ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Spotlight on Georgette Heyer

2007年03月14日 | Spotlight Authors

Georgette Heyer(1902-1974)

スポットライトしてしまったけど、レビュー記事はまだまだこれから…です。がんばります~。
気長にお付き合いして下さいマセ

さて、ヒストリカルロマンスと言えばJane Austenだと言う人はたくさんいると思うのですが、現代にあるヒストリカルロマンスというジャンルが出来たのは、どちらかというとGeorgette Heyerのおかげ。
リージェンシー時代に生きたオースティンの作品は、当時の中流階級の人たちを主人公にし貴族社会や特権階級のように振舞う中流の人たちをシニカルな視点から描写してあるのに対し、後の時代に生まれたHeyerはリージェンシー時代をよく調べ勉強した上で、オースティンが取り扱わなかったテーマも組み入れて、リージェンシー時代の色々な面を描いています。
ロマンスはもちろん、当時のファッション、男装、殺人事件、スラング、貴族社会の結婚の様子や階級などの詳しい描写もあり、まさしく現代のHRの元祖です。

病気療養をしていた弟のために書き始めたそうですが、いつのまにか作品はロマンスや推理モノも含め50冊以上。冒険いっぱい、人物描写にも優れていて、何十年も前に書かれたとは思えない新鮮なものばかり。
次はどれを読もうか楽しみです。

日本語翻訳は、ざっとググってみたけど、残念ながらないようです。近々良い翻訳家と出会えるといいなと思ってます。日本のヒストリカルロマンスファンにもゼヒ読んでいただきたいです。

そんなGH、映画化は?
"The Reluctant Widow"が1本と、"Arabella"のドイツ版が出ているようですが、なんだかワケの分かんことになってるようなので、期待はしないほうがいいようです。


今回、ここでは数ある中でもヒストリカルロマンスのタイトルだけリストアップしておきますね。(だけ、といってもたくさんあるけど!)
コメント待ってます (でもネタバレなしでね

A Civil Contact
An Infamous Army
April Lady
Arabella
Bath Tangle
Beauvallet
Black Sheep
Charity Girl
Cotillion
Cousin Kate
Devils's Cub
False Colours
Faro's Daughter
Frederica
Friday's Child
Lady of Quality
My Lord John
Pistols for Two
Powder and Patch
Regency Buck
Royal Escape
Simon and Coldheart
Sprig Muslin
Sylvester
The Black Moth (E-Textは>>
ここで読めます)
The Conqueror
The Convenient Marriage
The Corinthian
The Foundling
The Grand Sophy
The Great Roxhythe
The Masqueraders
The Nonesuch
The Quiet Gentleman
The Reluctant Widow
The Spanish Bride
The Talisman Ring
The Toll-Gate
The Unknown Ajax
These Old Shades
Venetia

すでにmonakaさんから感想をいただいている作品もいくつかあるので、レビュー記事のコメントもチェックしてみて下さいね。
私はなんかワケの分かんない返事してますけど。


monakaさんは出版された順に読んでらっしゃるそうですね。
私はアルファベット順にいこうかと思ったんですけど、やっぱり興味のあるものから読んでいきます。

あと、Heyerの発音ですが、私はカタカナで「へイヤー」とよく書いていましたが、実は違ったようです。
これもmonakaさんのコメントでいただいたリンクを参考にさせていただいたのですが、大戦中にドイツ語っぽい名前は致命的だったので、発音を「ヘイヤー」から「ヘヤー」か「ヘアー」のような発音に変えたそうです。


さてさて、みなさんの次のGHはどれでしょう。
(なんとな~く、私とmonakaさんとだけで盛り上がってるような気がしないでもないんですけど・・・? 

Arrow Booksからコレクターのために再出版されたものは表紙がきれいなので、私は集めますよ!(宣言



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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (monaka)
2007-03-14 12:35:47
kさん こんにちは

今日kさんのブログを開いてみておもわず「おおっ」って叫びましたよ。(心の中でですが)
というのも、この何日かわたしもGHのことを考えていたからなんです。
きっかけはクレイパスのDevil in…のことです。
(この作品の評価を巡ってこちらの掲示板ではかなり熱い論争が繰り広げられております。ヒロインのキャラクター(容貌を含む)の好みというのはなかなかセンシティブな問題ではありますね。)

クレイパスは、ある作品で悪役だった人物をヒーローにするのはチャレンジング云々、と語っていましたが、あれ、そんな物語最近読んだな、と思い出したのがGHです。
ある作品で、ヒロインと無理やり結婚するために誘拐する公爵がいます。(もちろんレイプも辞せず。危ういところでヒーローに救出されますが。)
次の作品で彼はヒーローとなりピュアな女性の愛に魂を救われるのです。
そしてこの公爵のあだ名がDevilなんです。
クレイパスのヒーローのほうは、結局のところ、悪魔なんかじゃなかったというのが落ちなんですが、GHのほうは本当に悪魔です。こういう貴族はいたんだろうなと思わせます。その魂を救うのだから容易なことでは有りません。そこに感動が生まれます。

この作品が何かというとThese Old Shadesなんです。
前作にあたるものがThe Black Moth です。(登場人物の名前は違うんですが設定はほぼ同じです。ちなみにDevils's Cubは公爵の息子が主人公で一応三部作としても読むことが出来ます。)

ついでにいうとGHにも吃音のヒロインが出てくる作品があって(The Convenient Marriage)クレイパスのヒロインのほうが次第に吃音が直ってくるのとは違って(翻訳では申し訳程度にしかその表現はでてきません。)最後まで吃音のままですが、最高に魅力的なヒロインです。

クレパスは13歳からバーバラ・カートランドを愛読していたそうで、GHを読んでいるかどうかはわかりませんが、今回色々考えて改めてGHの素晴らしさを感じました。

>Arrow Booksからコレクターのために再出版されたものは

わたしもこれを集めています!!
年代の古い順から読んでいます。
リージェンシーものだけじゃなく、初期の冒険ものも紅はこべなどを好きな日本の翻訳小説ファンにもきっと楽しんでもらえるものと思います。
こちらは古典小説の新訳ブーム(らしい)ので是非GHも翻訳してもらって大勢の人たちと楽しみを分かち合いたいものです。
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Unknown (K)
2007-03-14 13:50:18
ふふふ・・・。来られると思ってましたよ、monakaさん。
(いつもありがとうございます

These Old Shadesはまだ読んでないんです~。
monakaさん、もうかなり読まれましたねー^^
追いつかないヮ。
The Black MothとDevils's cub、そんなつながりがあったなんて気づいてませんでした・・・^^; あはは。

それに、GHの作品とDevil's winterはそんな共通点があったんですね。
きっとクレイパスもGHを読んだんですよ!^^
みんな結構過去のものを真似してるのが、現代のHRじゃないですか。

私はこのクレイパスの4部作、Devil'sしか読んでないんですけど、ヒーローが悪役だったのはお話からとホームページかなんかで知りました。前のお話は知らなくても、上手く親しみやすいヒーローに仕上げたなというのは分かりました。

クレイパス、(私はしばらくは読まないつもりだけど)いいお話ばかりだと思っているので、翻訳読者の方も楽しまれたようで嬉しいです。

吃音といえば、確かJulia Quinnの"The Duke and I"のヒーローがひどい吃音じゃなかったかな。

あんまりない設定だけど、あるといえばあるんですよね。

今は吃音はスピーチセラピーで治せるし、子供がからかうことはあっても差別なんてあんまりないですよね。でも昔の吃音の人のトラウマはひどかったでしょうね。


古典小説の新訳ブーム、いいんじゃないですか!
GH作品、是非翻訳して欲しいですよね。



P.S.
お互いArrow Booksの収集がんばりましょーね・・・。(私はお金が…でもガンバル・・・)
返信する
Unknown (monaka)
2007-03-15 21:53:52
> ふふふ・・・。来られると思ってましたよ

ははは、読まれてましたね。

>The Black MothとDevils's cub、そんなつながりが…

これは私の発見じゃなくてこちらのサイトで教えてもらいました。
 http://chinet.com/~laura/html/eugenia.html
でも、The Black Mothは本当に興味深い作品で、敵役が完全に主役を食っています。GHがわずか19歳でこの陰影深い人物を創造したのかと思うと、その才能恐るべしという気がします。

>Emma
小説を読んだ時には、それほどとも思わなかったし、映画ではグウィネス・パルトロウの可愛らしさにばかり目を奪われていたのですが、BBCのDVDでは彼女が徹底的に嫌な女に描かれていましたね。
ファンであればあるほど、続編へのハードルは高くなるものですが、その作家の本をもっと読みたいという思いもまた強くなるんですよね。
わたしの好きな漱石もディケンズも未完の小説があるんですが、そのことを思うとおなかの中がよじれるような感じがしますよ。

>Miss. Potter
コルデコットとともに大好きな絵本作家なので、私も映画を楽しみにしています。
ジュディ・テイラーの伝記を持っていますが、あれ以来また研究も進んでいることでしょうね。暗号で日記を書いていたんですよね。

>Antipode
ディケンズの「デイヴィッド・コパフィールド」と「大いなる遺産」では、オーストラリア移民と流刑が大きなモチーフになっているので、このトピックはとても参考になりました。

>お金が…
最近サミュエル・ピープスの日記にはまってしまいました。(彼も暗号で日記を書いていました。)
邦訳で10巻、しかも高い。でもこの手の本はすぐ絶版になってしまうので悩ましいんです。

最近ブログがますます充実してきましたね。
お忙しいでしょうに、すごいです。

最後になりましたが週末のパーティ、ぜひ楽しんでらしてくださいね!!
返信する
Unknown (K)
2007-03-16 06:54:39
おはようございます。

GHのリンク、ありがとうございます
オーナーの方、マ、マニアックですね。
研究されてるのかな。

他の記事へのコメントもありがとうございます。
毎回記事アップした次の日に閲覧者数をチェックするのが楽しみです。

>Emma
そうですね。Austenだけじゃなくて、人気作家のお話の"続編"ものはファンの満足のいくものを書くのはかなり難しいでしょうね。
だからハリポタも、下手に続編を出されても嫌なので、最終回でハリーが死んでしまうんじゃないかって疑惑が出てるんですよね。

でも、なぜか私は、いい"続編"に出会いたいという気持ちがあるので、このまま色々読んで行きますよ

>Miss Potter
私は上映期間を逃してしまったので、DVD待ちです…。きっと映像はきれいでたくさんかわいいピーターラビットが出てくると思うので、本当は大画面で見たかったけど、最近はDVDが出るのが早いので、ついつい、「ま、いっか」となって。
また見たら、お互いに感想を報告しあいましょーね

そうそう、暗号日記ですね。一度オリジナルを見てみたいです。(読めないでしょうけど^^;)

映画のおかげで今こちらはピーターラビットブームなので、本屋さんはBedtime Story集やら、Miss Potter's Journal(だったかな?)など色々見て楽し読んで楽し、みたいな本がたくさん出てます。
ピーターラビットのお話のうちの一つで、オリジナルの復刻版が安く手に入ったので、お友達の誕生日プレゼントにあげました。
(私が欲しかったヮ。あはは)

あと、「大いなる遺産」"Great Expectations"、私も大好きです。


monakaさん、いつも本当に丁寧にコメントくださってありがとうございます

私は今期は授業時間がたくさんあって時間的制限があるので忙しい忙しいなんて言ってるけど、準備は楽なので、これからまた生活のリズムを見つけてなるべくたくさん更新していきますね。お付き合い下さいマセ~

P.S.
Yes!今夜はカクテルパーティー
行ってきます!
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