板の庵(いおり)

時事川柳やエッセイを綴ったブログ

エッセイ:「日本よ、未来永劫、日(ひ)出国(いずるくに)であれ。アーメン!」

2012-02-07 13:49:12 | エッセイ



エッセイ:「日本よ、未来永劫、日(ひ)出国(いずるくに)であれ。アーメン!」
  2012

男たるもの、一生懸命やった自分の仕事の結果を上司や回りから「ずさん・杜撰」な仕事であるとの評価を受けるほどショックでみじめなことはない。「ずさん」という評価はサラリーマンならずとも信用を失うくらいの厳しい言葉である。普通は相手の仕事に不満があり問題があったとしてもこの言葉を口にはしないものである。

「ずさん・杜撰」は漢字で書くと意外に難しいが、その意味はきわめて簡単でハッキリしている。「手を抜いたところが多い、ものごとがいい加減で、誤りや手落ちが多いこと。また、その様。であり『ずさんな計画・管理』『ずさんな工事』」と云うように使われる。
しかしこれがひとたび企業、団体、役所などの組織が対象となる場合には「ずさんな計画・仕事」「ずさんな工事」と云うように消費者、国民、マスコミ等から批判の言葉として厳しく浴びせられるのだ。

日本の社会は概ね「ずさん」で成り立っているのではないかと思えるほど「ずさん」なことが多すぎる。
その最たるものが「年金記録漏れ問題」であろう。時の安部総理は慌てふためき秋までには解決して見せると豪語したがそれどころではなく退陣する羽目になった。
今でも思い出すのは社会保険庁の信じられないような「ずさん」な仕事ぶりである。すなわち5,000万件ある年金記録のうち、60歳以上の約2,880万件の記録について年金の支給もれの疑いがあるとされたのである。大方の人には、ああそういうこともあったね、懐かしい話だね、と忘れ去られようとしている。
支給もれもゆゆしき問題であるが、聞き取り調査、広報、郵送等に要した数百億円と言われる費用に対しだれが責任をとったのだろうか。

さらに卑近な例が福島第一原発事故である。東電、産経省・保安院、専門有識者などほとんどの関係者が“安全神話の物の気(もののけ)“に取りつかれた結果、あの高さの津波を想定しなかった、想定出来なかったのである。
経産省の組織下にある原子力安全保安院の役割は一体何だったのか。「ずさん」な仕事が改めて批難の的になったが、こんな結果になってもろくに反省するわけでも責任をとるわけでもないのである。

それに引き換え、3.11以降に地質学者(高知大、国大)等はわずかの予算と自前の機器と手弁当で調査を続けているらしい。その結果、高知県、徳島県、三重県などでは東日本地震を超える巨大地震(南海地震)による津波に襲われた痕跡が池の底の土砂(堆積物)で判明した。さらに根室、十勝でも同様に巨大地震の痕跡があるのが確認されたのである。
わずか一年足らずの研究者の地道な調査結果からこれだけのことが判明したのである。「後悔先に立たず」ではないが、巨大津波の可能性を考えて東電の体力から見れば大した設備投資でもない電源確保ぐらいしっかりやっていればこんなことにはならなかったのである。

そして日本の歴史上最大の汚点の一として刻まれ、その「象徴」になったのである。しかし東電などの当事者にはこの恥ずべき汚点の認識すらないのかもしれない。言い訳は「これほどの津波の想定は出来なかった」「悪いのは津波の方である」と。数十年かかると言われる放射能汚染による被害等に対して誰も責任はとれないだろう。

一方、我が国は地形学的にも河川氾濫による洪水が頻発する。200年に一度起こるかどうかの大洪水を想定して、スーパー堤防を400年の日時と12兆円(現時点)の費用をかけ約900キロ近くの堤防を補修して住民の命と財産を守ろうというのが国交省である。

考えようによっては、原発事故は絶対に起こらないと信じていた経産省(所轄)より少しはましな想定をしているのだから誉めてやりたいところだ。

しかし、「八ッ場ダム」建設でも50年たって未だに大もめしている状態である。この雲を掴むような壮大なスーパー堤防計画の真の狙いは一体何だろう。つい最近国交省はスーパー堤防整備率を5.8%(51キロ)と公表していたが、実際は1.1%(9キロ)に過ぎないことが会計検査院により指摘された。早い話がウソがばれたのである。

政府の事業仕訳で「無駄遣い」と批判された国交省が焦って実績を水増したのではないかとの見方である。国民から見れば既得権益を守ろうとする役人根性丸出しの「ずさんな」計画ではないかと思われるものである。

国の借金は膨大に膨れ上がり、消費税を5%上げても足りないと言っているのにスーパー堤防どころではないはずだと思うが。

日本は絶対につぶれない、破産はしないと言ってはばからない政治家、学者やノーテンキな御人(ごじん)がいるようだ。その時になって「想定外だった」などと云っても後の祭りである。
日本が最悪になったら世界の経済活動に与える影響度はギリシャの比ではなくなる。世界からの信用を失い、消費税の値上げどころの比ではない重い負債(つけ)を長く背負いこむことになるのである。

“この期に及んでも総論、建前論がまかり通るばかり。『日本よ、未来永劫にわたり日出る国であれ。アーメン!』”





ジャンル:
たのしい
キーワード
スーパー堤防 八ッ場ダム 会計検査院 放射能汚染 日本の歴史 社会保険庁 原子力安全保安院 日本の社会
コメント (0) |  トラックバック (0) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« エッセイ:[男は... | トップ | 「謎かけ」クイズ... »

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
  • 30日以上前の記事に対するトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • 送信元の記事内容が半角英数のみのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • このブログへのリンクがない記事からのトラックバックは受け取らないよう設定されております。
  • ※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

あわせて読む