Elizabeth Thornton. 1998. You Only Love Twice. Bantam Books.
ヒストリカルロマンスでサスペンスも欲しいなら、これ
最近「恋の罠に落ちた伯爵」で日本語翻訳デビューしたソーントン。他の作品はこちらからどうぞ>>Spotlight on Elizabeth Thornton。
Story:
Dialogue:
Hero:
Heroine:
とあるロンドンの修道院で記憶喪失のJessica Haywardは3年間自分が何者かわからぬまま敬虔な修練女として奉仕していました。が、ある日ひょんなことから自分の身元が分かり、田舎へ帰ります。
そこで待っていたのは、暖かい家族や友人どころではなく、冷たい態度の村人達。さらに、ハンサムなDundas伯爵、Lucas Wildeからは非情な態度で出て行けとまで迫られます。
ですがJessは、自分の過去を知るためだけではなく、自分の父親が殺害されたかもしれないということが分かると、何としてでも村にとどまると決心します。
それにJessには、他人の心が読めるという不思議な力があり、村に戻ってきた理由のもう一つの理由は、殺人犯が次の殺害を計画している暗い思いが伝わってくるからなのです。
このJessの他人の心が読めるという力、あらすじがほのめかすほど役に立つ力ではありませんでした。
Lucasが最初にJessをひどく扱ったり冷たいことを言ったりするのが、最後のほうで明かされるLucasの本当の気持ちとなんだかつじつまが合わなかったようにも思うのですが、H/H二人の間に「昔何かあった」のに、ヒーローは何も話してくれず、読者にもヒロインにも何がうまくいかないのかわからないもどかしさと、今回はなかなか緊張感のあるサスペンスとで、勢いに乗って読み進むことができました。
ただ、Thorntonの書くサスペンスってどれも犯人がすぐ分かってしまうんだけど…。
これといって思い出に残るお話ではないけど、エンタメにはピッタリの一冊です。
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