IZZY’Sオデッセイ!

ロックギタリスト、ライター、レストラン・オーナーetc様々な顔を持つジャーニーマンIZZYのロックな日々を。

伝説のレスポールの話を

2017-06-19 01:52:27 | ROCK



ジョンメイオールWithエリッククラプトンのアルバムに関して、ちょっと前にある雑誌に投稿したそのアルバムと伝説のレスポールの話を。

彼は俺たちに最高の″おもちゃ″をくれたのさ、キースリチャードの言葉だ。
おもちゃとは、E・クラプトンやJ・ペイジ、J・ベック、Eヴァン・ヘイレン… 名だたるミュージシャンたちに愛用され、今やエレキ・ギターの代名詞となった「レス・ポール」のことだ。レス・ポールはギターの名前と思っている人が多いようだが、実在する人物である。そしてその彼とは、5度のグラミー賞に輝き今なお毎週NYのクラブでプレイする93歳のギタリスト″LES PAUL″のことである。
1952年ギブソン社との共同開発で生まれたこのギターに彼の名前が付けられた理由は、売れなかった時にギブソン側が責任転嫁をするためだったとか。誰一人、このギターがここまでになるとは想像しえなかったわけだ。そのレスポールモデルがその名を最も知らしめたのは、現在数千万で取引されているという1958-1960年に生産された1400本のビンテージレスポールの存在である。当時は不評のため、1960年で生産中止となっている。不評なギターがなぜ?理由は、当時の音楽においては音が太く重い、また高品質なゆえに高価だったことらしい。しかし、この不評な理由がロックギターの歴史を変えることになる。1965年、E・クラプトンがマーシャルアンプ1962/45Wにプラグインしフルアップで鳴らしたその瞬間に。
アルバム「ジョンメイオールWITHエリック・クラプトン」で聴けるそのギター・トーンこそ、今では当たり前のように使われているオーヴァードライブサウンドの極致なのだ。偶然かどうかはさだかでないが、ECはアンプが壊れることを覚悟しながらもギターと共にヴォリュームを全開にし、その時得られた″音″を素晴らしいと感じたわけである。多くのギタリストが、クリーンな音を好んでいた時代に。材、PU、フュニッシュなど今まで不評だったすべての理由が好転し、逆にかつて聞いたことのない新しいトーンを生み出す結果となる。また、安い塗料で仕上げられたボディは経年変化により色褪せし、その下からトレードマークとなった見事なトラ目が浮き出すなど、こんなマジックもどきの変化までが、コレクターの垂涎の的となった。生産中止から、なんと5年後の話である。まさに、このギターの数奇の運命とも言えよう。
そのトーンは本当に素晴らしく、ふくよかで温かくしかも耳障りではない独特のものだ。これは、一般的なレスポールモデルにも言える特徴ではあるが、ビンテージといわれる本物が持つトーンには到底かなわない。なぜなら、経年変化による材の乾燥、ピックアップなどの磁力の劣化など様々な要因が関係しており、つまりは″時間″を超越することはできないからである。
クリーム時代のEC,ジミーペイジ、第一期ジェフベックグループのBECK,ポールコゾフ/FREE、オールマンブラザース、ピーターグリーン、マイク・ブルームフイールドETC・・レス・ポールに魅せられたギタリストは数限りない。そして、今なお若手ギタリスト達にも愛用され続けている理由は、いったいどこにあるのか。おそらく、作った本人もまた愛用したギタリスト達も本当のところはわからないと思う。好きな点はいくつか挙げられてもそれがすべてではないし、単純に誰が使っていたからということからかもしれない。ECは、自分の憧れフレディーKINGが使っていた56年型ゴールトップ・レスポールと同型のギターを買いに行ったがなく、仕方なしに58~60年型1400本の内の一本をロンドンの楽器屋で買ったらしい。もし、その時手にしなければレス・ポール伝説はなかったかもしれないし、ロックギターの歴史も変わっていたかもしれない。
すべてが偶然のようで偶然でないでないところに、このレスポールモデルの運命めいたものを感じる。その歴史から作りに至るまで、知れば知るほどミステリー。一本一本が、まるで人間のように個性的。レス・ポール談義がつきることはないだろう、あたかも、女性のごときギターである。
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