答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

トンネル崩落事故から

2012年12月04日 | 土木の仕事

中央自動車道の笹子トンネル崩落事故のニュースを見ていて、ある本の内容が思い浮かんだ。

公共事業が日本を救う』(藤井聡著、文藝春秋)である。

 

インフラの維持管理、メンテナンスを蔑(ないがし)ろにした1980年代のアメリカは、文字通り「荒廃」し、交通が乱れ、経済が乱れ、そして、社会生活に大きな支障が及んでいたのである。そして挙句には、橋の崩壊によって何人もの人命が失われたのである。(P.65)

 

 全国4000橋、つまり、一つの都道府県について、平均で約85橋もの橋が緊急の補修を必要としているのである。つまり、我々が日常的に使っている橋の中に、既に、「そのまま放置し続ければ、いつ落ちてもおかしくはない」、というような危険な状態にある橋が潜んでいる可能性は極めて高いのである。(P.67)

 

 しかも、現在の日本は、かつてのアメリカよりもさらに深刻な問題を抱えている。

 なぜなら、日本の公共事業は現在、深刻な「財源不足」の問題に直面しているからである。

 繰り返しとなるが、アメリカはこの問題の回避のため、抜本的に道路予算の拡張を図った。

 しかし、現在の日本は、ちょうどその”真逆”の議論をしている。

 (中略)

 言うなれば、「コンクリートから人へ」という考え方で財政を行ない続けているうちに、”コンクリート”でできた橋を補修する予算が削られ、巡り巡って、貴重な”人”の命が失われてしまう帰結に至る ― 、そんな懸念が、現実味を帯びたものとして危惧されるのである。(P.80~81)

 

 

公共事業が日本を救う (文春新書)
藤井 聡
文藝春秋

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いわずもがなかもしれないが、藤井さんがここで言わんとしているのは、「橋」についてのようで「橋」のみのことではない。

インフラストラクチャーは公共の福祉のためにあり、インフラ整備は民間事業として成り立ちにくいため公共事業として行われる。

そしてそのインフラは、維持補修、場合によっては再構築をしなければ、いずれその役目を果たすことが叶わなくなる。

したがって、それもまた公共事業として行われなければならない。

その理に立ち、そして「公共事業はまだまだ削らなければならない」という論調が大手を振っていることを思えば、なおさら事故の痛ましさが際立ち、なんとも言えない気持ちになるのである。



         

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