Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

バッハ平均律クラヴィア曲集第2巻第12番へ短調

2010-09-23 00:56:46 | ちぇんばろ
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻(全曲)
レオンハルト(グスタフ)
BMG JAPAN

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今回はなんでピンポイントで平均律第2巻の12番なのかというと
明日(いやすでに今日)ワタシはチェンバロの発表会で
この曲を弾くことになっているのです。

内輪の会とはいえ鍵盤楽器はもう完全にアウェー感満載で
ききききき緊張するなあ^^;

平均律第2巻を選んだのは、単に最近はこれのレッスンを受けているから。
で、12番にしたのは、
●フーガが3声だから(笑)
●割と長めなのでこれ1曲でお役御免となるから(笑)
●曲が好きだから(これは笑わない)

特にプレリュードは好きな人が多いみたい。
それはもう憂いを含んだ曲調で、バロックの憂いの修辞法をしっかり用いている。

冒頭から八分音符のテーマが「ため息の音型」の連続で、
その下では「十字架音型」のバスがゆっくりと歩みを進める
といった感じです。葬送の歩みのよう。

それでも中盤16分音符でアルペジオがおずおずと動き出すと
そこになんともロマンティックな風が吹いてくるんだよねー。
7度とか減7度とかを含んだ和音が動いていくところは
それはもう魂抜かれる系の体験で。

ロマンティックといっても絢爛豪華なロマンじゃなくて
過ぎし日を思う冬の朝の薄日~みたいな?w
何も動くものはなく、魂だけがすっと永遠の世界と繋がっているような

この感じ、この感じの曲はほかにもあるよねえ?
と思い起こしてみると、
●平均律第1巻の同じくf-mollプレリュード
●シンフォニアの同じく3声f-moll
●オルゲルビュヒラインの「Ich Ruf zu Dir, Herr Jesu Christ」Bwv639
他にもあるかなあ・・・
見事に3曲ともf-mollなんですね~~

まちがいなくバッハはそういう曲はf-mollで、というかf-mollならそういう曲、つって書いてましたよね。
(バッハは平均律で調律していたのではない、調性の「民主化」の開拓者なのではないのだなと、こういうところでもわかりますねー)

というわけで、
冒頭にはレオンハルト大師匠のCDを掲げてみました。

明日はこの「冬の日の薄日」を醸し出すべく心身を捧げ、
間違っても、大勢の前で弾くとか間違ったらどうしようとか緊張するよなとか
そういう個人的な些事からは遠く離れて
ただ音楽のために弾くんだもんね。

もんね。
(どきどきどきどき)



****

BWV639というのはあれですよ
タルコフスキー「惑星ソラリス」のあの曲ですよ。
思えばバッハに接近したのもあの映画がきっかけだったかもしれません。

オルガンコラール前奏曲集である「オルゲルビュヒライン」に入っている曲です。
オルゲルビュヒラインの入ったCDは、おそらくワタシが最初に買ったクラシックのCDだったと思います。

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