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最近の話題から 第6回

2017年06月16日 | ブログ
加憲論

 安倍自民党総裁が5月3日の読売新聞紙上で発表した、憲法改正私案が論議を呼んでいる。その内容には憲法改正論者にも賛否両論である。憲法改正は必要だが、八方美人的対処は結局後顧の憂いとなる恐れが強い。背骨も信念も明確となっていないからである。

 憲法九条の一項と二項を残したまま自衛隊の存在を三項に規定しても、二項との矛盾を突かれれば憲法条文全体の信用性を貶めることになる。ただ、安倍総裁は二項を残すとは言ったが、そのまま残すとは言っていない。また、二項の「前項の目的を達するため」とは、一項の目的である「国際紛争解決の手段としては武力行使を放棄する」そのことに限りとの意味があり、自衛権を残す含みがあったわけで、三項にあらためて自衛隊の存在を明記しても矛盾はない。などの擁護論はある。

 さらに、擁護論には、未だ改憲反対者の多いわが国において、安倍総裁の現実的で深遠な憲法改正への布石であり、政治判断として評価するような論調もあるが、それらはかなり無理のある擁護論で、やっぱり裸の王様は誰が見ても裸なのだから、素直に裸ですと言うしかない。

 さらに教育の無償化まで憲法で条文化することを提案しているようだが、これは日本維新の会の教育無償化論に阿っているだけ。加憲は勿論公明党に阿ったもの。憲法改正が成ったとしても、その後に政権を担う者が、この高齢化社会の中で、どのように予算案を組み替えて、教育無償化を実現してゆくのか。教育の無償化など今のままの義務教育だけで十分であり、私学補助を合憲化することは良いが、無償化までを憲法で縛ることはない。

 どうもこのところの安倍首相は、中国の「一帯一路」にまで協力するような発言など、党内媚中派、親中派に阿る姿勢もあり、自身の長期政権維持への目論みが色濃いとの疑念が涌く。森友、加計問題で野党に責められ、借りを作った党内からの突き上げの未然防止かもしれないが、八方妥協が過ぎるように思う。

 トランプ政権誕生で中国はオバマ大統領の時より、大洋進出を慎重にやらざるを得なくなった。経済の面でもトランプはオバマより遥かに手強い。自国の周辺がうら涼しくなるとわが国に秋波を送るのは彼らの常套手段。裏で親中派有力者への働きかけがあるのではないか。確かに隣国と仲良くすることはいいことだ。しかし、相手は中国である。日頃わが国に対して言いたい放題の国に、こちらから歩み寄る必要はないし、「一帯一路」など全く日本には関係ない話だ。一体どのように協力するのか。

 中曽根政権は、国鉄や電信電話公社の民営化で功績を遺し、ロン・ヤス関係も結構だったし、伊豆大島の全島避難も見事だったけれど、朝鮮半島の歴史認識発言で大臣を罷免し、韓国を大いに思い上がらせた。また日本の技術が欲しいだけの中国にすり寄るなど、妥協による自身の長期政権への布石のために、その後に大いなる悪癖を残した。安倍現政権も同じ轍を踏みそうな気配だ。

 安倍一次政権発足時、小泉外交との差別化を図るためか、外遊先にまず中国を選んだが、これが短命となった大きな要因ではなかったか。まずは同盟国米国に行くべきだった。ブッシュ米国からの積極的な支援を阻んでしまったように感じたものだ。

 わが国の憲法は、その成り立ち、内容、時代環境の大きな変化などから明らかに賞味期限を大幅に過ぎている。今のままでいいというような人々は、他人やこの国はどうでもいい。自分が幸せならば。いいじゃないの。程度の認識しか持っていないように映る。悲しむべき戦後教育の末路(個人主義が徹底し、国家意識を失った)である。彼らに阿ってまでの憲法改正に意味があるのか。政治家は世論に阿るのではなく、世論を主導する責任がある。

 安倍総裁も、一強などと持ち上げられながら、長期政権となってはいるが、それは前の民主党政権がお粗末すぎた反動に過ぎない部分も大きい。失言大臣はじめ、このところテレビによく登場する大臣たちの体たらくは見ていて情けない。お友達内閣と揶揄された一次安倍政権に先祖がえりしている。

 戦前の内閣は首相も他の大臣も同格であった。そのことが陸軍、海軍をのさばらせてしまったけれど、現在の内閣の首相と他の大臣は社長と取締役の関係程度でなければならないものが、部課長程度の大臣のように見えてしまう。自由民主党に人材が居ないのか。敢えて人材を登用していないのか。

 変な憲法改正動議は、安倍政権の終わりの始まりのように感じられるのは残念なことだ。




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