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チェンジリングCHANGELING
2008アメリカ
監督・音楽:クリント・イーストウッド
脚本:J・マイケル・ストラジンスキー
撮影:トム・スターン
出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ、ジェフリー・ドノヴァン、コルム・フィオール、ジェイソン・バトラー・ハーナー、エイミー・ライアン、マイケル・ケリー他
めずらしく公開ものを早々に劇場鑑賞。
イーストウッドの新作は、実話に基づく、反権威主義的で正義と真実を信じる力作でありました。
【以下ややネタバレでございます!!!】
20年代おわりのロス警察、あんなにご都合主義で権威的でしたか。
まあ世界中が陰謀に満ちあふれていた時代ですからね。自由の国アメリカなんていったところで、その裏側は真っ黒だし、多少なりともましになっているとしたらそれはたくさんの人の努力と犠牲の賜物でしょう。
不正や収賄、捏造にご都合主義、人権無視で逆らうものは裁判もなく処刑したり、精神病院に強制収容したり。
この映画でも、息子の行方不明に対する杜撰捜査、いや、でっち上げ解決に対してあくまで反論していく女性に対して、警察の側はまともにとりあわないばかりか、厄介事として汚い手口で警察の対面を守ろうとします。警察の側を代表する警部はそれはそれは嫌なヤツの撮られています。腐敗を絵に書いたような、というか、まさに絵(映像)にしてしまったのは、やっぱりさすがの腕前でしょう。
警察の腐敗とイーストウッドといえばもう即座にダーティーハリーなわけですが、今回その腐敗をこらしめるのは、ルール無視の正義の暴力ではなくて、ひとりひとりの真実を求める信念です。クリスティンの孤独な信念だったものは、支援する神父、適正な捜査をしようとする一人の警察官、クリスティンの弁護を無償で買って出る弁護士、そしてプラカードを持って警察の怠慢に不満をぶつける街の人々、とだんだん大きく広がっていきます。そういう人々の気高いところもやはりその時代のパワーの一面なのでしょうか。
今の日本ではあからさまな腐敗のような理不尽さはまず表に経つことはない反面、社会矛盾に対して毅然と立ち上がるようなパワーも衰弱しているように思います。実話ベースなのにあまりにもフィクションめいた話に感じるのは、よくもわるくもそういう生のパワーの振幅が少ない社会に住んでいるからかなあ、と思ったりしました。
***

アンジェリーナの演技については、表情がちょっと乏しいように思えましたが、基本化粧をぐちゃぐちゃにして理不尽さに耐え涙する、そのぐちゃぐちゃ度はなかなかよかったと思います。美しい人としては描かなかったところがよいと思います。
あとよかったと思うのは、あのまがまがしい荒野にある牧場です。あれはもはや西部劇とホラー映画の領域に属しますね。
人の気配のないぼろ小屋。刑事が納屋の扉をそっと開けると、いかにも惨劇を暗示するような暗黒と、そこから不意に飛び出す鶏。ふとふりかえるとひっそりと少年が立っている。慌てて小屋の中に隠れる少年。それを追う刑事のまえには、暗い室内にカラカラ回るぼろいファン。
こういうシークエンスをどうやって撮るのだろう。あらかじめ設計しているのか、現場の直感でいくのか、あとの編集で拾い物だ!と思うのか。。
惨劇の犯人である若者も、じつに気持ちの悪い人間で、なんとなくイーストウッドが好みそうなタイプの人物像だ(笑)最初に刑事とすれ違うシーンは、観客にもまだこいつは誰だ?という段階なんだけれど、その時点ですごく薄気味悪い。こいつはどうストーリーに絡んでくるのか??という、いや〜な期待をしてしまう。
ヤツが姉の家を訪ねた時の振る舞いも、逮捕された時の記者との受け答えも、法廷での発言も、刑執行前の面会の様子も、どれもこれも気色悪〜
あの俳優はなんなんだ?すごいやつかもしれん。
あとは、あ、そうそう。事件から5年後になってちょっとした展開が最後にあるんだけど、それはたまたま1934年にアカデミー賞で「或る夜の出来事」が作品賞を受賞する夜のこと。ここでクリスティンは、「『クレオパトラ』が本命だなんていうけど絶対『或る夜の出来事』が獲るわ」といって賭けまでする。
期せずして、彼女に「映画を見る目」があることを披露するところは、重いストーリーのなかでもちょっと微笑ましいシーンだ。
そして、非常に贅沢なエンドクレジットで映画は終わるが、そのクレジットの背景となる30年代ロスの風景の真ん中には、『或る夜の出来事』を上映している劇場がすえられている。これもご愛嬌。というか、『或る夜の出来事』をもしかしたら観る必要があるかもしれん、とさえ思わせるじゃないですか。
エンドクレジットのバックの風景は、遠近法をフルに生かした奥行きのある30年代ロスの市街地を、かなり長い間人やクルマが行き交う長尺なカットだ。
あれはどうやって撮ったんだろう??スタジオではあの奥行きは出せないし、どこかにオープンセットをつくってやったとしたら、それはそれでものすごいことだし、う〜むむ、どこかでだれか聞いてないかなあ監督に・・・
エンドタイトルのバックにあの贅沢は、さすが巨匠?といえましょうか??
TOHOシネマズ日劇?だったかな?で鑑賞。
土曜日でしたがかなり混んでました。
終わって外に出ると、次の回のチケットはもう売り切れていました。
そいから、むか〜し『チェンジリング』というホラー映画がありましたなあ
タイトルしか知りませんが・・どうもそのイメージが・・
人気blogランキングへ↑なにとぞぼちっとオネガイします。















信じたくないものが目の前で現れるあの恐怖。
身の毛がよだつとはまさにこのことだと思いましたよ。
コメントありがとうございます!
あの牧場は見事でしたね
ただちょっと白骨化は早すぎないかな?
あ、そうでもないのか、殺害から何年かすぎていたっけ・・
しかしあの刑事さんがまじめに取り合ってくれてよかったですよね〜
またお越し下さい〜
私もあの俳優には注目しています。
>30年代ロスの風景の真ん中には、『或る夜の出来事』を上映している劇場がすえられている
そうでしたかっ。これはマニアックなご愛嬌ですね。
私もTOHOシネマズ日劇で、公開初日の午後観ました。平日の昼間でしたが、とてもすいていてこんなによい映画なのに・・・と思っていましたが、休日は満員盛況なんですね。やっぱり。
こんばんは〜
あの薄気味悪い俳優さん(笑)は調べてみましたが他にめぼしい出演作はいまのところなく、よく見つけてきたなという感じです。
ワタシは初日の翌日土曜日に観たわけですが、席は30分前に行ってもすでにかなり前のほうしか空いてませんでした。前のほうは好きなんでいいんですけどね^^
またお越し下さい〜
アンジーは、泣いてばっかりなのに湿っぽい印象はなかったですね。
強く凛とした女性に描かれていて、演出の妙を感じました。
私も『或る夜の出来事』は知らない映画なので、観てみたいなと思いました。
『グラン・トリノ』も楽しみです!
ではでは、また来ますね〜。
いえいえとんでもない。
『或る夜の出来事』はだんだんワタシのなかでは必見になってきております(笑)
『グラン・トリノ』は俳優としての引退作になるということらしいので、いや〜感慨深いですねえ・・・
またお越し下さい〜〜
お返しTB&コメントありがとうございました。
長い映画でしたが、一瞬たりとも集中が途切れることなく
観入ってしまいました。(ドライアイ悪化^^;)
流石の演出ですね〜 監督イーストウッド!!
アンジーをはじめ、脇の俳優陣も素晴らしかった!
特にあの犯人がインパクト大でしたね。気色悪〜
子役君達も上手かったなぁ。。。
「小さな惑星」の5曲聴かせていただきました♪
朝から心地良い、おと・ことば・うたをありがとうございます^^
こんにちは
コメントありがとうございます^^
ドライアイ悪化ですか〜すごい集中力ですね
ワタシは白状すると前半ちょっとウトウトしちゃいました^^;
犯人君はなんというか、近寄ると汗とか飛んできそうな感じですよね気色悪〜くて最高。
son*imaも聴いてくださったんですね、ありがとうございます。よかったらCDクオリティでも聴いてやってください。アマゾンで買えます(多分)(笑)
ではまたお越し下さい〜
いやはや、巨匠の風格が感じられましたよねぇ。
アンジーでさえ、クラシカルな佇まい。
イーストウッドはイーストウッドのやり方で、ムラカミハルキはムラカミハルキのやり方で。
いらっしゃいませ〜^^
『或る夜の出来事』をネタに使っても違和感のない作家になってきたという感じでしょうか、なんていうと、若造が何を言うか、ってクリントさんに一蹴されそうですが。。
ハルキに比べるとイーストウッドは直球ど真ん中で勝負ですね。
子供を想う母の心情をアンジーは
見事に再現していました。
最近のクリント・イーストウッドの作品は
重厚なテーマが続いていて、今回も
作品にどっぷり浸かってしまいました。
今度、訪れた際には、
【評価ポイント】〜と
ブログの記事の最後に、☆5つがあり
クリックすることで5段階評価ができます。
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