itchy1976の日記

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奥野修司『心にナイフをしのばせて』

2006年11月25日 23時42分21秒 | 書評(その他著者)
心にナイフをしのばせて

文藝春秋

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今回は、奥野修司『心にナイフをしのばせて』を紹介します。1969年春、横浜の高校で酒鬼薔薇事件に相当する事件が起きた。入学して間もない男子生徒が、同級生に首を切り落とされ、殺害されたのだ。本書の大部分は、殺された被害者の苦しみというか後遺症というものがありありと述べられています。被害者の苦しみというものは一生拭い去ることがないということがわかる。母は寝込んでしまい、父はその母を支えるために必死でがんばり、妹はリストカットに走る。

本書の場合は、被害者のその後のことが中心となっている。加害者のその後は、11章で述べられているだけである。その後加害者は、弁護士になって社会復帰して暮らしているそうだ。名誉も地位も手に入れている立場で、過去の事件はリセットされたうえで社会復帰している。この加害者は、700万円の慰謝料も被害者の謝罪もしていないのではないか。ましては、被害者の心をズタズタにしているのではないか。

本書を読んだときに思ったのは、社会復帰ってどういうことだろうかということだ。加害者に使うお金のほうが、被害者に使われるお金よりも多い。加害者の方が被害者よりも法律で守られている。少年のほうがなおさらそういう側面が強い。加害者が被害者に心からの謝罪ができてこそ、はじめて社会復帰ができるのではないかと思う。加害者がのうのうと暮らしていき、被害者が一生苦しむような社会ではいけないように思う。もう少し、国が被害者にもう少し心のケアをしていくのがいいのではないか。
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