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この国の風景Ⅳ第18回

2016年01月22日 | ブログ
周辺国の風景(上)

 わが国は広大なユーラシア大陸の東端に浮かぶ、西洋から見て極東と呼ばれる島国であり、日本海溝という断崖絶壁上に位置する地質学的にも極めて不安定な所にあるのだけれど、北にロシア、対岸真近に韓国、北朝鮮、中国があり、国防上も非常に危険な場所に位置すると考えられる。しかも国民は平和ボケで、マスコミや野党の無責任な言動に乗って極めて楽観的で、こちらが戦争を仕掛けない限り、平和憲法を遵守する限り、戦争は起こらないと信じているようである。すなわち日本国憲法前文「・・・日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。・・・」を信奉しているからさらにやっかいである。

 北のロシアは2014年、国際的にウクライナの領土と見なされているクリミア自治共和国などをロシア連邦の領土に加えた。国際連合やウクライナ、そして西側諸国は主権・領土の一体性やウクライナ憲法などに照らしてこれを認めず、現在、編入は国際的な承認を得られていないという。わが国も西側諸国の一員として、かつ隣の中国の領土・領海拡張政策にも通じる行動を容認するわけにゆかず、西側諸国に同調している。

 個人的には同じ柔道人であるロシアのプーチン大統領は好きな政治家の一人で、恐らく安倍首相も個人的にプーチンさんを嫌いでなく、プーチンさんも米国のオバマ大統領や中国の習近平主席より数段安倍首相に好感を持っているように視ている。もっとも国際関係が首脳同士の個人的な好悪だけで決まるものでないのは当然で、プーチン大統領が北方領土の解決を望んでいたとしても、常にロシアの国益が優先される。しかし、北方領土解決の前進はプーチン/安倍時代を逃せばさらに遠のく。

 北朝鮮は、金正恩第一書記が近々抹殺されるような話まであるようだけれど、内情は分かり難い。この国の政権が崩壊すれば、難民が韓国、中国そしてわが国にも押し寄せる懸念からその体制を、周辺国は批判しながらも繋ぎとめていたいようなところがある。

 わが国には、北朝鮮が核実験やミサイル実験をやることへの批判よりも、拉致の問題を解決したい国内圧力が強い。金正恩第一書記は恐らくわが国のことを格別嫌っているわけではなく、というより無邪気な憧れさえあるのではないかと見ている。従って北朝鮮の国民も韓国人ほど反日ではなかろうと思う。現状の関係において北朝鮮がわが国を攻撃してくる懸念は薄い。しかし、第一書記がその側近であっても簡単に処刑するような性格からして、他人の痛みに鈍いというか、家族的な愛情や恨みつらみに無頓着で、従って拉致被害者家族の痛みを十分理解できていないのではないか。そこに拉致問題解決の難しさがあるように思う。

 韓国は、朝鮮戦争の莫大な犠牲よりも、その前のわが国の植民地支配への恨みを優先させているけれど、長い朝貢と中華秩序の慣習から中国には付き従うが、日本に支配される謂われはなかったと考えるのであろう。しかし、資源も何もなかった朝鮮半島をわが国が併合しても、得た物は帝政ロシア(ソ連邦)からの脅威の緩和だけではなかったか。中国など昔の中国ではなく、現代は中国共産党の私有物に過ぎない。(続く)



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