![]() | 貧困の克服―アジア発展の鍵は何か集英社このアイテムの詳細を見る |
今回は、アマルティア・セン(大石りら訳)『貧困の克服―アジア発展の鍵は何か』を紹介します。本書は、4つの講演論文及びセン教授の紹介で構成されています。本書を読んでいると、途中でダブった表現が出てきます。例えば、2つ目の講演論文で出てきた表現が、3つ目の論文で全く同じ形式ででてきます。
飢饉が起きるということは、食糧自給の供給不足であるというよりは、民主化されていないことのほうが大きな要因である。それは、経済危機であり、災害であり同様である。富裕層には食料がいきわたるが、貧困層には食料がいきわたらないことが起こる。貧困層が困った状況になったときには、貧困層の意見を聞く場(民主主義)であり、人間の安全保障を守る取り組みが必要だろう。また、階層が固定化されないためにも、貧困層にも、基礎教育(読み、書き、計算)や生活の質の向上(社会資本の整備、医療・福祉)も必要である。それは、人間の潜在的能力の発揮による経済発展及び経済成長と生活の質の向上につながっていく。
セン教授の理論は、人間の発展、民主主義、透明性の確保なくしては飢饉の防止と阻止ができない。それらの1つでも欠ければ、貧困層の苦しみが長引いてしまう。そうなると、経済発展が止まってしまう。経済と哲学の橋渡しをしたところにノーベル経済学賞としての価値があるのかもしれない。












