答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

運命の神さまになるべくゴマをすらず、少しばかりけんか腰で、 もう少し、欲しいものをさがして歩く、人生のバタ屋のような生活を、 少し誇りにも思っているのです。(向田邦子)

2017年06月17日 | 読む(たまに)観る


講演会場へと歩いて行く道すがら、館の正面に大きく掲げられたポートレートにいざなわれ、躊躇することなく入った「かごしま近代文学館」(きのうの稿 →『寄り道』)。その他の展示物にはほとんど目もくれず、2階にある向田邦子コーナーをめざした。

入ってすぐ、左側に掲示してあるテクストを読む。

ああ、

思わず涙ぐみそうになり、周りに誰もいないのを確認してまた読む。

切り撮っておこうとバッグからカメラを取り出したが、受付のお嬢さんが言った「撮影はご遠慮ください」という言葉を思い出して、いったん躊躇。

「ひとりじゃないか、かまうものか」

「ダメなもんはダメでしょ」

わたしと別のわたしが何度かそう言い争いをしたあとカメラをバッグに戻し、前日主催者さんに渡されたA4のタイムスケジュールの裏側に書き留めることにした。

 

いまの私にも不満はあります。

年と共に、用心深くずるくなっている自分への腹立ち。

心ははやっても体のついてゆかない苛立ち。

音楽も学びたい、語学も覚えたい、とお題目にとなえながら、

地道な努力をしない怠けものの自分に対する軽べつ ー 。

そして、貧しい才能のひけ目。

でも、たったひとつの私の財産といえるのは、いまだに

「手袋をさがしている」ということなのです。

どんな手袋がほしいのか。

それは私にも判りません。(中略)

私は、この年で、まだ、合う手袋がなく、キョロキョロして、

上を見たりまわりを見たりしながら、

運命の神さまになるべくゴマをすらず、少しばかりけんか腰で、

もう少し、欲しいものをさがして歩く、人生のバタ屋のような生活を、

少し誇りにも思っているのです。

(「手袋をさがす」『夜中の薔薇』)

 

キーボードで言葉を紡ぐことに慣れた手には、たったこれだけの短いテクストをボールペンで書くことももどかしい。

だが、なんとしてでもこの出会いを書き留めておこうと、めげそうになりながらも、どうにか最後まで書き留めた(薔薇という言葉だけは面倒くさくて「バラ」としましたが ^^;)。

書き留めたあと、また掲げられた文章を頭から読み返す。

ああ、

また涙ぐみそうになり、誰もいないのは先刻承知だけれど、思わず周りを見回した。

 

年と共に、用心深くずるくなっている自分への腹立ち。

心ははやっても体のついてゆかない苛立ち。

地道な努力をしない怠けものの自分に対する軽べつ ー 。

そして、貧しい才能のひけ目。

 

そして、

 

私は、この年で、まだ、合う手袋がなく、キョロキョロして、

上を見たりまわりを見たりしながら、

運命の神さまになるべくゴマをすらず、少しばかりけんか腰で、

もう少し、欲しいものをさがして歩く、人生のバタ屋のような生活を、

少し誇りにも思っているのです。

 

ふ~。

なんとまあ。

ここ数年来ずっと持ちつづけてきたおのれの心情を代弁してくれる言葉の数々に嘆息したあと、スキンヘッドを深々とさげる。

素敵な出会いに感謝して。



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