答えは現場にあり!技術屋日記

「三方良しの公共事業」をモットーに、辺境の高知のそのまた辺境から、土木技術者のオジさんが泣き笑いの日々を届けます。

「他者」に「パス」を送ることだけに意味がある(内田樹)

2011年11月05日 | 読む(たまに)観る

しばらくぶりに本を読んだ。

 

期間限定の思想 「おじさん」的思考2 (角川文庫)
内田樹
角川書店(角川グループパブリッシング)

 

 哲学的な言い方をすれば、「仕事をする」というのは、「他者を目指して、パスを出す」という、ただそれ「だけ」のことである。

 私たちは「自分のために」「自分に向けて」「自分に何かをもたらし来たすために」仕事をしているのではない。

 思慮のない若者は「自己実現のために」とか「おれの生き様を示すために」とか「自分探し?」とか言うが、それは貨幣の意味も市場の意味も知らない人間の寝言である。

 仕事の本質は他者をめざす運動性のうちにある。

 それを知らない人間は、ボールゲームの本質がボールの運動にあることを知らないプレイヤーと同じである。

 もし、ゲームのあいだずっと、そしてゲームが終わって観客が帰ったあともまだグラウンドで一人ボールにしがみついているプレイヤーがいたら、そいつはバカだということは誰にでも分かる。

 だが、もし君が「プール付きの豪邸」や「社会的プレスティージ」や「自己実現」をめざして仕事をしているのなら、君はそのプレイヤーとまるで同じだ。

 そんなものには何の意味もない。

 「他者」に「パス」を送ることだけに意味がある。

 だから、「つまらない仕事」とは「パス」を送るべき相手のいない仕事のことである。

 (内田樹『期間限定の思想-「おじさん」的思想2』、角川文庫、P.42~43より)

 

 

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