ヒガンバナ

今年も見事な華を見せてくれた曼珠沙華

何を勘違いしていたのか
もう少し早い時期に咲くかと待ち
今年は咲かないのだろうかと気を揉んでいた
台風が去り倒れこむ紫陽花の枝を抱き起こすと
そこに赤い花が顔を覗かせた
曼珠沙華だ

父の病院から帰宅しての嬉しいお出迎えに
天に向かい母に咲いたよと声をかける
夜間にも関わらず鮮やかな輝きを放つ
綺麗だ

翌日赤に1日遅れで白も咲いてくれた
こちらも夜の闇に映え輝いては揺れる
紅白咲き乱れる様は本当に美しい
そして何とも言えない良い香りが漂う

ふと掃除の際、見つけた線香花火が脳裏に浮かぶ
香る曼珠沙華を眼下に庭先で手持ち花火に火を
何年か前のものにも関わらずこちらも見事に咲く
幻想的な光景が目を楽しませてくれる

華の落ちるのは早く
また来年の楽しみに
妖艶な夏の終わり