ローガン・ラッキー

評価：★★★★☆【４．５点】



予告編からすでにトラップは仕掛けられていた。

◇

運に見放されたローガン家の長男ジミー。
妻には逃げられ、仕事も失い、追い詰められた彼は
ある大胆不敵な強盗計画に最後の望みを託す。
それは全米最大のモーター・スポーツ・イベント
NASCARのレース中に、地下の金庫に集められた
莫大な売上金を盗み出すというもの。
しかしそれを成功させるためには、弟クライドと妹メリーのほかに、
どうしても爆破のプロ、ジョー・バングの協力が必要だった。
そこで現在服役中のジョーを脱獄させ、強盗終了後に
再び刑務所に戻すという前代未聞の作戦が決行されるのだったが…。
＜allcinema＞

◇

服役中のジョー・バンクに初めて面会するローガン兄弟。
ここで一攫千金を狙った金庫破りに加わらないかと申し出るのだが
ジョー・バンクにあっさり幼稚な作戦だと一括される。

予告編で何度も観たシーンであり、観客（ワタシ）は当然ながら
勢いだけで金庫破りをし、おそらくスラップスティック的な
笑い重視のコメディだろうと勝手にイメージしていた。

下手すれば、こういう映画なら得に観なくてもいいかなみたいな
とても危険な部分をはらんでいる予告編であった。

ところが意外にもローガン兄ジミーの練った作戦は
ラストに向け想像を超える緻密なモノだったことが判明していく。
これは予告編とのギャップによる効果が絶大で
配給会社広報部の作戦の一つなのかもしれない。

そしてそこから単なる悪党兄弟と思っていたイメージが一転し
すごくいい奴らという風に変わってしまうから痛快だ。


大胆でありながら緻密なトリックを描かせたら
このスティーヴン・ソダーバーグ監督はやはり上手いわ。


【今週のツッコミ】

・今までクールな印象だったダニエル・クレイグが
　こういった悪党をどのように演じるか興味津々だった。
　今回、やたら化学に詳しい悪党を楽しく演じてる感じがいいわ＾＾

・個人的にはダース・ベーダーに憧れるカイロ・レン役が記憶に新しい
　アダム・ドライバーの今回のキャラが凄く新鮮であった。
　どこかオツムが弱そうで気の優しい大男というのが微笑ましい。

・ローガン兄弟の末っ子でビッチなライリー・キーオが可愛い！
　『マッドマックス』とはまた一味ちがった存在感である。
　女性でありながら車のメカに詳しくオートマのV8マスタングを
　ことごとくこき下ろすセリフが笑える。

・作戦実行過程で利用した人全員にお礼の一品を配り終えるスマートさ。
　紫のエルドラドのオバサンだけ忘れてないか？(笑)　

・主要な登場人物すべてに強烈な個性を持たせているから
　どのシーンを見てもまったく退屈させないし
　終盤の僅かな出演シーンしかないFBIのヒラリー・スワンクが
　これまたもの凄い存在感を醸し出している。

・できればラストシーンからの続きを是非とも見たいものだ(笑)
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監督：スティーヴン・ソダーバーグ
脚本：レベッカ・ブラント
音楽：デヴィッド・ホームズ
出演：チャニング・テイタム/アダム・ドライヴァー/ライリー・キーオ

『ローガン・ラッキー』