ヒストリカルロマンスアワー

Historical Romance Hour

Deceived

2007年11月30日 | C
Nicola Cornick. 2006; 2007 Deceived. Quills Harlequin Books S.A..

Story:        
Dialogue:   
Hero:         
Heroine:      
Sensuality:  

Princess Isabella Di Cassilisは、亡くなった夫の借金のせいで自分が監獄送りになる寸前。幸せでなかった結婚が終わったと思ったら、この借金地獄。これから少しでもいい暮らしをするためにもIsabellaは究極の最終手段に出ます。
すでに借金地獄でフリート監獄に入れられている男性と結婚するのです。そうすれば妻の所有財産(借金を含む)は夫のものとなり、Isabellaは借金から解放されます。すでに借金まみれの夫からは何も取れるものはないし、すでに監獄にいるので、新しい夫にもこれといって何も影響は出ません。

しかし、いざ結婚してくれそうなJohn Ellisという男性と対面すると、Isabellaは愕然。
Isabellaが過去に婚約して結婚寸前までいったMarcus Stockhaven、Stockbridge伯爵だったのです。
なんと12年前Isabellaは、文字通り、Marcusを結婚式当日に教会の祭壇に置き去りにしたまま、外国の王子と結婚していたのです。

                                     

以前読んだ"True Colours"というお話とよく筋が似ています。

昔婚約していたけど、ヒロインのほうがやむをえない状況で別の人と結婚してしまうんです。
お互い愛し合っていただけに、詳しい理由を知らされないままのヒーローは「裏切られた」とひどく傷つきます。
ヒロインのほうは、家族のためにしたことなのに、本当に愛する人からはひどく誤解されたままだし、本当の理由を聞き出そうとさえしないヒーローに対し、「それだけの気持ちだったのか」とひどく落胆。結婚生活も不幸のどん底。人生そのものにうっすらとあきらめさえ感じています。

そしてこれから少しでも幸せに生きていこうと思っている矢先、二人は再会します。
昔の互いに対する思いが蘇りますが、裏切られた思い出のほうが強く、「二人とも若かった」とか「もう二度と裏切られたくない」という気持ちが先行してしまいます。

でもヒーローのほうが、ヒロインの不幸な過去を少しずつ知り始め、そして昔の面影を見る度に、「あの時本当は何があったんだろう」と思い始めるのです。


と、二つのお話が似すぎているので、どちらか先に読んだほうに感動して、もう一つのほうにはあまりめずらしさは感じません。
でも少なくとも、どちらか一冊は読む価値アリ!
なんと言っても、Cornickの時代背景描写は優れています。それに、H/Hの心情や人生の様子、そしてこのフリート監獄での結婚など、彼女の奇抜なアイデアはなかなか他のHQ作家には見られません。


私は"True Colours"のほうを先に読んだのでそちらのほうがよく見えるのですが、"Deceived"を先に読んでいたらこちらを薦めているかも。


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