manimani)
2011-03-05 00:15:19
☆とらねこさま☆
ぶらいす、もうちょっと繊細な顔立ちだったと思うんだけどなー
でもって結構好きだったんだけどなー
気がつかなかったのはくやしいなー

バルト9ねー
うーむ・・

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