Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「クリーピー 偽りの隣人」黒沢清

2017-06-10 19:02:57 | cinema
クリーピー 偽りの隣人[Blu-ray]
クリエーター情報なし
松竹


録画していたのを観ました。

香川照之のやばい人オーラに押され気味であるが、
主人公的な西島さん演じる高倉も、2回も「面白い」とか言っちゃうし、
趣味でやってますとかいうし、若干のサイコパス風味アリ。
奥様も明るいふるまいの奥に闇をため込んでいっているようであるし、
隣の田中さん?の他者を極端に拒絶する振る舞いといい、
記憶と証言がとにかく怪しい日野市の少女といい、
出てくる人みんなが怪しい感じの作りは好み。

そういう怪しさに加え、随所に場の個性をじっくり映像に刻み込むやり方も素晴らしい。

西野の家の玄関手前に謎の増築部分と工事の囲いみたいのがある殺伐とした状況とか、
増築部分入口にビニールシートが下がっていていつも風に揺られているとか。

高倉の妻が西野の家の玄関に踏み入れた時に、わずかにカメラを引くことで、
妻が感じた禍々しさを表現するあたりはさすが。

日野市の「現場」の空家感や配置のヤバイ感じや、
終盤の廃墟風の元ドライブイン風の建物といい、よくロケハンしたなー。

日野市の現場に感じとるヤバさを、高倉が次第に自家の周辺に適用していくのも、
怖さのひとつの軸。

冒頭の警察署の廊下から始まって、西野の家の廊下の暗い感じもこだわりあり。

大学の風景ではむやみにオープンな作りのキャンパスに、
背景に常に過剰に学生たちが集うのが映るのも面白い。


ストーリー的には、西野の怪しさが暴露されていく一方で、
高倉の妻のようにサイコパスワールドに引き込まれていく人々のあり方が怖い。
このまま西野の勝利で終わっても少しもおかしくない。
取り返しのつかない世界に目覚めてしまった自分の
不穏な立ち位置を思う妻の絶叫で幕を閉じるのが素晴らしい。


16号をひたすら北上するワゴン車のこの世のものとは思えない情景は、
もう手を叩くほかなし。


@自宅録画鑑賞

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