答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

幻にあらず

2012年01月04日 | 読む(たまに)観る
逆軍の旗 (文春文庫 (192‐11))
藤沢周平

表題作の他に

 『上意改まる』

 『二人の失踪人』

 『幻にあらず』

    を収めた中篇小説集


ずっと頭の片隅に引っかかっていた名前があった。竹俣当綱(たけまたまさつな)である。

江戸中期の米沢藩上杉氏の重臣で上杉鷹山による明和・安永期の藩政改革の中心となった人だが、終いには「公費の私的流用の罪や藩祖上杉謙信の忌日に酒宴をしていたという不敬罪など11か条の不行跡を理由に」(『Wikipedia-竹俣当綱』より)処罰を受け、失脚をする。

ということで、正月休み最終日の今日、藤沢周平『幻にあらず』を読む。2度目である。


「賽の河原でござりますな。一所懸命に石を積んで、今度はよいかと思うと、鬼がやってまいります」(P.262)


「実効を急いではならんだろう、当綱。なるほどまだ先は長いが、そなたの才覚で、あちこちにいい芽が吹き出しているのも事実だ。そうは思わんか」

「殿はお若いから、そのようにおっしゃる。それがしは近頃、藩の建て直しなどということは、若い間にみる幻かも知れんと、そう思うようになり申した」(P.263)


「幻ではないぞ、当綱」

 思わず治憲は、叱咤するように言った。藩建て直しに、ちらとでも疑問を持った自分を叱った声でもあった。(P.264)

 

以前読んだのがいつだったか、しかとは覚えていないのだが、その時はたしかに「幻かも知れんと」に心がシフトしていたはずである。がしかし、その時々の心の持ちようというのは面白いものである。今回は、「幻ではないぞ」に肯く私なのだ。

そうはいいつつ私の興味は、上杉鷹山にはなく、あくまでも竹俣当綱なのであるが・・・。

 


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