答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

沈黙の螺旋を逆に回す

2013年11月08日 | 三方良しの公共事業

 

強靭化の思想―「強い国日本」を目指して
藤井聡
扶桑社

 

『強靭化の思想』(Kindle版)を読んでいる。

この本には、やたらめったらとチカラをもらえそうな気配を感じながら読んでいる。

七転八倒悪戦苦闘の経験から引き出しただけの私の言説に、お墨付きを与えてくれる理論を教えてくれたからである。

まず私の言説とはこうだ。

 

だけど俺達いなくなりゃ

ビルもビルも道路も出来やしねえ

誰もわかっちゃくれねえか

  (『山谷ブルース』岡林信康)

といって、焼酎をおあってくだを巻いても、そんなことは当たり前だのクラッカー。

わかっちゃくれねえのである。

だから情報を発信しよう。

じつのところは、公共事業悪玉論に代表される、あたかも誑(たぶら)かしのような情報によって、世の中の大多数が私たちに対して否定的な意見を持っていると思われているけれど、ちゃんとわかってくれている人はいる。

だから情報を発信しよう。

続けることで、そういった人の声を、ひょっとしたら(いやきっと必ず)引き出せるかもしれない。

だから、地域社会に(自らすすんで)発信するということは、今という時代の土木技術者にとって「モノづくり」と同列に置かれなければならないことなのである。

 

で、理論的お墨付きとは「沈黙の螺旋」、いや、「沈黙の螺旋を逆に回す理論」といったほうが適切だろうか。

 

「沈黙の螺旋理論」(Weblio辞書より)

マスメディアを通じ、個人が多数派と認識する世論が形成され、そのような世論が同調への圧力を持つという理論。

人々は自分の意見が世の中で多数派か少数派かを判断する直接的統計能力を持ち、

少数派だと思う人々は孤立を恐れて沈黙を保ちたがる。

そのため多数派の声が、螺旋が収束するようにますます増大するというものである。

 

これ、ドイツの政治心理学者ノエル・ノイマンが提唱した理論で、かなり有名なんだそうだが、この私は今の今まで知らなかった。

まこと己の浅学さに恥じ入るばかりなのであるが、まあこの際それはおいとく。

藤井さんは、その典型的例を『裸の王様』だとして(あ、そういわれると腑に落ちるね)、

 

世論と呼ばれるものは、人々の冷静な意見の集積というよりはむしろ、こうした「こわばった風潮」にしか過ぎない、と考えるのが沈黙の螺旋理論である。(P.101)


と定義づけている。

その上で、


公共事業の一例として土木事業を特に取り上げ、無作為抽出した680人の京都市在住者に「土木事業に賛成か反対か」、また、「ほかの人々は賛成していると思うか反対していると思うか」、そして、「土木事業についての意見を人前で話したことがあるか否か」などを尋ねた。

 その結果、「土木事業に反対の人ほど人前で土木事業の話を語ることが多く、賛成の人ほど沈黙する」という傾向が示された。これはまさに沈黙の螺旋が土木事業を巡る世論において生じていることの証左にほかならない。さらに集計の平均値をみると「各人の賛否意識の平均」よりも、「他者の賛否回答を予想した平均」の方が否定的だということも明らかとなった。(P.102)


との結果を受け、


伝統に裏打ちされた良識を携えた庶民が残されていることを信じ、彼らに向かって正当な論理を発言し続けること以外に、沈黙の螺旋を逆に回す術はない(P.104)

 

とおっしゃっている。

現に私自身、2年前の台風災害の応急復旧に携わったおり、微力ながらも発信し続けたことで、当ブログにこのようなコメントをいただいた経験がある。

 

感謝(ゆうこ)ー2011.10.19

 北川村道路工事、本当にありがとうございました。

 仕事とはいえ、過酷な作業、残酷な雨・・・ほんとに大変だったと思います。

 (中略)

 北川村のじいじとばあば達は、皆さんのこと拝んでますよ。

 その子供の私たちも・・・ありがとうございます。

 

ささやかな経験ではある。

そして、この応急復旧において、私(たち)が成し遂げた仕事がどうだったかについては、色々な見方が出来るのだろう。

「どんなもんだいワシら正義の味方やもんね」とばかりにふんぞり返るつもりもない。

しかし、もらったこちらが感謝してもしきれない、宝物のようなこのコメントをいただけたのは、発信し続けたからであることには間違いがない(と私は思う)。

だから情報を発信しよう。

と、あちらこちらで発表をさせてもらうたびに私は、そう言い続けている。


どうだろう?

「沈黙の螺旋を逆に回す理論」。

間違いない、と私は思う。



 

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