「ポスト菅」を狙う野田佳彦財務相ら8人はみな、総理大臣に求められる高度な統治能力が欠けている

2011年08月16日 19時50分25秒 | 政治
◆主権在民の日本国における最高の人事は、だれを総理大臣選びの人事である。議院内閣制の下で、総理大臣は、「国会議員の中から国会の議決で指名」(憲法第67条1項)し、これに基づいて「天皇が任命」(第6条1項)する。  つまり、国民有権者は、指名に参加できず、総理大臣を選ぶことができない。せいぜいマスメディアが行う世論調査で、人気投票するチャンスに恵まれるか否かである。だから海千山千の胡散臭い政治家が集まる国会のなかで、「聖人君子」を見つけるのは、至難の業ではあるけれど、国民有権者に代わって指名投票する国会議員には、いわゆる「聖人君子」をしっかりと選んでもらわないと困るのである。それは、国会議員は、別名「選良」と言われる立場にあるからである。
◆もちろん、少数党・社会党の村山富市委員長が、総理大臣に指名され、任命されたケースもあったが、大体の場合、与党第1党の党首が、総理大臣に指名される。この意味で、民主党代表選は、事実上、総理大臣選びの選挙となる。この代表選にも参加できない国民有権者は、マスメディアなどの下馬評から、品定めするしかない。それでも、「勝手格付け」をして見るのは、決して無駄ではない。  「ポスト菅」の候補者として、いまのところ、以下のような8人の名前が上がっている。
 ①小沢鋭仁元環境相
 ②海江田万里経済産業相
 ③鹿野道彦農水相
 ④樽床伸二元国対委員長
 ⑤野田佳彦財務相
 ⑥前原誠司外相(不出馬を表明しているが、まだ不確定要素がある)
 ⑦松野頼久元官房副長官
 ⑧馬渕澄夫前国交相
◆国家最高指導者である総理大臣人事と一般の組織における人事とを、必ずしも同列に扱えないのわかっているけれど、主権者である国民有権者の立場に立てば、やはり「人事」であることには、違いはない。西郷隆盛翁は、人事の「勘所」について、名言を残している。南洲翁遺訓に曰く、「人材登用」について、こう記してある。「六 人材を 採用するに、君子小人の弁酷に過ぐる時は、却て害を引起すもの也。其の故は、開闢以来世上一般十に七八は小人なれば、能く小人の情を察し、其の長所を取り、之を小職に用い、 其の材芸を尽さしむる 也。東湖先生申されしは、 『 小人程才芸有りて用便なれば、用いざればならぬもの也。去りとて長官に居え、 重職を授くれば、 必ず邦家を 覆すものゆえ、 決して 上には 立てられぬものぞ 』と也」
(現代語訳:人材を採用する際に、才徳ある人物と学徳のない者との是非、弁別の裁定を厳しくし過ぎると、かえって悪い結果を招いてしまうものである。その理由は、この世が始まって以来、世の中においては、十人のうち七、八人までは、学徳のない、ごく普通の者ばかりであるから、よくこのような普通の者の長所をとり入れ、これを適材適所、それぞれの職業に用い、その技能や技芸を十分発揮させることが肝心である。藤田東湖先生(江戸幕末の儒学者・水戸藩士、尊王攘夷論者)が申されるには、『小人は技能と技芸があって活用するに便利であるから、ぜひ採用して仕事をさせなければならない。しかし、いかに技能と技芸が優れているからといって、これを高い位を与えて、重要な職務に就かせると、必ず国をひっくり返すようなことを招きかねないから、決して高い位に取り立ててはならないのである』と」 ところで、「君子」とは、元々「貴族の男子」を意味していた。英国流に言えば「紳士=ジェントルマン」のことである。「ノブレス・オブリージュ」、すなわち、「高貴さは(義務を)強制する」 という言葉が示しているように、一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うとされている。
 立命館大学の白川静名誉教授の名著「字通」によれは、「君子」の「君」は、「尹+口」から成り立ち、「尹=神杖を持つ聖職者」「口=祝詞を収めるサイという器」→巫祝の長をいう字であったという。聖人の「聖」は、 「耳+口+壬」=「挺立した人が耳をそばだてて、祝祷を収めるサイを置いて、神の声を聞いている形」を示す。「神の声を聞き得る人」を「聖」という。従って、「君子」とは、神の声を聞き得る聖人でなくてはならず、この意味で、単なる「紳士=ジェントルマン」ではなく、これを超える人物であることが求められる。  国家統治に携わる国会議員、そのなかでも最高権力者である総理大臣には、「高度な統治能力」と「神の声=天声人語=民の声」を聞き得る能力がなくては、務まらないので、こうした観点、視点に立ち、「ポスト菅」に名乗り上げる政治家を厳正にチェックしてみる必要がある。果たして、だれが、残るであろうか。残念ながら、いま名前の上がっている8人は、全員失格である。にもかかわらず、ベストがダメならベターを選ばざるを得ないところに、日本の不幸がある。

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『自・社連合が小沢一郎への逆襲をはじめた』1994年7月30日刊



もくじ

2章 田中角栄門下生たちによる骨肉の争い
  ―自民党内の小沢一郎包囲網の暗躍

二大政党化の潮流のなかで血迷った"老いた中曽根〟

 自民党は、従来から「鵺」のような政党と見られていた。鵺とは、伝説上の怪獣である。頭は猿、手足は虎、体は狸、尾は蛇に似ている存在だったからである。
 小沢一郎一派が自民党を脱藩して新生党を結党したとき、この鵺の一部が分離した。それでも、まだ、ハト派とタカ派が同居し続けていた。社会党内部では、左派と右派が対立したまま、同じ屋根の下で暮らしていた。

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四王天延孝陸軍中将の名著「猶太(ユダヤ)思想及運動」 No.125

第三章 ロシヤ革命と猶太

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