itchy1976の日記

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水野 和夫,萱野 稔人『超マクロ展望 世界経済の真実』

2011年02月19日 23時56分03秒 | 書評(新書)
超マクロ展望 世界経済の真実 (集英社新書)
水野 和夫,萱野 稔人
集英社

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今回は、水野 和夫,萱野 稔人『超マクロ展望 世界経済の真実』を紹介します。エコノミストの水野和夫氏と政治哲学者萱野稔人氏との対談集ですね。対談の内容は世界経済を資本主義の歴史から読み解くというようなことでしょうかね。

第1章 先進国の越えられない壁
・途上国の資源ナショナリズムにより、先進国の交易条件が悪化して、実物経済では利益が出なくなった。そのため、金融経済に行かざるを得なくなった。
・OPECのもとに価格決定権があったものを取り戻そうとして、アメリカが石油の先物市場(WTI)をつくる。石油を金融商品化するということ。
・イラク戦争は、石油そのものでなく、石油についての国際的な経済ルートをめぐってなされた戦争だといわれている。真偽のほどはよくわからないが、フセインがドル建てでなく、ユーロ建てで石油の売り上げ代金を受け取ると宣言したことが発端ではないかといわれている。

第2章 資本主義の歴史とヘゲモニーのゆくえ
・ヘゲモニー(覇権)のサイクルは、実物経済→金融経済→バブル経済に向かう。バブル経済に向かうときは、ヘゲモニーの終焉のときである。金融資本の蓄積が、次の新しい覇権国へと投資されていく。
・アメリカの次のヘゲモニーを握る国はあるのか?中国なのか?EUなのか?どうなるのかはわからない。もしかしたら、経済成長をして高い利潤率を生み出す地域と世界資本主義をマネージする地域が分離するかもしれない。世界におけるヘゲモニーが分担されるということか。また、25%の辺境をめぐって、従来の先進国に新興国があわさって資源の争奪戦が激化するかもしれない。

第3章 資本主義の根源へ
・資本主義と市場主義はイコールではない。国家というものが強く関与している。結局資本主義においても、政治と経済は一体的なものであるのは変わらないが、政治的役割と経済的役割をになう主体が別々になることはある。国家による税の徴収と資本による利潤の追求が合わさって、資本主義における蓄積が成り立っている。

第4章 バブルのしくみと日本の先行性ー日米関係の政治経済学ー
・日本のバブルは1995年以降のアメリカを先取りしたもの。日本は、貯蓄率が高いのでので、自力でバブルを起こせるぐらいの資本の蓄積があった。

第5章 日本はいかに生き抜くべきかー極限時代の処方箋ー
・経済成長を前提とした経済運営(歳入歳出構造)が大きな問題なのではないか。「ワニの口」構造。つまり、歳入は増えないけど、歳出は社会保障費の増加により増えていく。低成長下のデフレは先進国共通の現象。
・国内で国債が消化できなくなったとき、つまり、外国に買ってもらわないといけない時は悪夢の始まり。また、将来起きるかもしれない、人民元の自由化により円預金は流出してしまうかもしれない。
・規制をいかに市場における価値創出や利潤獲得のための因子として活用できるかが、新しい経済戦略。

資本主義の歴史から世界経済を読み解くというのは新鮮だったと思う。納得することも多かった。ただ、今後の日本経済に対しての見通しは暗いなあ。不安要因がたくさんある中で、財政再建も図らなければならない。日本が日本国内で国債が消化できるうちに財政再建を図る必要があるだろう。新しい経済システムに向かうときに、過去の清算はする必要があるだろう。
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