答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

公に生きるという視点

2014年06月19日 | 土木の仕事
ふたつの国の物語―土木のおはなし
小川総一郎 作・絵
理工図書

 

おととい紹介した『ふたつの国の物語ー土木のおはなし』(小川総一郎、理工図書)。

じつは、『ふたつの・・・』という絵本はそのなかの一部に過ぎず、

その他に、

「こどもの暮らしにもっと自然の色とにおいを」(井手佳季子)

「きみの出番だ」(市坪誠)

「あなたも環境をデザインしてみませんか」(小川総一郎)

との4本立て。

全編にフリガナがふってあってわかりやすい、と思えばさにあらず、

私にはかなりフラストレーションが溜まる読み物だった。

内容には基本的に同意するにもかかわらずである。

原因は2つ。

1つ目は、フリガナをふれば中身がわかりやすくなるわけではない、ということ。

全部の漢字にフリガナをふっているからには、けっこう低年齢の読者も視野に入れているのだろうが、

それにしては表現が難しい。

いや書いている当人にとって難しくはないのだろう。

現に私には、難しくもなんともないだから、

それどころかむしろ、平易に書こうとした結果なのだろうと思う。

だが、それならば、専門用語を解体することにこそ傾注すべきで、ルビをふってお茶を濁すべきではないだろう。

2つ目は、対象となる層がどこなのか、さっぱり絞りきれてないように見えること。

私のような齢60にもうすぐ届かんとする人間にとってのひとつ年の差と、

子どもにとってのそれは全く異なる。

「子ども」とひと括りしても、中学生と小学生では全然違うし、小学校低学年と高学年でもまた、びっくりするような差がある。

そのことを考えると、むしろこの本は、子ども向けと子どもを教えることを職業とする大人に対してを別冊として構成されたほうが良かったのではないかと思うのである。

 

私がこのブログで本を紹介するときは、基本として肯定的である。

その内容に対して否定的になるような本は、読んだとしても紹介はしない。

だから、(それがイイか悪いかは別にして)どちらにしても批評にはならない。

それを、いつになくエラそうに批評してしまったのには理由がある。

これが今現在、「土木」の側からの情報発信に顕在している課題だと、私が認識しているからである。

たぶん少し前までは、こんなこと気になりもしなかったはずだ。

それに気づくということは、それだけ情報発信が増えてきたことの証だともいえるだろう(たぶん)。

だからこそ敢えて、申し上げたのである。

 

とかなんとか言いつつも、基本的な内容に文句をつけているわけではない。

埋め合わせといってはなんだが、最後にひとつ、感銘を受けた文章をひとつ引用させていただくことにする。

 

 時代はどんな新しい技術者を求めているのでしょうか。

 新しい技術者像のひとつに、「公に生きる」という視点があります。

 公に生きるとは、「自己中心的、自分本位とは逆に、無私無欲、他者への配慮を第一としてみんなのために生きる」ということです。公益に役立つ、世のため人のために貢献する技術者とは、時間や経済、地域など、10年、50年先を見とおすことが求められます。

 (中略)土木技術者とは、住民のために、難しい問題を専門的な力で解決するものです。

 つまり、公に生きる力を育てることが土木分野の特長であり、ここで育成された土木技術者は、基礎力(基本)、専門力(応用)だけでなく、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップなど(基盤)により、空間および時間を含めた課題を解決します。(P.54、「きみの出番だ」市井誠)

 

あらためて読み返したあと、

一字一句を確かめながらキーボードに打ち込み、

「やっぱり土木ってええよなあ」と独りごちる私。

 

 

ふたつの国の物語―土木のおはなし
小川総一郎 作・絵
理工図書

 

 

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