ブログを書き始めて4年以上が経ちました(来年の4月で5年です)
その間に書き留めた記事の数は・・・いくつくらいでしょう?
数える時間が無いのですが、結構なものになると思います。
この特集をするにあたって過去記事を読み返しておりますが、
全部読むにはまだまだ時間がかかりそうです。
なんでしょうか。
その記事を書いた時の状況だとか時代背景だとかが思い出され、
懐かしいようでもあり、誤字脱字を発見して恥ずかしくもあり、
せっかく載せるのだからちょっと手直ししながら書いてみよう!
という気持ちになりました。
内容を変えるつもりはありませんが、
表現方法に多少手を加えてみようかと思います。
最初にブログを書き始めたのは「早大卒の異色のペンキ屋奮闘日記」でした。
当時は回顧録や旅行記を含めてどことなく「エッセイ」のような趣で、
私としては「等身大の自分」を描きつつ、いつか大成功を収めるような
それこそ「サクセスストーリーの記録」にするつもりだったのです。
これは冗談ではなく、本気の本気でした。
「5年後の自分はきっと成功しているはず!」
そんな根拠の無い自信があったのであります。
今思い返せば顔から火が出そうなほど恥ずかしいのですが、
事実ですから仕方がありません。
志を持って走りだした頃の私の旅行記をまずはご覧下さい。
「夕暮れ時の四万十川」 全4回の四国旅行記の最終話
文学の余香を残しながら貧乏旅行は続く。
次に訪れたのは四万十川。
最後の清流と言われるあの美しい川だ。
川沿いにあるうら寂しい無人駅に野宿したと言う事実以外、
駅名も町の名前も今はもう思い出せない。
その無人駅に着いたのは夕方近くだった事と思う。
夕暮れ時の寂しい川沿いを弟達とぶらぶらと歩いたのだ。
水は清く澄んでいて、
心に溜まった泥を全て運び去ってしまうような
そんな美しい川であった。
一日の仕事を終えた太陽が西の空に沈みつつあるその時、
川面はオレンジ色に染まり、
私の心までがその夕日の色に染められていくようであった。
しみじみとした気持のまま足を進めていく私の目に
まるで絵画から飛び出したような光景が映った。
朱に染まる川面めがけて
静かに黙々と釣り竿をふる親子がいたのだ。
時々お父さんが子供に語りかけながら、
一心不乱に魚釣りをしている。
誰とはなしに地面に腰を下ろすと、
じっとその様子を見つめた。
「ぽちゃんっ ぽちゃんっ」
親子が投げる釣り糸が水を打つ鈍い音である。
「あっ、ほれ!」とか
そんな掛け声のようなものは
ひょっとしたら聞こえていたかもしれない。
徐々に迫る夕闇の中で
その二人の姿はぼ〜っと温かく浮かんでいた。
いつまでも続く親子の様子に見切りをつけ
私はふと空を見上げた。
すっかり日は落ち、気づかないうちに、
夜空には数え切れないほどの星が出ていたのだ。
その場に寝っころがって空を眺めると、
東京では見た事もないような星影が
いつしか私達を包んでいた。
今でも弟達はその時の光景を懐かしそうに語る。
よほど印象的だったの違いない。
それこそ星のように目を輝かせて、
「兄貴、あれはすごかったな!」そう言うのだ。
流れ星など物語の中だけの話だと思っていた彼らが、
興奮気味に
「ほらあそこ見ろよ」
「どこだよ」
「ほら、あそこ・・あそこに消えた・・」
そんな会話をしていたのだ。
私は心のうちで少し笑いながら
黙って空を見ていた。
何も語らずにただひたすら空を見ていた。
もうあれ以来何年天の川を見ていないのだろうか?
その夜は無人駅の駅舎近くで寝袋にくるまり、
疲れた体を横たえた。
電灯の周りにはおぞましいほどの羽虫が飛び交い、
「ここには飛んでこない」そう自分に言い聞かせて、
それでも、寝袋のチャックだけはしっかりと閉じて、
朝までぐっすりと眠った。
目覚めた私が何とはなしに目を向けると
弟の背中が大変な事になっていた。
白いTシャツを着ていたはずなのに何故かまっくろ・・
「なんだ?どうしたんだ?」そう思って
訝しげに、そしてまじまじと眺める。
と、それがおぞましい光景である事に気づいたのだ。
昨日無数に飛んでいた羽虫。
それらが弟の周辺に降り立ち
寝返りを打つ度につぶしていったのだろう。
そして弟のTシャツは真っ黒に染まった・・・
私やもう一人の弟は
寝袋の中にいたから大丈夫だったが、
その弟だけは外で眠ってしまっていたから
思いもかけず、ひどい目にあってしまったのだ。
その話も時々話題になる。
本人はおぞましさにぞっとなり、
私達は彼を笑いものにし、
少々気色は悪いが、それでも美味なる酒のつまみとして。
若かりし私のへんてこりんな旅行記。
おわり
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その間に書き留めた記事の数は・・・いくつくらいでしょう?
数える時間が無いのですが、結構なものになると思います。
この特集をするにあたって過去記事を読み返しておりますが、
全部読むにはまだまだ時間がかかりそうです。
なんでしょうか。
その記事を書いた時の状況だとか時代背景だとかが思い出され、
懐かしいようでもあり、誤字脱字を発見して恥ずかしくもあり、
せっかく載せるのだからちょっと手直ししながら書いてみよう!
という気持ちになりました。
内容を変えるつもりはありませんが、
表現方法に多少手を加えてみようかと思います。
最初にブログを書き始めたのは「早大卒の異色のペンキ屋奮闘日記」でした。
当時は回顧録や旅行記を含めてどことなく「エッセイ」のような趣で、
私としては「等身大の自分」を描きつつ、いつか大成功を収めるような
それこそ「サクセスストーリーの記録」にするつもりだったのです。
これは冗談ではなく、本気の本気でした。
「5年後の自分はきっと成功しているはず!」
そんな根拠の無い自信があったのであります。
今思い返せば顔から火が出そうなほど恥ずかしいのですが、
事実ですから仕方がありません。
志を持って走りだした頃の私の旅行記をまずはご覧下さい。
「夕暮れ時の四万十川」 全4回の四国旅行記の最終話
文学の余香を残しながら貧乏旅行は続く。
次に訪れたのは四万十川。
最後の清流と言われるあの美しい川だ。
川沿いにあるうら寂しい無人駅に野宿したと言う事実以外、
駅名も町の名前も今はもう思い出せない。
その無人駅に着いたのは夕方近くだった事と思う。
夕暮れ時の寂しい川沿いを弟達とぶらぶらと歩いたのだ。
水は清く澄んでいて、
心に溜まった泥を全て運び去ってしまうような
そんな美しい川であった。
一日の仕事を終えた太陽が西の空に沈みつつあるその時、
川面はオレンジ色に染まり、
私の心までがその夕日の色に染められていくようであった。
しみじみとした気持のまま足を進めていく私の目に
まるで絵画から飛び出したような光景が映った。
朱に染まる川面めがけて
静かに黙々と釣り竿をふる親子がいたのだ。
時々お父さんが子供に語りかけながら、
一心不乱に魚釣りをしている。
誰とはなしに地面に腰を下ろすと、
じっとその様子を見つめた。
「ぽちゃんっ ぽちゃんっ」
親子が投げる釣り糸が水を打つ鈍い音である。
「あっ、ほれ!」とか
そんな掛け声のようなものは
ひょっとしたら聞こえていたかもしれない。
徐々に迫る夕闇の中で
その二人の姿はぼ〜っと温かく浮かんでいた。
いつまでも続く親子の様子に見切りをつけ
私はふと空を見上げた。
すっかり日は落ち、気づかないうちに、
夜空には数え切れないほどの星が出ていたのだ。
その場に寝っころがって空を眺めると、
東京では見た事もないような星影が
いつしか私達を包んでいた。
今でも弟達はその時の光景を懐かしそうに語る。
よほど印象的だったの違いない。
それこそ星のように目を輝かせて、
「兄貴、あれはすごかったな!」そう言うのだ。
流れ星など物語の中だけの話だと思っていた彼らが、
興奮気味に
「ほらあそこ見ろよ」
「どこだよ」
「ほら、あそこ・・あそこに消えた・・」
そんな会話をしていたのだ。
私は心のうちで少し笑いながら
黙って空を見ていた。
何も語らずにただひたすら空を見ていた。
もうあれ以来何年天の川を見ていないのだろうか?
その夜は無人駅の駅舎近くで寝袋にくるまり、
疲れた体を横たえた。
電灯の周りにはおぞましいほどの羽虫が飛び交い、
「ここには飛んでこない」そう自分に言い聞かせて、
それでも、寝袋のチャックだけはしっかりと閉じて、
朝までぐっすりと眠った。
目覚めた私が何とはなしに目を向けると
弟の背中が大変な事になっていた。
白いTシャツを着ていたはずなのに何故かまっくろ・・
「なんだ?どうしたんだ?」そう思って
訝しげに、そしてまじまじと眺める。
と、それがおぞましい光景である事に気づいたのだ。
昨日無数に飛んでいた羽虫。
それらが弟の周辺に降り立ち
寝返りを打つ度につぶしていったのだろう。
そして弟のTシャツは真っ黒に染まった・・・
私やもう一人の弟は
寝袋の中にいたから大丈夫だったが、
その弟だけは外で眠ってしまっていたから
思いもかけず、ひどい目にあってしまったのだ。
その話も時々話題になる。
本人はおぞましさにぞっとなり、
私達は彼を笑いものにし、
少々気色は悪いが、それでも美味なる酒のつまみとして。
若かりし私のへんてこりんな旅行記。
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