
病院にも部隊にも見放された田村は、フィリピン戦線のレイテ島をさまよっていた。同じように敗走している仲間と病院の前で合流するが、その病院が砲撃を受けたため、田村は一人で逃げ出した。食べるものもなく、仲間を失った田村は、草を食べて生き延びていた。そして彼は、生き別れたかつての仲間である永松と安田と再会した。二人は殺した味方の兵士を“猿”と称し、その肉を食べていたのだった。
野火 1959年/日/市川崑
何年も前に録画してあったのですが観る勇気がなかったと言いますか、普通に映画を観る気持ちで観ていいものなのか、もしも、嫌悪感を感じてしまったらどうしようとか、日本人として、今を生きさせてもらっている身のものとして観るべきだろうと何度も思ったけど、勇気が出なかったです。
毎年この時期に放送される戦争の証言等の番組を見ているうちに、戦争を知らないということが恥ずかしいことで、実際に戦ってきた方達の本物の体験談を実際のものと受け止められるようになり、今自分がこうして生きていることがどういうことなのかを自分なりに考えられるようになったこともあり、決して目を伏せずに直視できると思い、ようやく観ることができました。
やっぱり苦しかったです。思っていた以上に苦しかったです
出演者の演技とは思えない演技が余計に辛く苦しく感じられ、この人達は、この映画のためにまた苦しい思いをしたんじゃないだろうかと、そちらの方が心配に思えてきました。
思い出したくもない体験、だけど、いつまで経っても忘れることのできない体験のはずで、それをまた繰り返すというその使命感に、この映画を創り上げた監督、出演者、スタッフに感謝と労いの気持ちを持って観させて頂きました。
人肉を食べるまでの精神状態に追い込まれ、敵も味方もなくなって、唯一人間だけが持ち合わせているはずの理性を失うという状況になるまでの苦しみを味わう羽目になり、だけど、そうやってでも生き続けてくれたことに感謝するべきじゃないのかなと思いました。
戦争を始めたのは兵士たちではないんです。
でもまた実際に兵士たちが近隣諸国を苦しめたのも事実だと思います。
でも、同じく彼らも苦しんだことを66年経った今、ちょっとだけでもいいので考えてくれたらと思いました。
攻めて行ったこと、取り返しのつかないことをしてしまったこと、許してとは言えないけれど、でも、日本人も本当に苦しんだということをちょっとだけでも考えてもらえたらと思いました。
本当にもう二度と過ちは繰り返しません。
あなたたちのお陰で今こうして生きていられることに感謝しています。
食べるものも着るものも何にも困ることがなく生きていられることに感謝します。
同じ人間として、あなたたちが受けた苦しみを感じずにいられることに心から感謝します。
辛く苦しい思いをされて亡くなられた御霊の安寧を心よりお祈りしています。











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