中小企業診断士 泉台経営コンサルタント事務所 ブログ

経営のこと、政治のこと、社会のこと、趣味のこと、人生のこと

徒然なるままに第17回

2016年10月19日 | ブログ
企業経営者の傲慢

 派遣、アルバイトなど低賃金で働く不定期雇用の若者からでも容赦なく吸い上げた収益で、後継者候補というだけで株式配当を加え年額200億円以上の報酬を与えるような、情報通信会社のドン。うら若き乙女の新入社員を酷使し、パラハラ攻めで死に追いやった最大手広告代理店の経営者。いずれ彼らもどこかで手痛いしっぺ返しに遭うこととは思うけれど、どうもバブル崩壊以来、アメリカ的経営を信じたこの国の大企業トップの醜態は、目に余るように思う。

 ある成功した大企業経営者の著作を読んでいたら、巷の経営理論の本や経営書などはほとんど読まず、経営は実践から学ぶしかないとの主義、哲学が述べられていた。そして『尊敬するジャック・ウェルチ氏からなら話を聞くが、学校の先生やコンサルタントから経営の一般論を聞いても混乱するだけだ。』とあった。良いことも一杯書かれた本だったけれど、この一文は残念であった。

 確かに諸情勢は刻一刻と変化し、企業の在り様もさまざまで、一般論では対応できない。経営者は実践から得た知見で日々決断し対処するしかないし、そうやってこれまで戦い抜いて成功を収めてきたのであろう。だから経営実績のないコンサルタントなどの意見は聞くに値しない。それもひとつの見識であろうけれど、これまでの成功に胡坐を搔いた傲慢さが見え隠れする。

 中小企業の経営者の中にも同様の方はおられる。おられるというより、結構多いかも知れない。反面自分を凌駕するような高名なコンサルタントなら一目置く。それは一般人としては当然のことだろうけれど、本当に成功する人は、機会があればどのような人からでも謙虚に話を聞くものだ。それと経営本に書かれているようなことは、過去の成功例を分析し集大成したものや経営の基本となる仕組みを著したものが多い。経営に限らず優れた人々はこの基本を非常に大切にするものだ。アスリートだって、その基本動作を日々反復する。

 人間は所詮褒めてくれる人は好きだけれど、意見してくるような人は遠ざけたくなるものだ。勿論意見の仕方やその人間の人品骨柄が信用できなければ遠ざけて当然であるけれど、どうも周辺に批判勢力が居なくなることが、成功者の弱みとなる傾向にある気がする。そのことが、奢れるものは久しからずに通じる。だからかどうか、プロの経営者として名を上げた人が短期間に挫折するケースもこの頃散見される。

 本田宗一郎氏と藤沢武夫氏のようなコンビが、恐らく少し前までこの国の経営層には結構あったのではなかろうか。この国の人材が、戦後の日教組教育に侵され、1990年代に入り、ITの急速な浸透からIT先進国のアメリカに凌駕され、驚いてアメリカ流経営まで信奉する肝の小さい人材しかこの国の経営者層に居なくなった。結果傲慢な経営者がわが世の春を謳歌するけれど、そんな春は長くは続かないと思ってしまう。

 日本の古い伝統文化やアニメやゲームが外国人にも受けて、製造業のジャパンブランドや先端科学技術のなごりと相まって、ここにきて大衆は日本人としての誇りを取り戻したけれど、世界はもっと根幹的なところで大きく動いている。

 米中の覇権争いが現実化している。片やルール無しの無法の野を駆けているが、選挙民ファーストの国家は、近視眼の大衆によって衰退している。基地や原発再稼働に反対する地方の首長選挙。反対すれば当選するかもしれないからそうするわけで、国家・国民、地方の真の発展、そんなことは知ったことではないのであろう。企業経営者の傲慢さは、自分さえ良ければとの大衆の範となっているようである。




ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 徒然なるままに第16回 | トップ | 徒然なるままに第18回 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL