開演のベルが鳴る。
この劇場には幕はなく、突然、劇ははじまった。私はこの劇の踊りも音楽も気に入ったが、舞台の構成がすてきだった。
中央の上方にネオンがあり、場面が変わるとエルサレム○月×日などと表示される。
また中央には上下二段(上段は舞台の奥の方だけだが)になっており、左右の両端からは下段(つまり舞台)に降りる急な坂が作られている。
この坂はゴムなどで造られているためか、決してすべらないようになっており、その坂の上でも踊りが振付けられ迫力があった。
そのこう配のさらに端の方にはドラマー、ピアニストがおり、がんがん耳に響くような音楽を奏でている。
全然予想外だったのがキリスト役の人の髪型で、パンフレットでは俗にいうキリスト風だったのが、実際にはくしゃくしゃのすずめの巣のようで、映画をいたことのなかった私は、その人が全身を真っ白な服でまとい裸足であったにもかかわらず、あの人はキリストかな、それとも他の人なのかなと考えてしまった。
配役の中で素敵だなと思ったのは悪役ユダの役の俳優で、黒人でどこかシドニーポワチエに似ていた。
他には黒人の子役の子が抜群に踊りがうまかった。
実はジーザスクライストスーパースターはつい何年かまえ劇団四季の公演で見に行った。ロンドンでこの時見たときは本当に時代の先端をいっているような感じであったが、この四季の公演はちょっと昔のものだなって感じがあった。
この時は本当にここでこの公演を見ることができてラッキーだったと思う。