つれづれなるまま映画を観て過ごす「ベッチーの映画三昧日記」

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「女神の見えざる手」

2017-12-04 19:22:42 | goo映画レビュー
●ベッチー的映画三昧日記
 こんな女性が身近にいたら絶対にお近づきにはなりたくな~い「女神の見えざる手」


 「恋におちたシェイクスピア」のジョン・マッデン監督が「ゼロ・ダーク・サーティ」のジェシカ・チャスティンを主演にアメリカの政治まで影で操る天才的ロビイストの実態をサスペンス調に描いたのが「女神の見えざる手」だ。

 アメリカ大統領選で勝敗を左右するのは”ロビィスト”の力だとよく耳にする。政府の政策決定に影響を与え、世論も左右するプロの集団だが、法律事務所や広告代理店のようにロビイストというのが職業として、ここまで表舞台で巨大企業化しているということを本編を観るまで知らなかった。しかも、本作で描かれるのは、アメリカで今タイムリーな問題、銃規制の法案をめぐるものだから新鮮だ。

 大手ロビー会社の敏腕ロビイスト、エリザベス・スローン(ジェシカ・チャスティン)は銃所持を支持する団体の仕事を断ったため会社を追われ、銃規制派の小さな会社にスカウトされる。全米に500万人を超える支持者と潤沢な資金のある銃所持賛成派が圧倒的に有利と思われていた支持議員の牙城を、彼女は天才的な戦略とアイデアで崩していく。勝利を目前にしていたとき、ある事件と彼女のプライベートが明るみに出て一挙に苦境に立たされる…。

本作の主人公、エリザベス・スローンは、まさに24時間戦う企業戦士だ。そのエネルギーの源は、必ずしも正義感からくるものではなさそうだし、給与なのか、達成感なのか、どこにあるのか、あまりはっきりと描かれていない。しかし、ほとんど眠らず薬を飲みながら仕事をこなしていく彼女の姿は異様であるt。仕事を一種のバトルゲームのように捉え、勝利することだけが生きがいのように見える言うことだけは明らか。
彼女をスカウトする弱小ロビー会社のやり手社長(マーク・ストロング)さえも途中で彼女の徹底したやり方に付いていけなくなり、辟易する姿が印象に残る。それほど、ジェシカ・チャスティン演じるスローンの生き様は凄まじいということである。
 しかし、ここまで頭脳明晰で、非の打ちどころのない女性の弱点が、唯一性処理だったとは笑ってしまった。よくある映画のオチだとこれが主人公の致命傷となるところだが、本作ではエスコートボーイのプロ意識(or好意)のよって救われる。
 そして、赤い口紅とハイヒールを脱ぐことが出来た場所が刑務所だったことと、その場所での彼女の顔が穏やかに見えたのは本作最大に皮肉であった。
 

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