ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

If His Kiss is Wicked

2008年01月18日 | F-G

Jo Goodman. 2007. If His Kiss is Wicked. Zebra Historical Romance.

あっさり図書館で手に入ったので読みました。
独特の表現力がいいけど、お話がスローです。

Story:        
Dialogue:  
Hero:        
Heroine:    
Sensuality: 

恥ずかしがりやでおとなしいEmma Hathawayは、いとこのMarisolのとんでもない頼みを引き受けてしまいます。Marisolは婚約者がいるのに、別の男性と密会の約束をしていたので、その男性にもう会えないと伝えてきてほしいと。

そして実際その場に行ったEmmaは誘拐され行方不明になり、ひどい暴行を受け肉体的にも精神的にもひどい傷を追って帰ってきます。

肉体的な傷が癒えても心の傷のせいで、外に出ることもままならないEmma。
でも、あの誘拐・暴行はMarisolか自分がターゲットだったのかもしれない、誰かに相談したほうがいいと家族に訴えても誰も相手にしてくれません。
そこでEmmaは最後の頼みの綱Restell Gardnerを訪れます。

とてもハンサムなRestellはうわべは放蕩者を装っていますが、社交界の裏舞台でスキャンダルから人を救う仕事をする、とても思いやり深く賢い紳士。
Emmaの依頼をすんなり引き受けますが、彼の興味を引いたのは事件の様相だけでなく、勇気に満ち溢れた美しい緑の目をした依頼人。ただ単におとなしいだけのお嬢様ではないよう。
心の傷のせいで苦しんでいてもユーモアと勇気で乗り切ろうとする懸命な姿のEmma
にどんどん惹かれていきます。

                 

「ミステリーに集中していてつまらない」というコメントをアマゾンで見かけたのですが、このお話の評価がいまいち伸びないのは、このミステリーに先へ先へと読ませるだけの面白みがないからだと私は思いました。
414ページもあって、いつもだったら読み終わってる頃にはまだ3分の1残ってました…。
それなのに、実は最初の3分の1までのところですでに犯人も動機も簡単に想像がついてしまいます。「あー、この筋で最後までいくのかな~」って。

でも、H/H二人の会話は最高でした。賢さがにじみ出ていて、且つ、ロマンチックなもので、久しぶりにいいものを読んだ感じもしました。

クライマックスは女子プロレスラーも真っ青。笑うところではないけど、爆笑してしまいました。

お話がスローだし300ページ前後で収めるべきだと思いましたが、H/Hの関係が良いので最後にはほんのり満足感が残り、他の作品も読んでみたくなりました。

>>
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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Raquel)
2008-01-18 21:55:34
Kさん、こんにちは。お久しぶりです。

わたしも、つい最近この本を読みましたー。
感想もほとんど同じです。でも、犯人は最後まではっきり分からなかったです。

400ページのボリュームのせいで読み終わらないのではなく、そう、展開がスローなんですよね。
これが Kleypas だったら、もっと緊迫感たっぷりで、トントーンとたたみ込むようなんだろうなぁと思ったりしましたが、こういう作風なのかな。スローでもつまらない訳じゃなく、何とも静かな筆致といいますか、新鮮な感じでした。
H/Hの会話は、ウィットに富んでいるけど仄かな感じ(←何のこっちゃ)だなーと思いました。

「他にこんな感じの作家読んだことない!」というのが読後の感想です。でも、雷に打たれるようなショックを感じるほどでもないのが残念(爆)

ヒーローの継母の息子(?)のストーリーも購入済みなので、そのうち読みますよー。
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Unknown (K)
2008-01-19 07:27:09
おはようございます!
お久しぶりです。

私は、犯人も動機も「まさか~?」と思ったものがたまたま当たったのですが、そのまま読み進むうちに確信されていくのって、ミステリーを台無しにしちゃうじゃないですか^^;

展開、スローでした。
そうそう。Kleypasだったらドキドキハラハラの部分でお話にもう少し起伏があったでしょうね。
かといって、Raquelさんがおっしゃるように、この一冊がダメだというわけじゃないんですよね。

H/Hの会話、すごく楽しめました。
シニカルであったり、知的であったり、でも言葉の節々に互いの思いががにじみ出ている…そんな感じでしたよね^^

Goodman独特の表現はかなりヒストリカルの設定を意識しているのが伺えるのですが、でもわざとらしくなくすごく気に入りました。

Restellの継母の息子は、Ferrin伯爵でしたよね?
だったら"One Forbidden Evening"ですよね。
私も興味津々!



P.S.
RaquelさんちでチェックしたDark Lover、未読の山に追加っす^^
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Unknown (Raquel)
2008-01-19 11:16:59
Kさん、こんにちは。

> 継母の息子(笑)
そう、"One Forbidden Evening"です。Restell の話の中では殆ど田舎で過ごしてるということなので、何か訳ありなのかなぁとか邪推したりして、読むのが楽しみです(爆)

> Dark Lover
すごーくホットですよ。Kさんも嵌るかしら?
はまると一気読みしたくなっちゃうんですよ。

ところで、以前 Kさんがレビューされていた "The Secret History of Pink Carnation"をオーディオブックで聞いてます。ヒロインがフランスに渡って社交界デビューしたところまで来ました。
朗読が上手いのもあって、もう夢中です!ヒロインがおきゃんな(←死語?)な感じでいいですね。今後 TSTL な行動をしないでくれよーと祈ってます。
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Unknown (K)
2008-01-19 12:48:36
One Forbedden Evening、ウィッシュリストに追加
図書館にあるので、今借りているものを読み終わったら借りてこようと思ってマス。

>Dark Lover
これとよく似た感じのDark Hunterシリーズにハマっているので、これもその可能性大…

>Pink Carnation
オーディオですか!いいですね。
今後のヒロインの行動、ハラハラしますよね。ふふふ…

Raquelさんは最近オーディオもちょくちょく聞かれてますよね。
私はG.Heyerのを今度図書館で借りてこようと思ってます。

おきゃん・・・。
多分、完全に死語だと思います。でも私ははっきりと意味がわかりますが、ナニカ?
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