石田地震科学研究所サロン

地震爆発説に関連する話題以外にも自由に語るサロンです

何のため、誰のための研究か

2002年08月11日 | Weblog
何のため、誰のための研究か 2002/08/11(Sun)

8月10日のサンケイ新聞朝刊の「正論」に西澤潤一氏が「企業が求める研究に振り回されるな」という主張をされていました。以下に一部を抜粋します。
 
 学者は自己の学説を命にかけて守る。その前に自己の学説を命をかけて磨き上げなければならない。当然、曲学阿世などということはない。(中略)研究費の出資を求めて彷徨し、権力の座について恵まれた研究環境を確保することに研究者や学者が血道を上げる。そのうちに、肝心の研究をする時間もエネルギーもなくなってしまう。
 依然として世界の知的生産の宝庫である大学が、これでは要求の多い研究を継続することができなくねって、企業から求められる利潤の多い研究にますます引き回される危険性がある。

 という主張です。アメリカは企業からの研究費が潤沢にあって、社会に役に立つ実用性のある研究が多いと賞賛されています。日本の大学では役にも立たない研究を趣味のようにやっているので、企業も頼りにしないし、研究費を出さないという批判を聞きます。当たっているところもあるでしょうが、アメリカンスタイルは企業が持っている倫理感に問題がある場合には、研究が恐ろしい方向に進入していくことでしょう。プレートテクトニクス理論、弾性反発地震説以外は研究費も与えられない、というアメリカの現状を聞く時、自由な国アメリカに疑問符がついてしまいます。やはり何のための学問であり、誰のための研究なのかという原点を探求する必要があると思います。それが研究者の資格ではないのでしょうか。