いぞらど isolado 魚骨日誌

主に魚の頭骨を作る日々を綴っています。

アカグツ

2017年02月24日 | 日本の魚の骨格
おはようございます。

冬に逆戻りの寒い朝です。



さてさて、先日のワンフェス2017冬。

長野から来たお客さんが、お土産を持って来て下さいました。





昔から善光寺の参道で売られている、有名な「八幡屋礒五郎七味」。

一つは伝統的な七味。もう一つは通常の3倍辛い「BIRD EYE」(シャア専用かもしれない・・・)

「前回おまけしてもらったから」って、差し入れて下さったんだけど、気を使ってもらっちゃってスミマセン。

辛いの大好きなんで、有り難く使わせてもらいますね。




ってな訳で、今日のお題に行きたいと思います。

今日、紹介するのは「アカグツ」と言うお魚です。






食卓に上る事が皆無な割には、このお魚を見知っている人も結構居るんじゃないでしょうか。

容姿が珍妙なため、水族館では定番魚ですし、しばしメディアなんかに取り上げられる事もありますしね。

でも、実際にこうして水揚げされたモノを手にする機会って、よっぽどの事が無いと無いんじゃないでしょうか。
漁業の場では、しばし網に掛かる事もある様ですが、実数はさほど多くなく、しかも利用価値が無いから、現場で処分されてしまう事が殆どの様ですからね。

実際にいぞらどさんも、この魚が欲しくて、知り合いの漁師さんに前から頼んでましたが、手に入るまでに結構な時間が掛かってしまいました。

いぞらどさん 「アカグツ手に入りませんかねぇ。」
漁師さん 「ウチの網には結構入るよ。」
いぞらどさん 「じゃあ、今度送って下さいよ。」
漁師さん 「でも値段高いから、みんな市場に卸しちゃうよ」
いぞらどさん 「ええ、市場に卸すんですか。」
漁師さん 「そうだよ。だって高級魚だもん、アカムツは!」
いぞらどさん 「いや、アカムツじゃなくて、アカグツで・・・」

ってな、定番の「アカグツあるある」を何回かやり取りした挙句、昨年の11月にやっと送ってもらえました。

そう言えば、このホネ取りを始めた一番最初の頃、愛知県の港で、捨てられていたアカグツの赤ちゃんを3~4匹拾ったことがありましたが、あのサイズのモノもあれっきり見ていませんね。

後から聞いた所では、あのサイズのモノも珍しいとの事で、あれっていわゆるビギナーズ・ラックって奴だったのかしらね。





この姿から何となく想像がつくように、アカグツは、いわゆるアンコウの仲間であります。

鼻先には、小さいながらもしっかりと獲物を誘うためのピョコピョコ(エスカと言うらしい)もあります。









しかし、この赤い体色と、アンコウとしては意外と小さめな口のため、普通に我々が目にするアンコウよりもかなりカワイイ印象を受けます。
そして体長もそれほど大きくならないため、ペットとして飼育する人も居るとか。
でも飼育は結構難しいらしいみたいですけどね。




ちなみに上記の写真、口の中をよ~く見ると、黄色い紐みたいなものがチラリと見えます。

これって、いわゆる「寄生虫」なんです。
アカグツは、何でか知らないけど、体内に多数の線虫類が寄生している事で有名なんです。
で、コイツは、胃の中から上がって来た、その一匹で、お腹を裂くと、同じ様な奴が、案の定、何匹も黄色い塊状に絡み合っていて、気持ち悪いったらありませんでしたよ





で、アカグツのホネは、こんな風に仕上がりました。











でもね、コレ、本当はウソなの。

本当は、アカグツのホネって、こんなじゃないの。

アカグツの背中のトゲトゲのある部分って、大概は「皮膚」なんです。
だから、本当に「ホネ」にするには、もっと大きく切り込まなくっちゃならないんです。
ホンモノは、こんな円形状に残すんじゃなくて、半月から三日月っぽくしなくちゃならないんです。

でも、前回、アカグツの赤ちゃんをやった時、この皮を全部剥いじゃったら、背骨の部分がだら~んと伸びた感じになって、締まりが無くなっちゃったんで、なんか納得いかなかったんですわ。

でもって、皮にトゲトゲが付着しているもんだから、「皮を取ってトゲを残す」って技は、ほぼ不可能で、そんだったら一番の魅力が損なわれちゃうなぁと言う気がしたんで、今回はわざと皮を多めに残すことにしたんです。

で、後ろ足みたいなヒレのところは、薄くて本当に「皮」みたいだったので、腐るといけないから、ここだけは円形に切り取り、後はそのまま繋げておきました。

ですから、裏をひっくり返すと・・・





反対側はこの様に「中抜き」みたいになってます。





鰓の奥に「咽頭歯」みたいな特徴的なホネが見られましたので、それも残しておきました。


で、まあ、こんな「標本モドキ」の飾りもんの完成です。

因みに、あんまり白すぎると「標本感」が出ないかな、と思って、最後の漂白はしないでおきました。
皮がたくさん残っている分、後から黄ばみも出てきそうですが、それも「味」と言う事で、誤魔化しておきます




で、最後にもう一つ。

アカグツには種類が幾つかあって、その見分け方が結構めんどくさいらしい。
特に「アカグツ」と「オキアカグツ」はよく似ているそうで、その見分け方としては、お腹の皮膚に突起が有るか無いかの違いで見分けるらしいんです。

で、それを読んだいぞらどさんは、コイツのお腹を確認して
「うん、これは突起が無いからオキアカグツだ」
と確信していたんですが、でも、後から違う文献を読んだら、この「お腹の突起」と言うのが、実際には「トゲ」の様なモノじゃなくて、「ザラザラしている程度のもの」だったらしいんです。
要は「つるつる」か「ザラザラ」かの違いらしい・・・。

「そんなの突起じゃねえだろ!!紛らわしい書き方すんなぁ~」

もうホネにしちゃった後で、このこと知ったんで、今更再確認する訳にもいきません。
ぼんやりとした記憶をたどっていくしかなく・・・(そう言えば、なんだかザラザラして随分つまみ易い皮膚だったような・・・)。

なので、最後の最後に来て、当初思っていた「オキアカグツ」から「アカグツ」に修正して、コレを書きましたとさ。

おしまい。
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2 コメント

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Unknown (Makoto Shirasaki)
2017-03-02 13:25:58
アカグツ、メチャクチャカッコいいですね!!
(≧∇≦)
星空をまとっているような皮、これは残す価値があるのではないでしょうか!お腹側は中身が観察できますし~!(//∇//) ワア
やはりいぞらどさんはスゴい!
Unknown (いぞらど)
2017-03-03 09:02:34
別に凄くはないですよ。
むしろ手抜きです(笑)。

学問的知識が無いから、ホネと皮の境目がよく分からなくて逃げている、との噂も(笑)。

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