くじら図書館 いつかの読書日記

本の中 ふしぎな世界待っている

「ミステリ国の人々」有栖川有栖

2017-11-14 05:44:53 | 総記・図書館学
 こういうの好きなんです。
 有栖川有栖「ミステリ国の人々」(日本経済新聞出版社)。
 登場人物をあげながらミステリを紹介してくれます。
 わたしは基本的に翻訳ものは読まないのですが、幼少のみぎりには児童ものをずいぶん読みました。ミステリも手当たり次第に。(学校図書室にあったものに限りますが)
 さらに、学生の頃、ウールリッチにはまって、これも手に取れる分は読みました。
 懐かしい作品がたくさんあります。
 ウールリッチで取り上げられるのは、

 ……と、書いていてふと気づきました。
 ここで取り上げられるのは、アイリッシュ名義であることに。
 あれだけはまっていたのに、どれがウールリッチでどれがアイリッシュ名義なのかよくわからない。すみません。
 紹介されているのは、「幻の女」のヘンダーソンと、「消えた花嫁」のアリスです。
 どちらも、女性が消えてしまう物語です。前者は殺人のアリバイを証明してくれるはずの女、後者はタイトル通り花嫁が新婚旅行中に。
 なぜ、女は消えたのか。三十年経っていますがなんとなく覚えています。だけど、アリスの方の記憶は曖昧。
 いろいろ考えたら、短編集の二巻だけどうしても見つからなくて、何年か経ってから立ち読みしたのでした……。
 有栖川さんは、アリスが自分のペンネームの由来の一つだと語ります。(「不思議の国のアリス」もその一つです)

 紹介される人物は五十人余り。
 うち、読んだことのあるものは、半分くらいでしょうか。
 ホームズ、金田一、蓮丈那智、ルパン、半七、仁木兄妹、砂絵のセンセー、クイーン、ポアロ&ミス・マープルといった著名人から、五十円玉両替男(わたしもこの文庫本持っていました)、三角形の顔をした老婦人(もちろん亜愛一郎も項があります)、明智文代(明智探偵の妻。知り合った作品は「魔術師」ですね)、ブロンクスのママ(懐かしい!)、おしの……。
 おしの、知ってます?
 山本周五郎「五瓣の椿」の主人公です。母親と関わりのあった男たちを復讐のために殺していくんです。
 高校生の頃にあらすじに引かれて読んだのですが、余りの情念についていけなくて……。
 その後ずいぶん経ってから周五郎作品を読み漁りましたが、これが肌に合っていたらもっと早く読んだのになあ。(きっかけになったのは「内蔵助留守」です)

 それから、「黒後家蜘蛛の会」! すごい好きでした。
 でも、今の今まで「ウィドワーズ」が「男やもめ」の意味だとは知らなかった……。
 「ロレーヌの十字架」はしっかり覚えていますよ。

 ロバート・ファン・ヒューリックの「ディー判事」を読みたい! ポケミスで「沙蘭の迷路」が出ているそうです。
 作者はオランダ生まれの外交官。舞台は中国! 気になる!
 それから、岡田鯱彦の「薫大将と匂の宮」(図書刊行会)は、紫式部が探偵役なんだって。
 高木彬光や鮎川哲也作品も、現在手に入りにくいですよね。
 有栖川さんの本も、読んでみようと思います。

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