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湯浅誠『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』

2011年04月30日 23時52分51秒 | 書評(新書)
反貧困―「すべり台社会」からの脱出 (岩波新書)
湯浅 誠
岩波書店


今回は、湯浅誠『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』を紹介します。本書の構成について、第Ⅰ部は、貧困問題の現状についてで、第Ⅱ部は、どのように貧困問題に立ち向かっているのかという内容だ。

現状、何かのきっかけで中位層から下位層に零れ落ちる可能性があると思う。そのときに落ちないためには「溜め」という形のセーフティネットがあるかどうかだろうと思う。誰しも滑り台のように転落する可能性があるという意味で、社会に不安を持っている人が多いのではないだろうか。

貧困に陥るのは個人の自己責任なのかという問題がある。怠けた結果貧困になったのであれば、それは自己責任なのだろうが、多くの人は、滑り台のように落っこちたというような感じなのだろうか。日本社会は、落っこちた人に対する目がすごく厳しい。落っこちた人=怠け者という目で見ているのではないか。誰しも大病を患う可能性があるのと同様に、誰しもセーフティネットから零れ落ちる可能性は社会の不安によってあると思う。そのときにまっ逆さまに落ちないかどうかは、結局溜めの問題である。つまり、経済的なものだけでなく、情報の取得であり、家族や仲間に頼れるかということである。溜めがない人ほど貧困に陥りやすいということである。そこで、貧困から脱出するには、何でもかんでも自分だけで何とかできる問題ではないということである。自己責任で何とかできるほど簡単ではない。自己責任とかいっているやつは、自分は貧困にならないとでも思っているのではないか。そういう意味では傲慢な人たちだ。

本の感想としては、こういう文献はよく読んでいるということがあって、文章全体の論理はは納得がいくものである。自己責任だけでは何も解決しないということですね。第3章についてはすごく納得する。

第Ⅰ部 貧困問題の現場から
第1章 ある夫婦の暮らし
第2章 すべり台社会・日本
1.三層のセーフティネット
・雇用/社会保険/公的扶助
2.皺寄せを受ける人々
第3章 貧困は自己責任なのか
1.五重の排除
・教育課程からの排除
・企業福祉からの排除ー雇用、失業保険、福利厚生、労働組合等からの排除
・家族福祉からの排除
・公的福祉からの排除
・自分自身からの排除ー生きがいの問題
2.自己責任論批判
3.見えない"溜め"を見る
4.貧困問題をスタートラインに

第Ⅱ部 「反貧困」の現場から
第4章 「すべり台社会」に歯止めを
1.「市民活動」「社会領域」の復権を目指す
2.起点としての<もやい>
第5章 つながり始めた「反貧困」
1.「貧困ビジネス」に抗してーエム・クルーユニオン
2.互助のしくみを作るー反貧困たすけあいネットワーク
3.動き出した法律家たち
4.ナショナル・ミニマムはどこに?-最低生活費と最低賃金
終章 強い社会をめざしてー反貧困のネットワークを

<参考リンク>
堤未果著『ルポ 貧困大国アメリカ(私の書評に遷移します)

現代の貧困―ワーキングプア/ホームレス/生活保護 (ちくま新書)
岩田 正美
筑摩書房
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