社会を見て、聞いて、感じる。

人生そのものがフィールドワーク。

12月31日(月)

2012年12月31日 23時59分00秒 | 2012年

  6時半起床。朝食はルームサービス。前日の夜に注文書をドアノブにかけておくと、希望の時間に届けてくれる。今朝は「アルペン」というものを選んでおいたら、鳥のエサみたいなシリアルが運ばれてきた。決して不味くはないが、いかんせん見た目が…。

  8時半過ぎにホテルを出て、地下鉄を乗り継いでアーチウェイ駅(Archway)へ。鉄道マニアとしては、海外の電車に乗っているだけでワクワクし、ついついキョロキョロと辺りを見渡してしまう。

  アーチウェイ駅からは、「地球の歩き方」にわずかに載っている情報を頼りに、ハイゲート墓地(Highgate Cemetery)へ。

まずは、Higegate Hillを北西へ。


この交差点を、左折(カメラの手前側へ曲がる)。


Waterlow Parkを通り抜ける。

  10時のオープンと同時に東墓地に入り、マルクスのお墓へ。入口の道をまっすぐ歩き、二手に分かれるところを左側の道に入れば、すぐに右手に見えてくる。左寄りの人間としては、ロンドンに来たらどうしてもここを訪れたかった。「万国の労働者よ、団結せよ」の文字を見た時は、感動でゾクゾクした。また、帰り際に気付いたのだが、マルクスのお墓の向かいにハーバート・スペンサーのお墓もあった。社会学を勉強した人間としては、これも感動。


スペンサーのお墓。

  アーチウェイ駅の近くまで戻り、ミドルセックス大学という一瞬ドキッとする大学の向かいにあるバー「Whittington Stone」で、フィッシュ&チップスとミートパイ(Chicken,Ham&Leek Pie)を食べる。フィッシュ&チップスは、魚のフライが思った以上に美味しかった。揚げたて熱々なのに変な油っこさはなく、塩やビネガー(多分黒酢だったと思う)で味付けして食べる食べ方は、白身魚には非常に合っていると思う。ミートパイも中身が熱々で、その中でもネギが良い仕事をしていた。

ミドルセックス大学は、ごく普通の大学です。

  再び地下鉄に乗り、トッテナム・コートロード駅(Tottenham Court Road)へ。駅から2、3分歩いたところに、大英博物館がある。ロゼッタストーンやパルテノン神殿の彫刻群、ミイラなどを見て回ったが、教養不足のため、どれもそれほどピンと来なかった。ただ、一点一点がどうこうというわけではなく、全体的によくぞこれだけ世界中から集めたものだと感心させられた。まあ、集めたというよりは、強奪したというほうが正しいのかもしれないが…。

  地下鉄に乗り、チャーリングクロス駅(Charing Cross)へ。まずは、トラファルガー広場を一周。

  続いて、ナショナル・ギャラリー(The National Gallery)へ。ゴッホやモネ、ドガなどの有名どころを一通り見てから、地図を気にせずに歩き回る。有名か否かは関係なく、綺麗な絵を見るのは楽しい。特に、優しいタッチで人物を描いたものがお気に入りである。

  一度ホテルへ戻って仮眠を取ってから(まだ時差ボケがあるのだ)、23時過ぎに再びトラファルガー広場へ。地下鉄の駅から広場に向かう行列についていくと、既に見渡す限りの人で埋め尽くされていた。

  私たちもその人混みに飛び込み、年越しのカウントダウン。「…Three,two,one,Happy new year!」と大声で叫ぶ。とにかくものすごいパワーで、これほどの群衆の中で新年を迎えるという経験は、今後一生忘れられないものとなった。

  帰宅する人で地下鉄の駅には地上まで長蛇の列が出来ていたので、とりあえずホテルの方向に向かって歩くことにする。同じことを考える人はたくさんいて、道行く大勢の人と「Happy new year!」と声を掛け合いながら歩く。


道沿いにこんなギャラリーがたくさんある。

  1時間ほど歩いたところで駅(おそらくHyde Park Corner駅)が空いていたので、そこからは地下鉄に乗る。車内は満員だったが、日本以上に譲り合いの精神が浸透していて、何とか2時前に帰ってくることが出来た。夜食は、ホテル近くのバーガーショップのケバブサンド。

 


12月30日(日)

2012年12月31日 23時52分00秒 | 2012年

  全く寝ずに、7時半過ぎに家を出る。日暮里駅で、これまた一睡もしていない友人と待ち合わせ、日暮里駅08:51発のスカイライナー15号に乗り、成田空港へ。

  成田空港は年末年始で大混雑だろうと思っていたが、出国手続きにはそれほど時間が掛からなかった。

  成田空港11:45発のJAL401便に乗り、ロンドン・ヒースロー空港へ。所要時間は約11時間。音楽を聴いたり、映画を観て過ごす。久しぶりに「トップガン」を見たが、やはり面白かった。ベタなストーリー展開だが、それゆえの安定感がある。それに、トム・クルーズがかっこよすぎる。また、着陸間際の2度目の食事がケンタッキーだったのだが、意味がわからなかった。これからロンドンへ行く人間が、こんなタイミングでケンタッキーって…。

  ヒースロー空港には、定刻の15:25よりも少し早めに到着。しかし、入国審査に長い行列が出来ていて、解放されるまでに1時間近く掛かった。

  空港から地下鉄ピカデリーライン(Piccadilly Line)に乗り、ホテルのあるハマースミス駅(Hammer Smith)へ。もう、地下鉄に乗るだけで大冒険のようで、ワクワクする。なんせ、切符の買い方すらわからないのだ。こういう体験のチャンスを逃さないために、今回は全くのフリープランにしたのだ。

  ホテルに着いたのは17時前後だったのだが、既に辺りは暗くなっており、駅周辺のイルミネーションが良い具合に華やかで、更に気分を高めてくれた。宿泊先は、ノボテル(NOVOTEL LONDON WEST)。チェックインをするだけでもドキドキした。

  再び地下鉄に乗り、ピカデリーサーカス駅(Piccadilly Circus)へ。夕食の予約時間まで余裕があったので、歓楽街として有名なSOHO地区を歩いてみる。レストランやバーは人で溢れ、ちょっとエッチなお店があったり、モデルクラブ(イギリス版の売春施設)があったりする。いわば、イギリス版歌舞伎町といったところだろうか。


コンビニ的なお店でジュースを買ってみたが、まずい…。

  ちなみに、イギリスには日本のような性風俗店はなく、アパートの一室などを使った個人営業が基本形となっている。チャイムを押すと受付係のおばさんが出てきて、「Hi sweetie!」と中へ案内してくれる。部屋では、お相手の女性と直接対面出来て、相手のルックスを確認したり、メニューの説明を受けたり、会話も出来る。もちろん、ここで断っても構わない。ちなみに、今回は夕食の予約があったし、何より病気的なことが怖いので、対面して直接話をするところまでチャレンジしてみたが、「I will think more」と言ったら、嫌な顔ひとつせず簡単に帰してくれた(この英語が正しいかはわからないが…)。このシステムだと、裏社会等による中間搾取がなさそうで良いと思うが、その反面、身の安全はどう守るのだろう。


これらの地味な張り紙が、モデルクラブがあることを示している。

  夕食は、1798年開業の老舗レストラン「Rules」でローストビーフを食べる。スターターをカットしたが、特に嫌な顔はされなかった。出て来たローストビーフは2人分とはいえ大量で、1枚1枚も分厚く、インパクトは抜群。肝心の味も、ローストビーフというよりもあっさりとしたステーキを食べているようで、肉そのものの美味しさを堪能することが出来た。ただ、付け合わせのポテトやら何やらの量もめちゃくちゃ多く、これらはさすがに食べきることは出来なかった。大の男2人でこれなのだから、よっぽどの自信がない限り、ローストビーフを食べる時はスターターは頼まないほうがいいと思う。

  帰りは、せっかくなのでロンドン名物のダブルデッカーバスに乗る。運良く2階席の1番前の席が空いていたので、ハマースミス駅に着くまで窓にかぶりついて景色を眺める。少し時間は掛かるが、街の景色が眺められるので、地下鉄よりもはるかにおすすめである。

  ハマースミス駅にあるスーパーマーケットに立ち寄り、歯ブラシ等の日用品や飲み物、ミニドーナツを購入。セルフレジの使い方に苦戦したが、店員さんが優しく教えてくれた。


個人的には、牛乳が美味しかった。


12月29日(土)

2012年12月31日 23時51分00秒 | 2012年

  11時起床。朝食は、ホットケーキ。

  昼過ぎに家を出て、久しぶりに大宮へ。高校時代に通った場所で、懐かしい。

いつの間にか、商店街のアーケードが撤去されたいた。

  ロフトに入っているジュンク堂書店で、上野千鶴子先生の『生き延びるための思想』(文庫版)を購入。途中でHMVの前を通ったら、入口がももクロ(ももいろクローバーZ)一色になっていた。紅白出場も決まったし、完全に乗りに乗っている。

  小学校時代の同級生と待ち合わせ、「Le Moulin de la Galedtte」でお茶。名物だというフレンチトーストを食べる。残念ながらそれ自体はそれほど美味しくなかったが、話が非常に盛り上がり、楽しい時間を過ごした。20年振りの再会なので少し緊張したが、事前に何度か長電話をしていたこともあるのだろう、自然に話をすることが出来た。

  夕方に帰宅し、青森から戻ってきた友人(彼と一緒にヨーロッパ旅行に行く)と地元の友人と待ち合わせ、アリオに入っている「おなりそば」で年越しそば(にしんそば)を食べてから、「FLO」でケーキを買ってフードコートで食べる。

  今年最後の銭湯へ。いつもより時間が早かったため、少し混雑していた。お風呂から上がると、おじさんたちがみんなテレビに釘付けになっていたので何かと思ったら、イチロー選手の特集が放送されていた。やはり、この世代は野球世代なのだ。おじさんたちとイチロー談義に花を咲かせてから、年の瀬の挨拶をして店を出る。

  昨日に引き続き、ダーツバーへ。ダーツというのは基本的に肘から先だけを動かし、特に手首のスナップを使って投げるものである。しかし、これは野球経験者にありがちなことらしいのだが、私はどうしても腕の力で投げようとしてしまう。色々と意識して投げてみても、うまくいかない。そこで、試しに左手で投げてみたところ、非常に綺麗に投げることが出来た。元々は左利きなので違和感はそれほどないし、変な癖がついていないので正しい投げ方を覚えやすい。少し練習したらあっという間に右手で投げるよりも狙いが正確になったし、ダーツの軌道も綺麗になったと褒められた。

  ダーツを終え、帰宅したのは6時過ぎ。かれこれ6時間以上も投げていたことになる。これから寝ると危険なので、そのまま寝ないで出発時間を待つ。


12月28日(金)

2012年12月31日 23時50分00秒 | 2012年

  7時起床。急いで身支度を整え、いつものビジネスバッグではなく、リュックサックを背負い、キャリーバッグを引いて家を出る。

  午前中は大掃除。2時間掛けて、オフィスの隅々まで掃除をする。ただ、正直なところ、今年はいくつかの場所を見て見ぬふりをするなど、少し手抜きをしてしまった。

  昼食は、いつもの中華料理屋の回鍋肉定食。昨日で今年最後の予定が、結局また来てしまった。今度こそ、今年は大変お世話になりました。来年もよろしくお願いします。

  午後は、自分のデスクや引き出しの中身の整理をして、身の回りの整理整頓をする。その後、17時から仕事納め式。

  18時前に退社し、そのまま実家へ戻る。

  夜、友人と一緒にダーツバーへ。2時過ぎまで遊んでから帰宅。


12月27日(木)

2012年12月28日 01時42分01秒 | 2012年

  7時起床。昨日に引き続き、朝からめちゃくちゃ寒い。しかし、その分熱いシャワーが気持ち良い。

  直行で相模原へ。駅で上司と待ち合わせ、支援先で公的施策の申請書類作成のお手伝い。

  関内へ戻り、いつもの中華料理屋で昼食。注文は、レバニラ定食。おそらく、このお店に来るのはこれが今年最後だろう。1年間、ありがとうございました。

  午後は、オフィスに支援先の社長と専門家さんを招き、公的施策の申請書作り。今日は書類作りというよりは事業構想立案がメインで、非常に面白かった。やる気満々の社長と、優秀な専門家さんに感謝である。今年最後の支援がここで良かった。

  定時で退社し、忘年会へ。桜木町のお洒落な居酒屋の個室を陣取り、23時過ぎまで延々と飲む。

  0時前に帰宅。すぐに洗濯機を回し、シャワーを浴びて、旅行の荷造り。とは言っても、荷物の最終確認と詰め込みだけだったので、30分ほどで終わった。

  友人からおすすめされて読んだ『対岸の彼女』(角田光代)は、想像をはるかに超えて素晴らしい作品だった。これから読もうとする人がいるかもしれないのでストーリーに触れるのはやめておくが、巻末の森絵都さんの解説が非常にうまく本書の魅力を伝えていたので、引用する。

  この秀逸な解説は、次のように始まる。

 「人と出会うということは、自分の中に出会ったその人の鋳型を穿つようなことではないかと、私はうっすら思っている。その人にしか埋められないその鋳型は、親密な関係の終了と同時に中身を失い、ぽっかりとした空洞となって残される。相手との繋がりが強ければ強いほどに空洞は深まり、人と出会えば出会うだけ私は穴だらけになっていく。」

  それが、本書を経ることで、最後にはこう締めくくられる。

 「人と出会うということは、自分の中にその人にしか埋められない鋳型を穿つようなことだと思っていた。人と出会えば出会うだけ、だから自分は穴だらけになっていくのだ、と。
 けれどもその穴は、もしかしたら私の熱源であるのかもしれない。時に仄かに発光し、時に発熱し、いつも内側から私をあたためてくれる得難い空洞なのかもしれない。」

  他人との交流は、基本的にストレスフルな作業である。心を許した相手から裏切られ、これでもかと傷つくことがある。これまでは自分を大切に扱ってくれた人から、突然とんでもない仕打ちを受けることがある。しかし、それでも私は人を信じたいと思う。私を傷つけるのも人だが、私を励まし、感動させ、また1歩前へ進んでみようと思わせるのもまた、人なのだ。

「信じるんだ。そう決めたんだ。だからもうこわくない。」