正月休み明けは、なんでいつもこんなにバタバタしているのか。という感覚が、単なる「感じ」なのか、はたまた実際にそうなのかを確認すべく過去の記事へとさかのぼってみた。しかし、よくよく考えてみれば、ホントにキツイ時にはキツイと感じさせないように書いてきたつもりなのだから(案外バレバレなのかもしれませんがネ)、あとになって読み返してみても、しかとは判らなかったりするのは、当たり前のことなのである。
そんななか、一昨年の1月5日、年頭に当たってオノレにガツンと気合を入れるために書いた一文が、我ながら、「いかにも」という感じで面白かったので再録する。
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時は経ち、まがりなりにも土木でメシが食えるようになった今思うのは、「技術者には近道はない」ということ。
勿論、技術の習熟には個人差があり、その差が出る原因には、努力の差があったり、感受性の差があったり、能力の差があったり、と色々なことが考えられるのだが、ショートカットをして得られるものではない、ということだけははっきりと言える。
「これを実行すれば必ず成果が出る」という類のことを言う人間には、まずロクなのがいない、と疑ってかかるべきだろう。例えそんなものが現実にあったとしても、本当に成果を出すためには、個人個人が自分の頭で考えて受け売りを排除し、自分(たち)に合うような形にアレンジしていかなければならないのである。
どんなに良く出来たシステムでも、どんな偉い人の有り難い話でも、そのことだけで成果が生まれる、などということは技術者の道にはあり得ない。
そもそも建設業に即戦力などあるはずはなく、技術(知識や能力を含む広い意味での)を身につけて一人前になるのには長い時間がかかるのだ。
だから、他人より早く一人前になろうとすれば、他人より多くの時間をかけて勉強し、考え、そうやって理解したものをそれまでの自分の経験に照らし合わせながら納得させていく、という単純な繰り返しをすることでしかない筈である。
そうやって自分の中に蓄積されたものが、本当の意味での自らの財産となるのだ。
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正しくは、この時に書いたものではなく、建設訓練短大『紀要』へと寄せた文章を転載したものだ。それも、じつをいうとこの前段に前フリ(というかツカミ)があり、そのフリがあるからこそこいつに値打ちがあるのだが、「それはまた来年」と勿体をつけておいて、原点回帰を肝に入れる。