答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

れっつとらい

2014年10月04日 | CCPM

調子に乗ってもひとつオマケ。

CCPM講座第4弾。

ではなぜ多くの人(そして意外なことにデキる人ほど)は、「つながり」を解明しようとしてタスクを細分化しようとしないのか、

についてである。

 

じつはこのことを考えていくと、安全余裕をなぜ吐き出そうとしないのか、にもつながっていく。

いわゆる「デキる技術者」は皆、この「つながり(=因果関係)」が頭のなかで整理されており、

それに基づいて仕事をしているのだとばかり、私は思っていた(つい最近まで)。

それを白日の下に晒さないのは、ただ面倒くさいだけ、もしくは、他人に説明するのに労力を割く必要性を感じないため、だとばかり思っていた。

だが、ひょっとしたら違うのではないか。

いや、間違いなく、多くの場合は違うのだ。

と思い始めたのである。

そして考えれば考えるほどそれは、確信に近づきつつある。

思いきって断定してしまえば、「わからない」のである。

「デキる技術者」と目されている(自認している)人でも、じつは「わかってない」のである。

そして不幸なことに、その「わからない」を、「わからない」と認めることができないのである。

言い換えれば、「わからない」に拠って立ち、「わからない」からスタートすることができないのである。

ではなぜ、「つながり」を詳細に検討することなしに、現場をスムーズに運営し利益を上げることができるのか。

そこで登場するのが「経験と勘」である。

経験的に「わかる」のである。

そしてまた、現場で培った「勘」が教えるのである。

「なんだかよくわからない」けれど、こっちのほうが(たぶん)正しいのだと、「わかる」のである。

しかし、現場というやつが不確実で一筋縄ではいかないのもまた、経験的に知っている。

だから、「つながり」を細分化して詳細を詰める、なんぞという手間ヒマをかけても、そのとおりにはならない。

だったらそんな無益なことはやめて、「なんとなくこれぐらいだろう」という安全余裕を、ざっくりとしたタスクのなかにざっくりと入れておくほうが、よっぽど利口なやり方なのである。

であればその安全余裕は、現場を上手く回すうえで必要不可欠のものであり、

自分を守る砦であり鎧であり、と同時に、けして他人さまに晒してはならない武器なのである。

これが、「デキる技術者」ほど安全余裕を欲しがる、というロジックである。

そして、「デキる」と人から思われている、あるいは「デキる」と自分で思っている技術者の多くが気づいていないポイントが、

「つながり」を中心にロジカルに考え、それを解明していくという行為が、じつは苦手なのだという事実。

そこから必然的に導き出されるのが、

伝えられない。

伝えられないから(ホントの意味での)コミュニケーションがとれない。

コミュニケーションがとれないから(ホントの意味での)コラボレーションができない。

したがって、技術の伝承ができない。

しょうがないから開き直り(本人そのつもりはないのですが)、

とどのつまり、口をついて出るのが、「目で見て盗め」。


それでも受け持った現場で成果を上げつづければ問題ないだろう、と思っているとしたら(思っているだろうが)、

それは甚だしい勘違いだと、私は言わざるを得ない。

個々の現場の損得や局地戦での勝ち負けの積み重ねが組織の優劣となる、という考えは合成の誤謬(※)であり、

誤った考えだと私は思う。


連々と書き散らかしたが、そろそろ今日の結論としよう。

結局のところ、クリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメントを実践するということは、

もやもやっとした、「なんだかよくわからないもの」に頼ることなく、「わからない」ままにせず、

「わからない」に拠って立ち、「わからない」ことを「わかろう」とする行為のなかから、

「つながり」を解明し、その「つながり」を足がかりにして現場を回す。

そしてそれを「見える化」することによって、頭の中身を他者にオープンにすると同時に、

「なんとはなしにわかったつもり」だったが確とは表現しきれなかったものが、ロジックとして「わかる」。

そしてそれを自分自身の言葉(あるいは「見える化」された工程表)で伝えることができるようになり、

組織にコミュニケーション(伝え合い)&コラボレーション(協働する)の文化を根づかせる。

そういうものではないかと、私は思っている。


だから、さあ「れっつとらい」なのである。




(※)合成の誤謬(ごうせいのごびゅう)

ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、かならずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語

(Wikipedeia「合成の誤謬」より)

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%88%E6%88%90%E3%81%AE%E8%AA%A4%E8%AC%AC


 

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