社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

9月8日(木)

2016年09月25日 22時42分45秒 | 2016年

  6時起床。レストランで朝食。もりもり食べる。焼き立てのオムレツが美味しい。

  朝食を終えて部屋に戻ったところで、トラブル発生。部屋の鍵のバッテリー切れで、カードキーが作動しない。仕方がないのでフロントへ戻ってその旨を伝えると、ちゃちゃっとカードを操作して、これで大丈夫だという。本当か?という不安を抱えつつ部屋へ戻ると、案の定開かない。再びフロントへ戻り、やっぱりだめだったよと伝えると、新しいカードに替えてくれて、これで絶対大丈夫とのこと。「多分電気系統の問題だと思うけど、本当に大丈夫?」と聞いてみても、大丈夫の一点張り。嫌な予感がしつつ部屋へ戻ると、やっぱり開かなかった。ここまで、フロントの往復で汗だくになっている私。そこに救世主として現れたのが、ルームメイキングのおばちゃんだった。自分のマスターカードでも開かないのを確認すると、向かいの部屋を開けてフロントに電話をさせてくれた。しかも、その電話がなかなかつながらないのを見ると、自ら受話器を取ってどこかへ電話し、結構な剣幕でまくしたて、するとその直後にメンテナンスのおじさんがやってきた。おかげで、無事にドアが開く。おばちゃん、本当にありがとう。

  水着に着替えて、海へ。ちなみに、敷地内にはプールもある。当初のプランでは海に入った後にはプールにも、と考えていたのだが、結局長時間海で過ごしたため、プールに入ることはなかった。

水上バーもある。

  ビーチに出ると人はまばらで、日除けつきのスペースも余裕で確保。さっそく、海へ入る。水は思っていた以上に温かく、遠浅なので安心して泳ぐことが出来る。泳ぎ疲れたらビーチサイドのバーで飲み物をもらってきて、休憩。このシステムだと、ずっと海にいても疲れることがない。

私は苺スムージー、妻はビール。

  昼食も、ビーチサイドで調達。調理コーナーのおじさんたちがフレンドリーで、私たちが日本から来たと言うと、「日本には東京ドームがあるよな。あそこは良いスタジアムだよ」と野球談議で盛り上がった。そして、私たちのお皿に切りたてのマンゴーをこれでもかと載せてくれた。メインのハンバーガーも肉厚で美味しいし、マンゴーは相変わらず絶品だし、海を眺めながら食べられるし、とても幸せなランチタイムになった。

私はライムスムージー、妻はモヒート。

  午後になると少し天気が悪くなり、時折雨が降ったりもしたのだが、外気温が下がっても海の中が温かいので問題はなく、水の色がエメラルドグリーンから少し濁ってクリームソーダ色になったのも綺麗だった。

  海を大満喫してから部屋へ戻ると、ベッドの上にタオルとバスローブで飾り付けがされていた。先ほどのルームメインキングのおばちゃんがやってくれたのだろう。心遣いに感謝である。

帰りにバーに寄ってジュースをもらってきた。

  2時間ほどお昼寝をしてから、夕食へ。今日はビュッフェではなく、地中海料理レストラン。このレストランも無料なのだが、事前予約が必要。今朝予約しようとした際に、最初は「今日は満席で、明日なら大丈夫です」と言われたのだが、明日はもう帰らないといけないから無理だと伝えると、無理して今日の隙間時間にねじこんでくれた。こういうフレキシブルな対応をしてくれる優しさも、とても公務員とは思えない(このホテルも国営なのだ)。

  このレストランでは、前菜とデザートはビュッフェ形式で、スープとメインを選べる形になっている。私たちはそれぞれ、「ロブスター&フィレステーキ」、「ロブスター&白身魚」を注文。まず驚かされたのは、スープである。ロブスターのスープで、甲殻類の旨みがこれでもかと詰まっており、「おぉ」と思わず声が出るほど美味しかった。もちろん、パンを使って1滴たりとも残さず味わった。ちょっと貧乏くさいか。

  メイン料理の味も素晴らしい。ロブスターは香ばしくて身はホクホクだし、ステーキも柔らかく、魚も日本で出てくるものに負けないくらい繊細な味付けがなされていた。地中海料理と謳われているが、高級フレンチを頂いているような気分になった。

  夕食を終え、ビーチへサンセットを観に行く。海と夕日の組み合わせに魅力を感じるのは日本人だけなのだろうか、最高のタイミングなのに警備員さん以外他に人がいない。雲が出ていて夕日が水平線に沈むところは見られなかったが、雲があるからこその幻想的な景色をじっくりと味わうことが出来た。寝転がってこれまでの旅行をあれこれと振り返りながら夕日を眺めるというのは、この旅行では珍しく新婚旅行っぽい貴重な時間だったように思う。

  またバーに立ち寄って飲み物を調達してから、部屋へ戻る。正直なところ、当初私は「ビーチリゾートなんてキューバっぽくないし、面白くなさそうだなー」と思っていたのだが、妻の希望通り来て良かったと思った。


9月7日(水)

2016年09月25日 20時21分30秒 | 2016年

  6時起床。身支度を整え、7時から朝食。相変わらずマンゴーが美味しすぎる。また、クラッシュアイスで作ったレモネードも美味しくて、この後色々なところで頻繁に飲むことになった。

今日はスクランブルエッグではなく、オムレツにしてくれた。

今回も、このクッキー的なパンはお持ち帰り。

  朝からお土産屋さん巡り。ファゴッティングの途中経過を見せてもらい、その細かさに驚かされる。こんなに手間を掛けている様子を見てしまうと、提示された値段で買うのも申し訳なく感じてしまう。結局、大量の手芸品を購入し、大満足で戻ってきた。

  そのまま少し街を散策。朝日を浴びながら歩くトリニダーの街は、本当に美しい。今回は2泊3日だったが、理想としては1週間くらい滞在してゆっくりとした時間を過ごしたいところだ。そんな優雅な旅行が、いつか出来るようになるだろうか。

  CASAの屋上に上り、最後の街全体を見渡す。今回泊まったこのCASAは、本当に居心地が良かった。皆さん優しくてフレンドリーだったし、朝食が美味しかった。本当のマンゴーの美味しさをここで教えてもらった。短い期間でしたが、お世話になりました。

  濱田さんとアリエルさんに迎えに来て頂き、次の目的地・バラデロへ向かう。まずは、トリニダーの郊外にあるロス・インヘニオス渓谷とマナカ・イスナガの塔へ。ロス・インヘニオス渓谷は植民地時代に大規模なサトウキビ農園だった場所で、多くの奴隷が働かされていた。その一帯はトリニダーと共に世界遺産に登録されていて、マナカ・イスナガの塔からはその景色を見渡すことが出来る。マナカ・イスナガという名前は、かつてこの地域を支配していたイスナガ一族が由来になっていて、かつてはこの塔から奴隷を監視したり、鐘をついて合図を送ったりしていたそうだ。塔に上るのはかなり怖いが、上からははるか遠くまで見渡すことができる。この景色のためなら、多少怖くても頑張って上る。

  マナカ・イスナガの近くに駅があり、ちょうど汽車が止まっていた。鉄道ファンとしては、これは嬉しい。これに乗って移動できたら最高なのだが。

  サンタクララという街に立ち寄る。ここは、チェ・ゲバラ率いる革命軍がバティスタ政権の装甲車を襲撃して武器を奪い取ることに成功し、バティスタに亡命を決意させたことで革命の実現を引き寄せた場所である。まずは、チェ・ゲバラ霊廟へ。チェ・ゲバラを始めとする革命の英雄たちのお墓が安置されている。また、チェ・ゲバラの生涯を辿ることができる展示場もある。これらの場所は写真撮影が出来ないが、驚くほど神聖な雰囲気に包まれていて、その空気感に圧倒された。

  霊廟の外には、チェ・ゲバラの像と、次なる革命の地へ向かうためにキューバを後にする際にゲバラがカストロに送った手紙の全文が石碑として置かれている。像を眺めながら、アリエルさんからチェ・ゲバラの生涯について詳しい説明を聞かせてもらい、彼のすごさを知る。そりゃあ未だに絶大な人気があるわけだ。

「常に勝利に向かって」という言葉が有名だ。

チェ・ゲバラが次の革命のためにキューバを出る際にカストロに送った手紙全文。

  昼食は、ビュッフェ形式のレストランで。ここはスイーツの種類が豊富で、珍しいものを片っ端から食べてみた。その中で最もインパクトがあったのが、カステラ的なもの。普通のカステラかと思いきや、それ全体がシロップ漬けになっていて、噛むと甘い汁が染み出してくる。さすがに甘党の私でも、この甘さはきつかった。

 

  

   

よくわからない魚(左端)が結構美味しい。

熱々のスープ。何が入っているのかよくわからないが、これも出汁がよく出ていて美味しい。

左側にあるカステラ的なものの甘さがずば抜けていた。

鳥さんにとってもビュッフェになっている。

  続いては、トレン・ブリンダード記念碑へ。1958年12月29日に、まさにこの場所で革命軍が政府軍の装甲車を襲撃した。当時の襲撃された車両がまだ残っていて、銃弾の跡なども生々しい。周辺には売店がいくつかあって、ここぞとばかりにTシャツを始めとするチェ・ゲバラのグッズが売られていた。私も、ここでTシャツを2枚購入。1枚は職場の派遣さんへのお土産(事前におねだりされていた)で、もう1枚は自分用である。

  バラデロに到着し、宿泊先のホテル「イベロスター・バラデロ」(Iberostar Varadero)にチェックイン。バラデロは、キューバ屈指のビーチリゾートで、30km近い半島のビーチに沿ってたくさんのホテルが立ち並んでいる。私たちが宿泊したのは、その半島のかなり先端のほう。先端に近づくほど海が綺麗になるといわれているこの場所では、かなり良い部類に入るホテルらしい。また、バラデロのホテルは基本的に「オールインクルーブ」という、宿泊料に滞在中の食事やドリンクの料金が含まれている制度を採用しているため、飲食費は一切掛からない。3食だけでなく、バーの飲み物も無料なのだから、かなりありがたい。ただ、敷地がかなり広いので、フロントロビーから自分たちの建物まで300メートルくらい歩かなくてはならないのが大変だった。

ロビー。

バー。奥にカウンターがあり、好きな飲み物を作ってくれる。

ショーを観ながら食事をしたりお酒が飲めるステージもある。

自分たちの部屋まで歩くのが大変。

中庭に池がある。

敷地内には、子ども向けのプールもある。

ようやく私たちの部屋がある建物に到着。

部屋からの眺め。

  少し休憩してから、ビーチへ。もう夕方なので人は少なく、風が強めで波が高い。しかし、水はやっぱり綺麗だ。エメラルドグリーンの海を見ていると、今すぐにでも入りたくなる。

  夕食は、ビュッフェ。置かれている料理の種類がとにかく多くて目移りしてばかりだったが、昼食のスイーツ三昧の後遺症であまり食欲がなく、控えめにしておいた。

バナナを甘く煮詰めたもの。これもまた甘い。

結局、甘い物は大量に食べるわけだが…。

  夕食後、妻と一緒にもう1度ビーチに行ったら、驚くほど綺麗な夕日を見ることが出来た。しかし、そういう時に限ってデジカメやスマホを部屋に置きっぱなしにしてしまい、写真は撮れず(翌日には撮れました)。


9月6日(火)

2016年09月25日 13時22分22秒 | 2016年

  6時起床。身支度を整え、7時半から朝食。テラス席で、マンゴー、パパイヤ、パイナップルのフルーツ三昧。おまけにグァバジュースも。他にも、チーズやグァバを煮詰めたジャム、パン、スクランブルエッグも出てきた。全体的にどれも美味しかったが、中でもマンゴーがとにかく美味しくて、妻と取り合いになった。日本のマンゴーとは少し異なる味で、甘酸っぱさが絶妙。宮崎産や沖縄産の高級なマンゴーも食べたことがあるが、それよりもはるかに美味しい。また、グァバを煮詰めたジャム的なものやクッキー的なパンも美味しくて、後者はこっそり持ち帰った。

マンゴー、パパイヤ、パイナップル。

手前にあるのがグァバを煮詰めたジャム的なもの。奥がチーズ。

右側にある細長いクッキー的なパンが、何となく懐かしい甘さがあって美味しい。

  朝食を終えてからは、テラスでのんびりと葉巻を吸ってみたり、屋上から景色を眺めたり。屋上にはソファも用意されていて、眺めも居心地も良い。滞在がもう1泊長ければ、日がな一日この場所でゴロゴロしていたいところだ。 

ちなみに、エアコンはPanasonic製、テレビはSony製のものが使われていた。ちょっと誇らしい。

  今日は、私がこの旅行で一番楽しみにしている、ホースライディング。馬に乗って片道約2時間を掛け、滝を目指す。出発場所に着くと、たくさんの馬たちが待機していた。待機時間が結構あったのだが、自由に馬と触れ合えるこの場所にいるだけでも十分幸せな気持ちになる。

  馬にまたがり、出発。

消防車が川に入って給水?している。

  大草原や森の中を歩き、時には川も渡る。景色がとにかく雄大で、馬の足音をBGMにしながら眺めると本当に気持ちが良い。ただ、私が乗ったお馬さんはかなりのじゃじゃ馬だった。集団の先頭にいるのが好きらしく、追い抜かれると勝手にペースを上げ、時には走り出す。それを御すのがすごく大変で、手綱を強めに引きながら「大丈夫、大丈夫」と声をかけ、首筋を撫で、とにかくなだめてなだめての繰り返し。しかし、それだけだとストレスになるだろうから、時には自由に早足もさせてあげる。そうしてコミュニケーションを取っていくと、段々と意思疎通が出来るようになってきて、手綱を軽く動かすだけで思った通りの動きをしてくれるようになった。その段々と通じていく感じがとにかく嬉しくて、どんどん自分の馬が愛らしくなっていった。

  途中のレストランで少し休憩。私たちのためというよりは、馬のための休憩だろう。さすがに2時間近く人を乗せっぱなしなのは可哀そう過ぎる。お疲れ様でした。もう少し頑張ってね。

私たちはさとうきびのジュースで休憩。冷たくてさっぱりとした甘さで、渇いたのどが一気に潤っていく。

昼食用に、羊肉を煮込んでいる。ちょっと食べさせてもらったらめちゃくちゃ美味しくて、昼食は帰りにここで食べることにした。

  休憩を終え、再び馬にまたがる。コミュニケーションも円滑になってきて、景色を楽しむ余裕もどんどん出てくる。

  目的地に到着。お馬さんたちは川沿いの木陰で休憩。私たちは、そこから少し歩いて滝を目指す。

  川の水はとても綺麗で、入るとひんやりとして気持ち良い。また、滝壺はかなり深くなっているので、滝の上から飛び込むこともできる。高所恐怖症の私も意を決してチャレンジしてみたが、背中とお尻から水面に落ち、めちゃくちゃ痛かった。また、浅瀬では魚が泳いでいるところも見え、何度も捕まえようと試みたものの、毎回あっという間に逃げられてしまった。

  再び馬にまたがり、帰途につく。帰り道は、彼の希望に出来るだけ沿うように、集団の先頭を歩くよう心掛けた。ただ、うっとうしいフランス人2人が競りかけて来たりして、イライラ。元々の歩くスピードがこちらのほうが早いので、手綱を引かないと自然と先頭に立ってしまうのだが、その度に向こうは馬を走らせて追い抜こうとしてきて、自分の馬と2人だけでまったり歩きたい私は本当にイライラし、危うく放送禁止用語を叫びそうになる。それは私だけでなくお馬さんもそうだったようで、仕舞いには向こうの馬とフランス人の足に向かってヒップアタックをして(これは私が操作したわけではない)、戦意を喪失させていた。予想とは違う形だが、人馬一体になった瞬間だった。これには、現地のトレーナーさんも密かにこちらへグッジョブ・サイン。お馬さん、やるじゃないか。

  昼食は、往路で休憩したレストランで。先ほど煮込んでいたマトン肉が出てくる。味は先ほどと同じように甘辛くて美味しく、たくさん日差しを浴びて疲れた身体に浸み込んでいくようだった。

よくわからない調味料。ちょっとピリ辛でお酢の味がした。

バナナに甘辛いタレをつけたもの。キューバのバナナは甘さ控えめなので、このタレとよく合う。

マトン料理。絶妙の甘辛煮で、お肉もジューシー。

妻はチキンを選択。

デザート。ここでも、やっぱりマンゴーが美味しすぎる。

  食事をしていると、猫や鶏が餌を求めて集まってくる。こういう姿に弱い私は、ついつい色々とあげてしまう。ただ、あげるときはきちんと平等にという風に決めているので、そのために直接手で食べさせるのだが、鶏の口ばしは結構痛かった。

満腹になったら、足元でお昼寝。

  ファッキンなフランス人を駆逐するというイベントもあったが、無事に出発地に戻ってくることが出来た。合計で4時間近く馬に跨っていたので、足や腰、特にお尻と馬体を挟んでいる内腿はバッキバキに筋肉痛になっている。しかし、一番大変だったのはもちろんお馬さんたちである。本当にありがとう。君の頑張りと強気な性格のおかげで、素晴らしい思い出が出来ました。これからも、怪我には気を付けて、集団の先頭を堂々と歩いてください。

  宿に戻ってきたのは16時前。さすがに日中ずっと外で日に当たっていたので、日焼けで体中が痛いし、とにかく疲労困憊。シャワーを浴びて全身の汗を流してから、ベッドで爆睡する。

  20時前に目を覚まし、お土産探しと夕食へ出かける。相変わらず夜は賑やかで、至る所で音楽が流れている。

  夜も開いているお土産屋さんで、トリニダー名物のファゴッティングという手法で作られた手芸品を見る。普通の布から糸を間引いて模様を作るという手法で、1つを作るのに大変な時間が掛かるものである。ここでは妻も私も、主に家族や親戚へのお土産を購入した。

  夕食は、「Pizza」「Spaghetti」というメニューに惹かれてお店を選ぶ。キューバで食べられているピザやスパゲッティがどんなものなのか気になったのだ。出て来たピザはもちもちしたフォカッチャのような生地でほんのり甘く、チーズとソーセージの塩味が効いて良いバランスになっている、比較的シンプルな味。スパゲッティは、ミートソース風のソース、というか汁がお皿の底に溜まっていて、混ぜて食べるものの、かなり薄味で塩を振って食べた。ただ、麺は古き良き昔のスパゲッティという感じで美味しい。どちらも、日本で食べるものとはかなり違う味。食べてみて良かった。

  宿へ戻り、再び爆睡。色々な意味で全身が痛い。


9月5日(月)

2016年09月24日 23時22分31秒 | 2016年

  6時起床。相変わらず時差ボケで夜はぐっすり眠れず、必要以上に早く起きてしまった。

  朝食は、ホテルのレストランで。今日は、生の演奏を聞くことが出来た。キューバは街中にも音楽が溢れているし、レストランでも定期的に演奏がある。心地よい音楽に囲まれて生活するというのは、幸せなことである。

  部屋へ戻り、洗濯物を回収。昨晩は大変だったが、おかげで今日も昨日と同じ格好で出陣することが出来る。

  ホテルの売店で葉巻を購入。キューバでも最も高級と言われる「COHIBA」の葉巻である。さっそく吸ってみたが、ついついタバコの癖で肺に入れてしまい、ゴホゴホとなる。葉巻の味わい方や美味しさは、最後まで結局わからなかった。

  ガイド兼通訳の濱田さん、運転手兼ガイドのアリエルさんがホテルへ迎えに来てくださり、トリニダーへ向けて出発する。アリエルさんも気さくなナイスガイで、説明も詳しくてわかりやすく、とても楽しいドライブになった。

  休憩で、日本でいうところのパーキングエリア的な所へ立ち寄る。トイレを出たところで現地のおじいさんに話し掛けられ、裏にある畑を案内してくれ、バナナとグァバをくれた。お金が掛かるのではと思ったが、「もう俺たちは友達だから」と笑顔で立ち去っていったおじいさん。一緒に写真を撮りたかったな。

  シエンフエゴスという街に立ち寄り、レストラン「Bahia」で昼食。こじんまりとしているがお洒落な雰囲気のお店で、出て来る料理も素晴らしかった。キューバでは定番の料理だというバナナの薄切りチップスと豆ご飯が出てきた。バナナチップスは甘みがほとんどなく、塩をかけて食べるので、軽いポテトチップスという感じ。揚げてあるのだがあっさりしているので、どんどん手が伸びる。豆ご飯は日本のお赤飯のような感じだが、日本のものよりは少し大雑把な味だろうか。メインの料理はソースまで凝っていて、文句なく美味しかった。

  シエンフエゴスの街を少し散策する。日差しが強くて暑いが、この街には快晴がよく似合う。

  夕方にトリニダーに到着。トリニダーで泊まるのは、「CASA」と呼ばれる宿泊施設。ホテルではなく、個人が家の一部を旅行者に貸し出す形式で、今日本でも話題になっている民泊のようなものである。今回私たちが泊まったのは、「CASA COLONIAL 1830」というカサで、おそらく比較的大きな規模だと思う。そういう意味では個人宅という雰囲気ではないが、スタッフの方々はとてもフレンドリーだし、建物も古くてかわいらしいデザインで、そこにいるだけで気持ちがワクワクするような場所である。

リビングルーム。お洒落な調度品がたくさんあるのだが、クーラーが効いていないので長居はしづらい。

つきあたりが私たちの部屋。

部屋の扉を開けると、すぐにベッドルーム。

その隣には、洗面所とシャワールーム。

  妻は少し休憩するというので、1人で散策に出る。トリニダーは、街全体が世界遺産に登録されている。スペインの植民地時代にサトウキビや奴隷売買の中心地となって栄えた街で、今も当時の街並みがそのまま残っている。道路は石畳、建物はカラフル、所々を馬車が走り、人々も軒先でまったりと腰掛けていたりと、良い意味で街全体が時間に置いていかれたような雰囲気に包まれている。

バスターミナル。多くの観光客がバスから降りてきて、それをCASAの営業が待ち受けている。

革命博物館。今回はタイミングが合わず、入ることが出来なかった。

やっぱり、キューバといえば野球だ。将来彼らとWBCで対戦する日が来るかもしれない。

マヨール広場。かつてはここで奴隷の売買が行われていた。

この景色は、現在の25センターボ(4分の1CUC)コインに描かれている。

  歴史博物館に入り、屋上に上って街全体を眺める。夕日に照らされるトリニダーの街は本当に神秘的で、キューバで最も印象に残っている景色である。

私たちの泊まっているCASAの屋上がよく見える。

かなり大きなトカゲに遭遇。

こちらの様子を伺っている。かわいい。

  宿に戻って少し休憩してから、濱田さんとアリエルさんと待ち合わせ、夕食へ。夜のトリニダーは、昼間とは変わって、音楽の溢れる賑やかな街になる。

ワンちゃんたちも一緒に夜遊びがしたいらしい。

  案内されたレストランは、私たち専用のテラス席が用意されていた。夜の風と街から流れてくる音楽に身を任せ、食事を頂く。かぼちゃのムース的な料理に、チャーハン的な料理、定番のバナナチップス、そしてメインはロブスター。どれも美味しくて、お腹いっぱい食べた。また、途中で私たちのためにミュージシャンが来てくださり、オリジナルの新婚の歌や愛の歌など、明るい歌やしっとりとしたバラードを聴かせてくれた。それが驚くほど上手で、妻も私も心底感動。パワフルで、繊細で、情緒的な音楽に身を委ねることの幸せをひしひしと感じることが出来た。

かぼちゃのムース。濃厚だが甘すぎず、かぼちゃ好きとしては嬉しい。

マンゴージュース。これは濃厚で、めちゃくちゃ甘い。

チャーハン的なもの。見た目ほど味は濃くない。

バナナチップス。安定感のある美味しさ。これは日本で売ったらヒットすると思う。

メインのロブスター。こんなに海老を食べるのは、後にも先にもこの旅行が最後だろう。

最高の時間。このためだけにでも、キューバに行く価値はある。

  22時前に宿へ戻り、シャワーを浴びてから就寝。そろそろ時差ボケが治ってきたのと、体力的な疲労もあって、落ちるように眠りについた。


9月4日(日)

2016年09月22日 17時21分22秒 | 2016年

  6時起床。睡眠時間は6時間に満たないが、時差ボケで朝早く目が覚めてしまう。部屋の窓を開けると、キューバ独特の空気の匂いがする。

  レストランで朝食。オムレツを焼いてもらい、朝からがっつり食べる。

  今日は1日自由観光である。さっそく、ハバナの旧市街を散策する。当たり前のように、クラシックカーが走っている。

泊まっているホテルの外観。

  歩き始めて5分もしない内に、キューバ人のカップルに話し掛けられる。日本から来たと言うと、「日本は大好きだ」「いつか日本に行きたいと思っている」、とかなりフレンドリーになり、「俺がこの辺を案内してやろう!」ということになる。前日、ガイドの濱田さんから「キューバ人は基本的に親切ですけど、向こうから積極的に話しかけて来る人にはちょっと気をつけてください」と言われていたにも関わらず、これは面白そうだなと感じ、妻の不安そうな表情に気付かない振りをして、付いていくことにする。その結果、連れて行かれたのは現地の人たちのアパートの中にある闇葉巻売場だった。これはやばいかなと思ったのだが、葉巻を買う気はないと言うと、あっさり解放。というか、その瞬間に私たちへの興味を完全に失ったようだった。「さっきまでの親切さはどこに行ったんだよ!」と思ったが、なかなか入りづらい現地の人たちの住居に入れたのは良かった。

  気を取り直して、ぶらぶらと海沿いまで歩いてみる。海(というか運河)沿いに出ると風が気持ち良いし、クラシックカーも様になっていて、キューバに来た感が増す。また、多くの馬車が休憩していて、馬たちも可愛かった。

  観光地として有名なオビスポ通りを歩き、CADECA(両替所)で現地通貨・ペソを手に入れる。ちなみに、観光ガイドなどでは日本円から直接両替することは難しいと書かれていたりもするが、少なくともハバナに関しては、日本円からの両替は普通に出来る。また、キューバの通貨制度は少し複雑で、外国人観光客が主に使う兌換ペソ(CUC。クックと呼ぶ)と、現地の方々が使う人民ペソ(CUP。ペソ・クバーノと呼ぶ)の2種類がある。通常はCUCだけあれば良いのだが、現地の人たち向けのお店にも行ってみたかったので、CUPも少し手に入れた。

  手に入れたお金を、さっそく使う。オビスポ通りのパン屋さんで、エクレアとオレンジジュースを購入。確か、2つで2.5CUC(250円)位だったと思う。エクレアの中が普通のクリームではなく、砂糖漬けのような甘々のクリームだった。私は大喜びだが、妻は甘すぎると顔をしかめていた。

  タクシーに乗って海底トンネルを通って運河を渡り、モロ要塞へ。スペイン領時代にハバナの防衛のために造られたこの要塞は、一時期イギリスに占領されたり、牢獄と使用されたりと様々な出来事を経て、現在は観光地としてだけでなく、灯台としての役目も務めている。「要塞」というだけあってかなり剛健な造りになっているし、所々に大砲が設置されている。そして、ここから眺めるハバナ旧市街の街並みは本当に素晴らしい。

モロ要塞全景(対岸の旧市街から撮影)。

  旧市街に戻り、キューバ産のチョコレートが楽しめる「ムセオ・デル・チョコラーテ」(Museo del Chocolate)で、チョコレートスムージーを飲む。チョコレートは、砂糖やコーヒー、葉巻と並ぶキューバの名産品だ。美味しいがかなり甘めで、1人で1杯飲み切るのは甘党の私でも少し辛かった。

  散策を続ける。旧市街の街は、古い建物が古いまま機能した状態で残っていて、遺跡的な美しさではなく、動的な美しさがある。歩いているだけでこれだけ心躍る街は、これまで訪れたことがない。

  大通りに出ると、また違った景色が広がっている。観光客向けのクラシックカータクシーが大人気で、道路上がカラフルだ。

旧国会議事堂。アメリカの国会議事堂をモデルとしているそうだ。

こんなバイクタクシーもある。

  繁華街のほうへ行ってみる。商店や飲食店が立ち並んでいて、現地の人々が買い物を楽しんでいる。また、公園にはたくさんの人だかりが出来ていた。キューバではインターネット環境の整備が進んでおらず、公園や大きなホテルなどの一部でのみWifiが使えるため、こういう光景を度々目にすることになる。まあ、今は「ポケモンGO」のおかげで日本でも同じような光景が見られるが。

  現地の人たち向けのレストランを見つけ、昼食をとることにする。英語もほとんど通じないので、隣のおじさんが食べていた料理を指差して注文。それに気づいたおじさんは、「これは美味しいよ」と笑顔とグーサイン。実際、出て来た料理(ステーキご飯)は、大味だが美味しかった。ただ、お会計をしようとしたら、店員のおばちゃん同士が結構な剣幕で口論をしていて、私たちはしばらく放置。それもまた大らかさがあって良い。

  繁華街から1本脇道にそれると、また少し雰囲気が変わる。このほんわかしたゴミゴミ感が心地よい。

  14時前に一旦ホテルへ戻って、夕方まで休憩。時差ボケの問題もあるが、1日で最も暑い時間帯を休憩に充てるというのは、結構理にかなっていると思う。

  休憩を終え、ホテルの前から馬車タクシーに乗り、新市街にある革命広場へ。馬の足音に耳を澄ませながら、ゆっくりと景色を眺める。結構な距離があって時間も掛かり、お馬さんにはだいぶ負荷を掛けてしまったかもしれない。ありがとう。

  革命広場はとにかく広くて何もない。メーデーなどで演説が行われ、数十万人が集まることもある場所で、周囲には共産党本部を始めとした国の中枢機関が揃っている。そして、内務省の壁にはチェ・ゲバラ、情報通信省の壁にはカミーロ・シエンフエゴスの肖像、そして反対側にはホセ・マルティ記念博物館と、独立戦争やキューバ革命の英雄たちに囲まれている。キューバというとこの場所のイメージが強く、私も事前に写真では何度も目にした景色であったが、実際に見ると迫力がすごかった。日曜日ということで静けさが漂っているものの、逆にそれが革命の息吹をひしひしと感じさせてくれた。

夕方からは、ライトアップもされる。

  バイクタクシーに乗り、旧市街へ戻る。途中で強い雨が降ってきて、そんな中をビュンビュンと走るので全身がずぶ濡れになったが、気分は爽快だった。

  ヘミングウェイがよく通っていたというバー「フロリディータ」(Floridita)で夕食。バーカウンターの隅には、ヘミングウェイの像が腰掛けている。注文は、名物のロブスター。大きなロブスターの下にたくさんのフルーツが敷き詰められていて、味は本当に絶品。肉厚のロブスターにほのかな塩味がついていて、普段は海老がそれほど好きではない私も、あっという間に平らげてしまうほど美味しかった。

  ホテルへ戻り、1階にあるバーでまったり。妻がビールを注文したら、店員さんが訝しげに「How old are you?」と聞いてきて、思わず2人で笑ってしまった。年齢を聞いた店員さんは驚いて謝ってくれたが、日本人はそんなに幼く見えるのか。

  部屋へ戻り、洗面所で洗濯をして、部屋に干してから就寝。洗濯機がなかった頃の洗濯の重労働っぷりに驚かされた。