あるキング
伊坂 幸太郎 著 徳間書店 / 2009.8
弱小地方球団・仙醍キングスの熱烈なファンである両親のもとに生まれた山田王求。
“王が求め、王に求められる”ようにと名づけられた一人の少年は、
仙醍キングスに入団してチームを優勝に導く運命を背負い、野球選手になるべく育てられる。
期待以上に王求の才能が飛び抜けていると知った両親は、さらに異常ともいえる情熱を彼にそそぐ。
すべては「王」になるために――。人
いやぁ~~~~、伊坂さんとは思えぬただただダークな雰囲気でドンヨリなお話でした。
始まりは明るかったのに、徐々に徐々に落ちてくるんですよ。。
まるで、雨雲が広がってくるような、しかも、じわじわ~っとだったのが、気がつけばあっという間に。。
読んでいる自分の声のトーン(頭の中の)が低くなるのが分かったし、ラストは(ドクン、ドクン、ドクン...)と鼓動の音がしてきて、それも徐々にゆっくりとゆっくりとスローダウンですよ~。
なんていうか、こんな雰囲気を作れてしまうなんて、ちょっとスゴイな~と思いました。
お話的にちょっと納得できないところもありましたが、すっかり雰囲気に飲み込まれてしまったので、十分、満足です。