スパイダーマンと聞くと昔懐かしい漫画を思い出しますが、夢のバイオファイバーが現実味を帯びてきているようです。
「唾液でガン診断」「藻から燃料」「クモ糸の人工合成」と世界的に注目されている研究所が山形県の鶴岡市にあります。
慶應義塾大学先端生命科学研究所のことです。
そこでは世界最先端のバイオテクノロジーが実用化へ向けて研究されているというニュースをこれまで何度も小耳に挟むことがありました。
その「慶應大学先端研」発のベンチャー企業が注目されているということで、機会があれば是非聴いてみたいと思っていたセミナーが少し前になりますが開催されました。
先端研究のバイオベンチャー企業「スパイバー株式会社」の関山氏の講演会です。
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クモの巣というと汚らしく厄介なイメージがありますが、その糸は細くても意外と強いものです。
比較した表を見てみると...
やはり、クモ糸はすごい特徴を持っているようです。
昔から夢の繊維として多くの研究がされているのも納得です。
「石油資源に代わる素材を誰かがリスクを取って可能性にチャレンジしなければ...」という思いで、周囲の大反対を押切り在学中に「スパイバー株式会社」を立ち上げたという関山氏。
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気の遠くなるような努力と挑戦の末、現在世界でも最先端を走っているとのことです。
遺伝子工学の分野は、遺伝子組み換え食品などで騒がれるように何も知らない私には怖さを感じるところがあります。
「遺伝子を導入する」と聞くと、先日ノーベル賞受賞が決まった山中教授のips細胞のことが重なってしまいますが、「微生物」「発酵生産」と言われると例のボカシ肥料のイメージで何となく身近に感じるところもあります。
企業としては短期的に研究と結果を結びつけていかないと経営的に厳しい面がありますが、ここまで来ると実用化はまもなくのように思えます。
世界中多くの競合相手があるようですが、日本中心の地図はやはり気分が良いものです。
「いろいろな縛りから現在はまだ詳しいことは話せない」としながら、3年以内にトンスケールのサンプル供給を始める予定であるとか...!
石油に頼らず、自然に分解して環境にやさしい「夢の繊維」、考えただけでもワクワクするような新素材の登場!
※「先端研」所長の講演も先にありましたが、長くなったので次の機会に紹介したいと思います。
<予告>
・先端研発ベンチャー企業「HMT社」
・未来の科学者育成⇒高校生バイオサミット
・鶴岡をシリコンバレーに