つれづれなるまま映画を観て過ごす「ベッチーの映画三昧日記」

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「ヒトラーの忘れもの」

2017-01-25 18:44:20 | goo映画レビュー
●ベッチー的映画三昧日記
 「ヒトラーの忘れもの」

1945年5月ナチス・ドイツの降伏後のヨーロッパでの戦後処理を敗者、勝者の両方の視点から描く人間ドラマだ。

 ナチス・ドイツは連合軍の上陸作戦を阻止しようとデンマークの海岸に多くの地雷を埋めた。その数は200万ともいわれている。連合軍はその撤去作業を捕虜のドイツ兵にやらせることとする。任務にあたったのは年端もいかない少年たちだった。2000人余の少年兵が任務にあたり半数以上が亡くなったという。本作はデンマークでもあまり知られていないこの歴史的事実を基にした映画だ。

ドイツ降伏後のデンマーク。多くのドイツ軍兵士が自国へ戻る行軍中のさなか、少年兵たちの一団が地雷除去のにわか訓練を経て各地へ駆り出されていく。
デンマーク軍軍曹の指揮官(ローラン・モラー)は、少年兵11名を連れて、ある浜辺へ赴く。ナチスへの憎しみに満ちていた軍曹は少年らに厳しくあたる。少年兵たちは食事もろくに与えられずに死と隣り合わせの危険な任務をこなしていく、“地雷を全て撤去したら国へ帰してやる”という言葉を信じて。
来る日も来る日も地雷を撤去し続ける少年たち、無垢な少年たちの姿に次第に軍曹は自分のやっていることの是非に葛藤することになる。やがて極限状態の中、少年たちにミスが発生し一人の少年が爆死する。それを発端に一人、またひとり命を落としていく少年たちに、指揮官はある決意をする…。

 指揮官を演じる軍曹が、ドイツ軍のどれほどの憎しみを持っているのかという所が冒頭数分で描かれている導入部がうまい。これにより本作のポイントである物語の進展につれて悩み、自問自答する彼の姿がよりクローズアップされた。
 当時実際に地雷が埋められていた場所で撮影されたという浜辺の映像は時に美しくもある。特に心を開きかけた軍曹と少年兵たちがサッカーで戯れるシーンは本作で最も美しく、欧州映画らしい。それだけに、その後の出来事が一層悲惨さを訴えてくる。

 戦争は敗者も勝者もどちらも犠牲者である。やった行為を正当化しようとは思わないが、どちらか一方が正義でどちらか一方が悪ということは決められない。
 本作を観るとそれを強く感じることが出来る。

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